粒界腐食とは:金属材料基礎講座(その67)

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◆ ステンレス鋼の粒界腐食

 結晶粒界は元々、不純物介在物などが偏析しやすい場所です。しかし通常の材料や環境であれば問題になることはほとんどありません。

 特定の材料では、粒界に偏析した金属間化合物などによって、結晶粒界が優先的に腐食されることがあります。代表的な現象はオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化です。SUS304を溶接すると熱影響部が加熱され、粒界にクロム炭化物のCr23C6が析出します。鋭敏化と粒界腐食を図1に示します。

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図1.鋭敏化と粒界腐食

 

◆粒界腐食の原因・鋭敏化

 クロム炭化物が析出するとその周囲のクロム濃度が低下するため、不動態しなくなります(ステンレス鋼の不動態皮膜はクロムの影響です。クロム量が約12%以上になると、クロムの不動態皮膜が形成されます)。これを鋭敏化といいます。鋭敏化が起こると、材料は粒界から腐食されていきます。鋭敏化を起こしやすい温度域が600~800℃にあるため、ステンレス鋼を溶接した後は急冷して、この温度域を早く通過することが対策になります。

 

◆粒界腐食の対策

 鋭敏化はクロム炭化物のため、ステンレス鋼のなかでも炭素量を少なくして、モリブデンを添...

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◆ ステンレス鋼の粒界腐食

 結晶粒界は元々、不純物介在物などが偏析しやすい場所です。しかし通常の材料や環境であれば問題になることはほとんどありません。

 特定の材料では、粒界に偏析した金属間化合物などによって、結晶粒界が優先的に腐食されることがあります。代表的な現象はオーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化です。SUS304を溶接すると熱影響部が加熱され、粒界にクロム炭化物のCr23C6が析出します。鋭敏化と粒界腐食を図1に示します。

金属

図1.鋭敏化と粒界腐食

 

◆粒界腐食の原因・鋭敏化

 クロム炭化物が析出するとその周囲のクロム濃度が低下するため、不動態しなくなります(ステンレス鋼の不動態皮膜はクロムの影響です。クロム量が約12%以上になると、クロムの不動態皮膜が形成されます)。これを鋭敏化といいます。鋭敏化が起こると、材料は粒界から腐食されていきます。鋭敏化を起こしやすい温度域が600~800℃にあるため、ステンレス鋼を溶接した後は急冷して、この温度域を早く通過することが対策になります。

 

◆粒界腐食の対策

 鋭敏化はクロム炭化物のため、ステンレス鋼のなかでも炭素量を少なくして、モリブデンを添加した鋼種を使用すると鋭敏化しにくくなります。またチタンやニオブなどはクロムよりも炭素と結びつきやすいため、これら元素を添加することなども有効です。

 

 次回に続きます。

 

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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この記事の著者

福﨑 昌宏

金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

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