トヨタ生産方式も先ずは2Sから 中国企業の壁(その27)

投稿日

 
  生産マネジメント
 
 以前弊社で元トヨタマンの青木幹晴先生を講師として「トヨタ生産方式による工場生産性改善と中国工場への展開事例」セミナーを開催したことがあります。弊社でのTPS関係のセミナーは初めてであったこともあり、入門編としてプログラムを組んでいただきました。
 
 最初にトヨタ生産方式においても5Sは、基本であると同時に欠かせない要素であるので、その考え方や進め方を特に中国工場についての事例写真を見せながら説明してくれました。
 
 5Sについては、最初の2つS(2S)が重要で、逆の言い方をするとこれだけをやればよいと言っていました。これはわたしもまったく同感です。ただ、わたしの場合は、3つのS(3S)をやることにしています。
 
 整理の考え方は、滞留するものを処置することがポイントとのことです。
 
 一般に言われている「要るか、要らないか」で判断すると、全部要ることになってしまうので、滞留しているものを処置します。そして、滞留期間は、1ヶ月で判断します。それ以上のものには赤札を貼り、最後に赤札品を一カ所に集めます。集めたものを関係者が見ることで、ムダを実感させ処分していきます。こうすることで判断が容易になり、迷って結局そのままということがなくなります。
 
 整頓は「必要なものがすぐに取り出せるようにする」ことで、それは、決められた棚に必要なものが常に欠品のない状態で維持され...
 
  生産マネジメント
 
 以前弊社で元トヨタマンの青木幹晴先生を講師として「トヨタ生産方式による工場生産性改善と中国工場への展開事例」セミナーを開催したことがあります。弊社でのTPS関係のセミナーは初めてであったこともあり、入門編としてプログラムを組んでいただきました。
 
 最初にトヨタ生産方式においても5Sは、基本であると同時に欠かせない要素であるので、その考え方や進め方を特に中国工場についての事例写真を見せながら説明してくれました。
 
 5Sについては、最初の2つS(2S)が重要で、逆の言い方をするとこれだけをやればよいと言っていました。これはわたしもまったく同感です。ただ、わたしの場合は、3つのS(3S)をやることにしています。
 
 整理の考え方は、滞留するものを処置することがポイントとのことです。
 
 一般に言われている「要るか、要らないか」で判断すると、全部要ることになってしまうので、滞留しているものを処置します。そして、滞留期間は、1ヶ月で判断します。それ以上のものには赤札を貼り、最後に赤札品を一カ所に集めます。集めたものを関係者が見ることで、ムダを実感させ処分していきます。こうすることで判断が容易になり、迷って結局そのままということがなくなります。
 
 整頓は「必要なものがすぐに取り出せるようにする」ことで、それは、決められた棚に必要なものが常に欠品のない状態で維持されていなければならないことを意味しています。
 
 この考え方こそまさにTPSそのものです。「整頓=改善」と言えるのだと強調されていました。
 
 中国で5Sを進めるときのポイントのひとつは、やれるところからやることだと言っていました。そして、できたところはちゃんと褒めてあげることが大事なことです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
在庫管理をAIで効率化!効率化の成功事例と導入ポイント

【目次】 近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、さまざまな業界での活用が進んでいます。その中でも、在庫管理は特にAIの恩恵を受け...

【目次】 近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、さまざまな業界での活用が進んでいます。その中でも、在庫管理は特にAIの恩恵を受け...


中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その61)

 前回のその60に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント ◆ 新規取引先を選ぶ際のポイント 1、会社の経営方針やトップの考え...

 前回のその60に続いて解説します。 【第4章】中国新規取引先選定のポイント ◆ 新規取引先を選ぶ際のポイント 1、会社の経営方針やトップの考え...


中国工場の実状を知る、日本人駐在員について 中国工場の品質改善(その20)

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【設備ノウハウの落し込み】  前回のその19に続いて解説します。 (3)中国人にどこまで求める...

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【設備ノウハウの落し込み】  前回のその19に続いて解説します。 (3)中国人にどこまで求める...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
3次元データ加工のセオリー 伸びる金型メーカーの秘訣 (その15)

 今回紹介する部品加工メーカーは、T鉄工所です。同社は、フォークリフトの構成部品の機械加工を行っており、特に溶接製缶品の切削や穴あけに特化した加工技術が得...

 今回紹介する部品加工メーカーは、T鉄工所です。同社は、フォークリフトの構成部品の機械加工を行っており、特に溶接製缶品の切削や穴あけに特化した加工技術が得...


赴任者のために 中国工場管理の基本事例(その8)

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その6)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)に続いて解説します。 ◆...

1、赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その6)  前回の赴任者のための現地・中国人社員のマネジメント(その5)に続いて解説します。 ◆...


マシニング加工の改善 伸びる金型メーカーの秘訣 (その16)

 今回は、M工場の金型課におけるコンサルティング事例として、マシニング加工の改善について取り上げます。    近年、CAD/CAMシステムの...

 今回は、M工場の金型課におけるコンサルティング事例として、マシニング加工の改善について取り上げます。    近年、CAD/CAMシステムの...