工場の基本管理-色に意味を持たせる 中国企業の壁(その41)

投稿日

 
  生産マネジメント
 
 今回は、工場管理の基本に関する話です。
 
 上海郊外にある日系工場は設立して10年近くになり、順調に生産量も増えてきています。また、新製品の立ち上げも年に数回あり、グループ会社の工場としてなくてはならない存在になっていました。
 
 その工場を初めて見たとき赤箱があまり使われていないことに気が付きました。赤箱は工程で発生した不良品を入れ、良品と明確に識別区分することで間違って次工程や顧客に流出することがないようにするためのものです。
 
 一方で、倉庫にある立て看板の表示には、製品名がきちんと書かれていたのはよいのですが、製品名を赤い太線の枠で囲っていました。そのために最初に見たときに不良品置場と勘違いしてしまいました。
 
 この工場では単に目立つように色を使っているだけで、色に意味がある、意味を持たせるという意識はありませんでした。
 
 「赤は信号で言えば止まれ」しっかり止めて工場の外に出してはいけないという意味を持っています。
 
 要するに不良品は赤箱に入れる、不良品置場には床に赤い線を引いて良品ではないから外に出してはいけないと従業員に認識させることが大事なことです。
 
 青は進めですから、次工程や顧客に出してもよい良品という意味があり、黄色は注意ですから、判断待ちなどの保留品を入れるという意味を持たせます。
 
...
 
  生産マネジメント
 
 今回は、工場管理の基本に関する話です。
 
 上海郊外にある日系工場は設立して10年近くになり、順調に生産量も増えてきています。また、新製品の立ち上げも年に数回あり、グループ会社の工場としてなくてはならない存在になっていました。
 
 その工場を初めて見たとき赤箱があまり使われていないことに気が付きました。赤箱は工程で発生した不良品を入れ、良品と明確に識別区分することで間違って次工程や顧客に流出することがないようにするためのものです。
 
 一方で、倉庫にある立て看板の表示には、製品名がきちんと書かれていたのはよいのですが、製品名を赤い太線の枠で囲っていました。そのために最初に見たときに不良品置場と勘違いしてしまいました。
 
 この工場では単に目立つように色を使っているだけで、色に意味がある、意味を持たせるという意識はありませんでした。
 
 「赤は信号で言えば止まれ」しっかり止めて工場の外に出してはいけないという意味を持っています。
 
 要するに不良品は赤箱に入れる、不良品置場には床に赤い線を引いて良品ではないから外に出してはいけないと従業員に認識させることが大事なことです。
 
 青は進めですから、次工程や顧客に出してもよい良品という意味があり、黄色は注意ですから、判断待ちなどの保留品を入れるという意味を持たせます。
 
 当たり前のように行っている色による管理ですが、工場全体で統一をして管理を進めることで、管理レベルが一段上がります。当たり前のことが当たり前にできる工場が強い工場と言えます。何気なくやっている色による管理ですが、このように信号に例えてみると、その意味がより明確になります。作業者たちの理解度も上がります。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
モノの流し方と生産性 儲かるメーカー改善の急所101項(その76)

  6、強いモノづくり ◆ 生産性を劇的に上げるヒント  生産性の向上やいろいろな効率アップを考える時、私たちは「設備は現状のまま」と...

  6、強いモノづくり ◆ 生産性を劇的に上げるヒント  生産性の向上やいろいろな効率アップを考える時、私たちは「設備は現状のまま」と...


段取り8割の仕事術(自工程完結)

 日々進む国際化の中で、仕事は益々複雑化、多様化が進み、職場には外国出身者も含め多様な方々が増えてきています。従来の仕事の進め方、考え方、つまり仕事が個人...

 日々進む国際化の中で、仕事は益々複雑化、多様化が進み、職場には外国出身者も含め多様な方々が増えてきています。従来の仕事の進め方、考え方、つまり仕事が個人...


教育と訓練 人材育成・組織・マネジメント(その5)

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
業務効率化による生産性革命の危険性

 政府は「生産性革命」と称して労働生産性(一人当たり付加価値額)向上を図ろうといています。生産性が改善しなければ日本の経済成長性を示すGDP(国内の付加価...

 政府は「生産性革命」と称して労働生産性(一人当たり付加価値額)向上を図ろうといています。生産性が改善しなければ日本の経済成長性を示すGDP(国内の付加価...


マシニング加工における荒取りと仕上げは機械を分けるべきか

 「マシニング加工における荒取りと仕上げは機械を分けるべきか」この内容についてはコンサルティングの際、よく受ける相談でもありますし、マシニング加工がボ...

 「マシニング加工における荒取りと仕上げは機械を分けるべきか」この内容についてはコンサルティングの際、よく受ける相談でもありますし、マシニング加工がボ...


中国式金型のショット数管理 中国企業の壁(その23)

        一般的に金型の寿命管理は、ショット数管理と出来栄え管理の両面で行います。    ショット数管理は、あらかじめ生産数量(ショット数...

        一般的に金型の寿命管理は、ショット数管理と出来栄え管理の両面で行います。    ショット数管理は、あらかじめ生産数量(ショット数...