♦ すべり系とシュミット因子
金属材料はすべり運動によって塑性(そせい)変形が起きます。
そしてすべり面は最密充填構造です。結晶構造によってすべり系の数は異なります。体心立方格子が48個、面心立方格子が12個、稠密(ちゅうみつ)六方格子は3個です。一般にすべり系が多いほど塑性変形しやすいのです。
図1.丸棒に働くせん断応力
図1、断面積Aの単結晶の丸棒に引張荷重Fが負荷された時を考えます。材料には軸方向に応力が負荷されますが、塑性変...
TOP
金属材料はすべり運動によって塑性(そせい)変形が起きます。
そしてすべり面は最密充填構造です。結晶構造によってすべり系の数は異なります。体心立方格子が48個、面心立方格子が12個、稠密(ちゅうみつ)六方格子は3個です。一般にすべり系が多いほど塑性変形しやすいのです。
図1.丸棒に働くせん断応力
図1、断面積Aの単結晶の丸棒に引張荷重Fが負荷された時を考えます。材料には軸方向に応力が負荷されますが、塑性変...
金属材料はすべり運動によって塑性(そせい)変形が起きます。
そしてすべり面は最密充填構造です。結晶構造によってすべり系の数は異なります。体心立方格子が48個、面心立方格子が12個、稠密(ちゅうみつ)六方格子は3個です。一般にすべり系が多いほど塑性変形しやすいのです。
図1.丸棒に働くせん断応力
図1、断面積Aの単結晶の丸棒に引張荷重Fが負荷された時を考えます。材料には軸方向に応力が負荷されますが、塑性変形が起こるためには、すべり面にせん断応力 τ が作用して、すべり運動を起こすことが必要です。
すべり運動は丸棒の垂直断面から、ある角度のすべり面で起こります。ここで λ はすべり面と引張荷重の角度、θ はすべり面の法線と引張荷重の角度です。引張荷重のうちすべり面に負荷される荷重は Fcosλ となり、すべり面の面積は A/cosθ となります。この荷重を面積で割ることでせん断応力が求められます。これを式(1)に示します。
σ は引張応力です。cosλcosθ はシュミット因子と呼ばれ、最大値は λ=θ=45° すなわち 0.5です。すべり系の中でも大きなシュミット因子を持つすべり系を主すべり系と呼びます。シュミット因子により、丸棒に引張応力を負荷した場合、最大のせん断応力は斜め45°の向きに働くことを表します。
次回に続きます。
続きを読むには・・・
現在記事
鉄原子やアルミニウム原子など金属を構成する物質の最小単位は原子です。原子の結合には主に金属結合、イオン結合、共有結合があります。この金...
鉄原子やアルミニウム原子など金属を構成する物質の最小単位は原子です。原子の結合には主に金属結合、イオン結合、共有結合があります。この金...
機械や構造物の破壊事故の約80%は疲労による破壊が原因とされており、疲労破壊による航空機や鉄道車両、自動車、橋梁などの重大な事故も多く発生しています。...
機械や構造物の破壊事故の約80%は疲労による破壊が原因とされており、疲労破壊による航空機や鉄道車両、自動車、橋梁などの重大な事故も多く発生しています。...
◆ 電気分解 ~ アノードとカソード 自由電子は導線など金属の中を動くことができますが、水溶液などの電解質中を動くことはできません...
◆ 電気分解 ~ アノードとカソード 自由電子は導線など金属の中を動くことができますが、水溶液などの電解質中を動くことはできません...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...
会社概要
-会社概要
© ものづくりドットコム / ㈱ブロードリーフ
ものづくりドットコムのIDでログイン
まだ未登録の方は、「無料」会員登録で多くの特典が!
Aperza IDでログイン
Aperza IDでのログイン機能は終了いたしました。
今後はものづくりドットコム会員ご登録の上、ログインをお願いいたします