金属結合とは

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金属結合

 

鉄原子やアルミニウム原子など金属を構成する物質の最小単位は原子です。原子の結合には主に金属結合、イオン結合、共有結合があります。この金属結合という結合方式を金属はとります。

 

金属原子が近づきそれぞれの原子がもつ電子軌道が重なる一定の距離になると、お互いに電子(自由電子)を出しあいそれぞれの電子が、それぞれの金属イオンの周りを自由に動くようになり、原子自身は陽イオンとなります。金属結合は自由電子と金属陽イオンとの電気力で結合しています。

 

今回は、金属結合の概要を解説します。

 

1.金属結合とは

 

金属結合は金属の結晶構造と大きくかかわっています。金属結合では金属イオンや電子の並びに限定はなく、金属イオンの位置がずれても他の金属イオンと再結合します。これによって金属は変形が出来るのです。また、金属が電気伝導や熱伝導に優れているのは自由電子が熱や電気をよく通す働きがあるためです。金属光沢は自由電子が光などの電磁波を全反射するために起きています。

金属結合

 

鉄原子やアルミニウム原子など金属を構成する物質の最小単位は原子です。原子の結合には主に金属結合、イオン結合、共有結合があります。この金属結合という結合方式を金属はとります。

 

金属原子が近づきそれぞれの原子がもつ電子軌道が重なる一定の距離になると、お互いに電子(自由電子)を出しあいそれぞれの電子が、それぞれの金属イオンの周りを自由に動くようになり、原子自身は陽イオンとなります。金属結合は自由電子と金属陽イオンとの電気力で結合しています。

 

今回は、金属結合の概要を解説します。

 

1.金属結合とは

 

金属結合は金属の結晶構造と大きくかかわっています。金属結合では金属イオンや電子の並びに限定はなく、金属イオンの位置がずれても他の金属イオンと再結合します。これによって金属は変形が出来るのです。また、金属が電気伝導や熱伝導に優れているのは自由電子が熱や電気をよく通す働きがあるためです。金属光沢は自由電子が光などの電磁波を全反射するために起きています。

 

電子には狭い領域に押し込められると運動量が増すという性質があります。金属原子どうしが繋がっていることによって自由電子が前より広い範囲に広がって存在できるようになると運動量が小さくなります。運動エネルギーが小さくて済みます。それで一個の原子内に電子が閉じ込められているときよりもエネルギーが小さくなるのです。金属結合でエネルギーが低い状態が実現しているのは、電子の量子力学的な振る舞いが原因です。

 

2.金属結合の仕組み

 

金属結合は金属元素同士が結合するときに生じ、金属の電気陰性度が低いため、自分が持つ電子を外に出して陽イオンになろうとします。一方、同じ種類の金属原子同士ではどちらかが電子をもらうという現象は起こりません。そのため、特定の金属原子に固定されることなく、原子核の束縛から解放された電子は、全体を動き回ることが出来ます。このような電子を自由電子といいます。つまり、自由電子は、正の電荷をおびた金属原子のまわりを動き回ることによって、ばらばらになろうとする多数の金属原子を電子とのクーロン力で結合する働きをしているということです。これが金属結合の仕組みです。

 

3. 金属結合の強さ

 

その名の通り自由に動く事ができる自由電子は、陽イオンを結び付けています。そのため、金属に電圧を加えると電流が生じ電気を通すことができます。自由電子が移動するこの性質を電気伝導性といいます。

 

鉄などの金属をイメージして金属結合は強そうなイメージがありますが、共有結合ほど強くありません。共有結合はもっと強い結合です。

 

また、金属結合の強さは、自由電子の数が1原子あたりで多いほど強くなります。そして、強い結合であるほど、液体にするための切断には多くのエネルギーが必要です。すなわち、融点が高くなる傾向があります。

 

4.普及が見込まれる固相接合とは

 

固相接合は、物理的に母材の界面を消失させることで接合を行いますので、溶融や液相接合とは異なります。1991年に英国のTWI(溶接研究所)が発明した摩擦攪拌接合は、固相接合としてよく知られています。

 

軟化温度が比較的低い金属が接合可能な部材です。アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン、銅、亜鉛が主ですが、その適用範囲は工具形状、工具材質や接合装置などの改良を繰り返し拡大しています。

 

摩擦攪拌接合は、これから普及する接合方法と考えられます。現在の使用例として、航空機エンジンチタン製ファンブレード、アルミ製ロケット推進剤タンク、自動車のアルミ製サブフレーム、アルミ製鉄道車両が知られています。

 

 

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この記事の著者

嶋村 良太

商品企画・デザインとエンジニアリングの両方の視点を統合し、顧客満足度の高い商品開発を実現していきます。

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