インヒビターとは:金属材料基礎講座(その84)

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◆ インヒビターの用途と種類

水溶液などに添加して腐食を防止する効果を発揮する物質を腐食抑制剤、インヒビター、防錆(ぼうせい)剤などと呼びます。

インヒビターは完全に腐食を防ぐことができなくても、少量の添加で腐食速度を遅くすることができれば効果があるといえます。ステンレス鋼など、コストの高い材料や塗装などのメンテナンスコストと比較して、有効性がある時に使用されます。

腐食環境はさ...

 

◆ インヒビターの用途と種類

水溶液などに添加して腐食を防止する効果を発揮する物質を腐食抑制剤、インヒビター、防錆(ぼうせい)剤などと呼びます。

インヒビターは完全に腐食を防ぐことができなくても、少量の添加で腐食速度を遅くすることができれば効果があるといえます。ステンレス鋼など、コストの高い材料や塗装などのメンテナンスコストと比較して、有効性がある時に使用されます。

腐食環境はさまざまなので、インヒビターも色々な種類がありますが、どのような環境にも適したインヒビターがあるわけではありません。インヒビターは循環冷却水のように閉鎖された環境で使用することもあれば、酸洗いのように開放された環境で使用することもあります。

インヒビターはその特徴から不動態型、沈殿皮膜型、吸着型などに分類することができます。その分類を表1に示します。

表1. インヒビターの分類例

 

不動態皮膜型はインヒビターの酸化力によって、表面に不動態皮膜を形成して保護します。クロム酸塩、亜硝酸塩、モリブデン酸塩などがあります。沈殿皮膜型はインヒビターと金属を反応させて、その生成物を表面に沈殿させることで保護します。リン酸塩やケイ酸塩などがあります。また銅に対してはベンゾトリアゾールなどが使用されます。吸着型はインヒビター分子が表面に吸着して保護します。インヒビターの分子は極性基と疎水基があります。金属表面には極性基が吸着し、疎水基が水をはじきます。


 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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この記事の著者

福﨑 昌宏

金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

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