クレーム発生-検査で異常を感知したのに出荷? 中国企業の壁(その5)

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1. クレーム発生-検査で異常を感知したのに出荷?

 自社製品の検査で不良が見つかり原因を調べました。するとある購入部品の特性不具合によるものとわかりました。担当の中国人スタッフから部品メーカーに連絡し調査させました。その部品担当の中国人スタッフから状況報告がありましたが、はっきりしない説明でした。部品メーカーと我々とで見解が異なっていて、議論は平行線を辿っていました。我々の判断は不合格、メーカー判断は通常品よりも良くないレベルではあるが、規格に照らし合わせると良品ということでした。
 
 その後、同じ部品で同じ不良による自社製品の不良が再発しました。このときの部品に関しては、メーカーも規格外で不良と認めました。メーカーが規格内としたものと規格外としたものは、調査してみると製造ロットは同じであることがわかったのです。そして、その製造ロットは、通常のロットよりも不良率が高いことが記録として残っていました。
 
 つまりこの製造ロットには、不良品が含まれている可能性が高いということになります。問題となった特性が規格外となると、我々の製品では致命的な欠陥になる可能性もあり、厳格な管理が必要でした。実はメーカーでも、この不良率が高いロットは異常と判断していたようで、原因の調査を行い対策も実施済みだったのです。我々の製品で不良にならなかったら、何も起きなければ、メーカー内の異常処置で済んでいたのでしょう。しかし、そうはなりませんでした。
 
 今回の問題点は、検査で異常を検知したのに出荷してしまったメーカーの判断の甘さです。検査で異常な不良率が出て、それをきちんと感知したにも関わらず、抜取検査で合格だったことから出荷した判断が悔やまれます。
 
 結果論かもしれませんが、異常を感知した時に対象ロットを危険と考えて、出荷停止とする勇気を品質責任者は持つことが必要ではないでしょうか。結末を言うと、不良が含まれている可能性のある対象部品の相当数を既に生産に投入済みでした。自社製品にとって致命的欠陥になる可能性があることから、製品の作り直し費用も含め相当額の費用負担を請求する事態となりました。
 
 生産マネジメント
 

2. 顧客工場監査は受けたくない

 みなさんの工場は綺麗でしょうから、お客さんが工場見学に来ても問題ないでしょう。ただし、これが工場監査になると話は別だと思っていませんか。工場監査を受けると事前の準備や監査当時1日潰された上に、指摘されたことに対応しなければならないので、やることが増えてしまう。
 
 出来るならお客さんの工場監査は受けたくない。心情的には理解出来ます。しかし、お客さんがやると言ったらそれを拒むことはできません。そうであるならば、ここは発想を変えて工場監査を受けることで、自社工場のレベルとスタッフのレベルを上げることの出来る機会と考えてはどうでしょうか。
 
 例えば顧客クレーム。これも技術改善の機会と捉える事が出来ます。自分たちで発見できなかった自社製品の欠陥を顧客が見つけてくれたと考えるのです。それを解決することで製品レベルが1つ上がったと考えます。
 
 工場監査も同じですね。自分たちでは気付かなかったこと、当たり前と思...

1. クレーム発生-検査で異常を感知したのに出荷?

 自社製品の検査で不良が見つかり原因を調べました。するとある購入部品の特性不具合によるものとわかりました。担当の中国人スタッフから部品メーカーに連絡し調査させました。その部品担当の中国人スタッフから状況報告がありましたが、はっきりしない説明でした。部品メーカーと我々とで見解が異なっていて、議論は平行線を辿っていました。我々の判断は不合格、メーカー判断は通常品よりも良くないレベルではあるが、規格に照らし合わせると良品ということでした。
 
 その後、同じ部品で同じ不良による自社製品の不良が再発しました。このときの部品に関しては、メーカーも規格外で不良と認めました。メーカーが規格内としたものと規格外としたものは、調査してみると製造ロットは同じであることがわかったのです。そして、その製造ロットは、通常のロットよりも不良率が高いことが記録として残っていました。
 
 つまりこの製造ロットには、不良品が含まれている可能性が高いということになります。問題となった特性が規格外となると、我々の製品では致命的な欠陥になる可能性もあり、厳格な管理が必要でした。実はメーカーでも、この不良率が高いロットは異常と判断していたようで、原因の調査を行い対策も実施済みだったのです。我々の製品で不良にならなかったら、何も起きなければ、メーカー内の異常処置で済んでいたのでしょう。しかし、そうはなりませんでした。
 
 今回の問題点は、検査で異常を検知したのに出荷してしまったメーカーの判断の甘さです。検査で異常な不良率が出て、それをきちんと感知したにも関わらず、抜取検査で合格だったことから出荷した判断が悔やまれます。
 
 結果論かもしれませんが、異常を感知した時に対象ロットを危険と考えて、出荷停止とする勇気を品質責任者は持つことが必要ではないでしょうか。結末を言うと、不良が含まれている可能性のある対象部品の相当数を既に生産に投入済みでした。自社製品にとって致命的欠陥になる可能性があることから、製品の作り直し費用も含め相当額の費用負担を請求する事態となりました。
 
 生産マネジメント
 

2. 顧客工場監査は受けたくない

 みなさんの工場は綺麗でしょうから、お客さんが工場見学に来ても問題ないでしょう。ただし、これが工場監査になると話は別だと思っていませんか。工場監査を受けると事前の準備や監査当時1日潰された上に、指摘されたことに対応しなければならないので、やることが増えてしまう。
 
 出来るならお客さんの工場監査は受けたくない。心情的には理解出来ます。しかし、お客さんがやると言ったらそれを拒むことはできません。そうであるならば、ここは発想を変えて工場監査を受けることで、自社工場のレベルとスタッフのレベルを上げることの出来る機会と考えてはどうでしょうか。
 
 例えば顧客クレーム。これも技術改善の機会と捉える事が出来ます。自分たちで発見できなかった自社製品の欠陥を顧客が見つけてくれたと考えるのです。それを解決することで製品レベルが1つ上がったと考えます。
 
 工場監査も同じですね。自分たちでは気付かなかったこと、当たり前と思っていたことを顧客が問題点として指摘してくれます。それを改善することで、現場が強くなれます。工場監査の受け答えを日本人やベテランが行わず、新しい担当者や育成したいと考えている中国人スタッフにやらせるも手です。もちろん最初はうまくいくはずがないですから、見ていてイライラもするし、ハラハラもします。しかし、そこはぐっと我慢が必要です。
 
 顧客と直接やり取りをすることは、日本人だけでなく中国人にとっても刺激的なことです。社内相手と違っていい加減な対応は許されず、常に真剣勝負となるから覚えるのも早くなりますし、責任感も生まれます。お客さんの工場監査もただ大変なだけではなく、このようなメリットもありますので、受けることになった時は有効に作用するようにしていくことがポイントです。
 

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この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

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