梱包前の在庫では先入先出は適用不要? 中国企業の壁(その23)

投稿日

 
  中国企業
 
 ある中国企業の工場を訪問した時のことでした。全体的には、きちんと整備されていた工場でしたが、梱包工程の前に仕掛品が非常に多くあることが目に留まりました。
 
 よく見ると出し入れは、一方向からしか出来ないように置かれていました。つまり先に入れた奥のものが簡単には取り出せないようになってしまっているのです。簡単に先入れ先出しが、出来る状況ではなかったのです。
 
 このあたりの状況を聞いていくと、先入れ先出しをする意識はありませんでした。しかし、その場所に仕掛って梱包待ちをしている製品の納期はまだ先なので、完全な先入れ先出しが出来なくても問題はないとの説明がありました。
 
 また、客先からの緊急オーダー品は、ここで仕掛ることなく、前の工程から直接梱包に持ち込まれるので、これまた問題ないとの説明がありました。
 
 この会社では、客先の発注リードタイムと数量に対応するには、受注生産では到底間に合わない。そのために客先からの先々の情報により、見込み生産を行っています。こうした対応は必要なことです。
 
 ところが、見込み生産品以外の緊急オーダーも多い。それらは、ラインが1つになる最終工程近くで、見込み生産品を追い越していきます。
 
 この仕掛り品には3つの問題点があります。
 

(1) 見込み生産品とは言え、生産計画はどうなのか

 生産完了予定日を明確にして、生産を完了させておかなければなりません。この会社ではそれが明確ではなく、生産指示数量だけであとは工程の流れに任せていたのと、生産完了を確認していませんでした。
 

(2) 先入れ先出しされずに、いつまでも残る可能性がある。

 見込み生産の品物は、次から次に生産しています。多くの品番で常に仕掛り在庫となっている。従って、これらは後入れ先出...
 
  中国企業
 
 ある中国企業の工場を訪問した時のことでした。全体的には、きちんと整備されていた工場でしたが、梱包工程の前に仕掛品が非常に多くあることが目に留まりました。
 
 よく見ると出し入れは、一方向からしか出来ないように置かれていました。つまり先に入れた奥のものが簡単には取り出せないようになってしまっているのです。簡単に先入れ先出しが、出来る状況ではなかったのです。
 
 このあたりの状況を聞いていくと、先入れ先出しをする意識はありませんでした。しかし、その場所に仕掛って梱包待ちをしている製品の納期はまだ先なので、完全な先入れ先出しが出来なくても問題はないとの説明がありました。
 
 また、客先からの緊急オーダー品は、ここで仕掛ることなく、前の工程から直接梱包に持ち込まれるので、これまた問題ないとの説明がありました。
 
 この会社では、客先の発注リードタイムと数量に対応するには、受注生産では到底間に合わない。そのために客先からの先々の情報により、見込み生産を行っています。こうした対応は必要なことです。
 
 ところが、見込み生産品以外の緊急オーダーも多い。それらは、ラインが1つになる最終工程近くで、見込み生産品を追い越していきます。
 
 この仕掛り品には3つの問題点があります。
 

(1) 見込み生産品とは言え、生産計画はどうなのか

 生産完了予定日を明確にして、生産を完了させておかなければなりません。この会社ではそれが明確ではなく、生産指示数量だけであとは工程の流れに任せていたのと、生産完了を確認していませんでした。
 

(2) 先入れ先出しされずに、いつまでも残る可能性がある。

 見込み生産の品物は、次から次に生産しています。多くの品番で常に仕掛り在庫となっている。従って、これらは後入れ先出しを行っても納期には間に合うので、先に生産したものがいつまでも残ることになる。
 

(3) 梱包とその前の工程とのラインバランスが取れていない。

 工程間の仕掛在庫削減の観点からも、見直し検討が必要です。
 
◆現場の慣れとは恐ろしいもので、第3者が見ると疑問に思うことでも、それが当たり前になっていると何とも思わなくなるのです。外部監査でこうした指摘を受け、改善することが有効です。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
「C型PDPC」とは(2) 【快年童子の豆鉄砲】(その84)

  1.PDPC法の基本的な使い方とは 【快年童子の豆鉄砲】(その80)キャラバン方式生産計画とは(1)の3項.化学プラントでの事例、キ...

  1.PDPC法の基本的な使い方とは 【快年童子の豆鉄砲】(その80)キャラバン方式生産計画とは(1)の3項.化学プラントでの事例、キ...


メトリクスによる実践的進捗管理の仕組みとは 【連載記事紹介】

【目次】 ◆ メトリクスの意味 メトリクスとは、様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のことで...

【目次】 ◆ メトリクスの意味 メトリクスとは、様々な活動を定量化し、その定量化したデータを管理に使えるように加工した指標のことで...


中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その56)

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】 【第1章】中国進出での失敗事例 【第2章】中国工場の実状を知る 【第3章】中国工...

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】 【第1章】中国進出での失敗事例 【第2章】中国工場の実状を知る 【第3章】中国工...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
マシニングや放電加工を行う工場の機械レイアウトで考慮すべき4つのこと

    1. マシニング・放電加工を行う工場レイアウトで考慮すべきこと 今回のテーマは工場の新設や移転などに伴い、マシニングセン...

    1. マシニング・放電加工を行う工場レイアウトで考慮すべきこと 今回のテーマは工場の新設や移転などに伴い、マシニングセン...


業者の規模による評価の違いとは 中国企業の壁(その51)

        日本品質を目指している中国企業A社では、前年の製品品質データをまとめたところ、大きな損失を出した3件の顧客クレームの主要因が外部から...

        日本品質を目指している中国企業A社では、前年の製品品質データをまとめたところ、大きな損失を出した3件の顧客クレームの主要因が外部から...


汎用機械とNC機械(後編) 伸びる金型メーカーの秘訣 (その9)

   前回に引き続き、K工業の事例を紹介します。同社は、従来の個人事業体制から、チームによる組織体制へと変革を図っており、今年新たに従業員を4...

   前回に引き続き、K工業の事例を紹介します。同社は、従来の個人事業体制から、チームによる組織体制へと変革を図っており、今年新たに従業員を4...