不良の原因究明に進歩あり 中国企業の壁(その48)

投稿日

 
  品質マネジメント
 
 日本向けに鉄加工製品を販売している中国企業A社の工場では、日本品質を目指して開発・生産に取り組んでいます。顧客クレームが発生すれば、原因を究明し対策を講じて再発防止に努めています。
 
 しかし、その中身はどうかと言えば、まだまだ十分と言えるレベルではありません。不良の原因が明確なものは対応できるのですが、不良の原因が明確でないものに関しては、顧客の責任にする傾向がありました。
 
 例えば、顧客が使うときに力を加え過ぎたので変形した、ネジを回すスピードが速すぎるのでかじりが発生したなどです。自社製品の設計上や生産上の問題があるかどうかの検討は、当初ほとんど出来ていませんでした。
 
 顧客からの厳しい指摘もあり、徐々に自社設計や生産工程での不良発生の可能性有無という考え方ができるようになってきました。また、発生した不良について、再現テストを実施して確かめるということもできるようになってきました。
 

◆ 品質マネジメント:A社の事例

 あるとき鉄に溶融亜鉛メッキをした製品でメッキ剥がれ不良が発生しました。A社では、次の要因を考えました。
 
  • 製品が何かにぶつかって剥れた
  • メッキが厚く付きすぎたことで剥れた
 
 以前なら、輸送の途中か顧客のハンドリングで製品をぶつけたことで剥れたと回答してしまうケースです。今回は、ぶつかって剥れた可能性を確かめるために、メッキ製品をハンマーで叩いて剥れの有無をテストしました。進歩したものです。
 
 メッキが厚く付きすぎていたかも調査しました。通常のメッキ厚と比べて厚いのか、薄いのか、同程度なのかを確認して問題の有無を判断します。通常メッキは100μm程度付いている...
 
  品質マネジメント
 
 日本向けに鉄加工製品を販売している中国企業A社の工場では、日本品質を目指して開発・生産に取り組んでいます。顧客クレームが発生すれば、原因を究明し対策を講じて再発防止に努めています。
 
 しかし、その中身はどうかと言えば、まだまだ十分と言えるレベルではありません。不良の原因が明確なものは対応できるのですが、不良の原因が明確でないものに関しては、顧客の責任にする傾向がありました。
 
 例えば、顧客が使うときに力を加え過ぎたので変形した、ネジを回すスピードが速すぎるのでかじりが発生したなどです。自社製品の設計上や生産上の問題があるかどうかの検討は、当初ほとんど出来ていませんでした。
 
 顧客からの厳しい指摘もあり、徐々に自社設計や生産工程での不良発生の可能性有無という考え方ができるようになってきました。また、発生した不良について、再現テストを実施して確かめるということもできるようになってきました。
 

◆ 品質マネジメント:A社の事例

 あるとき鉄に溶融亜鉛メッキをした製品でメッキ剥がれ不良が発生しました。A社では、次の要因を考えました。
 
  • 製品が何かにぶつかって剥れた
  • メッキが厚く付きすぎたことで剥れた
 
 以前なら、輸送の途中か顧客のハンドリングで製品をぶつけたことで剥れたと回答してしまうケースです。今回は、ぶつかって剥れた可能性を確かめるために、メッキ製品をハンマーで叩いて剥れの有無をテストしました。進歩したものです。
 
 メッキが厚く付きすぎていたかも調査しました。通常のメッキ厚と比べて厚いのか、薄いのか、同程度なのかを確認して問題の有無を判断します。通常メッキは100μm程度付いているので、不良品がそれよりも明らかに厚く付いているかを見なければなりません。
 
 ところが実際は、通常品のメッキ厚との比較ではなく、不良品のメッキ厚を測定し、規格(85μm以上)は満足しているので、問題ないという結論を出していました。
 
 こんなレベルの企業ですが、日本向けに多くの販売実績があるのもの事実です。これが日本企業が取引している企業の実態ということです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「品質マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
設計システム:守りの設計品質改善を前提とした場合

 守りの設計品質改善を前提とした設計システムとはどのようなものでしょうか。設計システムは、図1で示すように、設計プロセスと設計技術から成り立っています。I...

 守りの設計品質改善を前提とした設計システムとはどのようなものでしょうか。設計システムは、図1で示すように、設計プロセスと設計技術から成り立っています。I...


全数検査の解除とその条件

  今回は、次のような自動車部品の量産工場を想定して、全数検査の解除の要求をするのにどういった内容の報告をすれば客先は納得するのかを考えます。...

  今回は、次のような自動車部品の量産工場を想定して、全数検査の解除の要求をするのにどういった内容の報告をすれば客先は納得するのかを考えます。...


【快年童子の豆鉄砲】(その119)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(6)

       前回の【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)からの続きで...

       前回の【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)からの続きで...


「品質マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
受入検査で不合格が続発

  ◆受入検査NG、その原因は検査機器にあった!  ある工場で表面処理をしている部品の受入検査で不合格が続発していました。不合格の項目は...

  ◆受入検査NG、その原因は検査機器にあった!  ある工場で表面処理をしている部品の受入検査で不合格が続発していました。不合格の項目は...


特定の人の力によって進む業務 中国企業の壁(その36)

        前回は品管部の果たすべき役割についてでした。今回は、別の中国企業での品管部の話です。    その企業の品管部・孟経理は、以前日本...

        前回は品管部の果たすべき役割についてでした。今回は、別の中国企業での品管部の話です。    その企業の品管部・孟経理は、以前日本...


QCサークル活動 生産現場の悩みとは

 「忙しいから」「人がいないから」これは、どこの企業も条件は同じです。工夫して時間を捻出している企業が勝ち組となります。つまり、生産性を上げる &rArr...

 「忙しいから」「人がいないから」これは、どこの企業も条件は同じです。工夫して時間を捻出している企業が勝ち組となります。つまり、生産性を上げる &rArr...