理由教育とは(その2) 中国企業の壁(その46)

投稿日

 
  生産マネジメント
 
 前回、ある日系中国工場の作業で半田コテ先の温度や設備の始業点検など作業者がやるべきことをやっていない、それをチェックすべき管理者も作業者の実施確認をやっていなかったという事例を紹介しました。今回は、理由教育の実施について解説します。
 

1. 作業の実施確認が行われない理由

 作業の実施確認が行われないのは、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。理由はいろいろ考えられますが、次の2点でしょうか。
 

(1) 作業者も管理者もうっかりして忘れてしまった。

 この背景には、自分のやるべきことに対する意識が薄いとか、確認をしてもしなくても生産にはなんの影響もない(自分に与えられた作業が出来ていればよい)などがあると考えられます。
 

(2) 半田コテ先温度の確認や始業点検をどうしてやるのか、その理由を理解していない。

 この背景には、会社や上の人間からやれと言われてやっているだけとか、これらの確認をすることの重要性や実施しなかった場合にどんな影響があるかを知らないことが考えられます。
 
 では、対策はどうしたらよいでしょうか。
 

2. 理由教育の実施

 管理の徹底を図る。作業者が実施したことを管理者が確認することの徹底は必要でしょう。でも、これは今までもやることになっていたはずです。今回提唱するのは、原因の2つ目に書いた実施しなければならない理由を作業者にも管理者にもしっかり教える「理由教育」です。
 
 多くの中国工場では、ここが欠けています。確認をする決まりやルールは作っていますが、実施する側からすれば「いいからとにかくやれ」と言われているのと同じです。「いいからやれ」というのは、最も言われていやな言葉の1つではないでしょうか。
 
 そうではなく、どうしてこれら確認をやるのか、やらないといけないのか、やらないとどのようなことが起きるのか、生産や製品にどのような影響があるのかなどを教えること、それが「理由教育」です。
 
 理由教育の対象項目は、点検や検査だけではなく作業方法も然りです。どうしてこの方法で生産しているのか...
 
  生産マネジメント
 
 前回、ある日系中国工場の作業で半田コテ先の温度や設備の始業点検など作業者がやるべきことをやっていない、それをチェックすべき管理者も作業者の実施確認をやっていなかったという事例を紹介しました。今回は、理由教育の実施について解説します。
 

1. 作業の実施確認が行われない理由

 作業の実施確認が行われないのは、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。理由はいろいろ考えられますが、次の2点でしょうか。
 

(1) 作業者も管理者もうっかりして忘れてしまった。

 この背景には、自分のやるべきことに対する意識が薄いとか、確認をしてもしなくても生産にはなんの影響もない(自分に与えられた作業が出来ていればよい)などがあると考えられます。
 

(2) 半田コテ先温度の確認や始業点検をどうしてやるのか、その理由を理解していない。

 この背景には、会社や上の人間からやれと言われてやっているだけとか、これらの確認をすることの重要性や実施しなかった場合にどんな影響があるかを知らないことが考えられます。
 
 では、対策はどうしたらよいでしょうか。
 

2. 理由教育の実施

 管理の徹底を図る。作業者が実施したことを管理者が確認することの徹底は必要でしょう。でも、これは今までもやることになっていたはずです。今回提唱するのは、原因の2つ目に書いた実施しなければならない理由を作業者にも管理者にもしっかり教える「理由教育」です。
 
 多くの中国工場では、ここが欠けています。確認をする決まりやルールは作っていますが、実施する側からすれば「いいからとにかくやれ」と言われているのと同じです。「いいからやれ」というのは、最も言われていやな言葉の1つではないでしょうか。
 
 そうではなく、どうしてこれら確認をやるのか、やらないといけないのか、やらないとどのようなことが起きるのか、生産や製品にどのような影響があるのかなどを教えること、それが「理由教育」です。
 
 理由教育の対象項目は、点検や検査だけではなく作業方法も然りです。どうしてこの方法で生産しているのか、必ず理由があるはずです。こういう理由がある、だから他の方法でやってはいけないのだと教えるのです。
 
 理由教育の対象者は、作業者だけではありません。管理する側のスタッフに対しても実施することをお奨めします。管理する側のスタッフは当然管理する理由を知っていると考えがちですが、決してそんなことはありません。
 
 先に管理する側のスタッフに対して理由教育を実施して、作業者に対しては、その管理スタッフに先生役をやってもらい落とし込むのがよいでしょう。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
「C型PDPC」とは(5) 【快年童子の豆鉄砲】(その87)

  3.「C型PDPC」の使い方 3)各ステップの進め方:【快年童子の豆鉄砲】(その86)からのつづき   【この連載の前...

  3.「C型PDPC」の使い方 3)各ステップの進め方:【快年童子の豆鉄砲】(その86)からのつづき   【この連載の前...


台車化して早く移動し仕掛を削減する レイアウトと物流(その9)

  1.粗材、部品、加工品、完成品は資産ではなく経費である 工場内にある粗材、部品、加工品や組立品といった仕掛品、そして完成品は、会計上...

  1.粗材、部品、加工品、完成品は資産ではなく経費である 工場内にある粗材、部品、加工品や組立品といった仕掛品、そして完成品は、会計上...


レイアウトと物流 【連載記事紹介】

  レイアウトと物流の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載記事紹介の一覧へ戻る ◆レイアウト レイアウト変更といえば...

  レイアウトと物流の連載記事が、無料でお読みいただけます! 【特集】連載記事紹介の一覧へ戻る ◆レイアウト レイアウト変更といえば...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
信号を守らない-これも色管理ひとつ 中国企業の壁(その42)

        前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意...

        前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意...


部品加工メーカーのチャージ計算とは

    今回は、企業規模に関係なく相談の多い、部品加工メーカーにおけるチャージ計算について解説します。チャージとは、時間あたりの加工...

    今回は、企業規模に関係なく相談の多い、部品加工メーカーにおけるチャージ計算について解説します。チャージとは、時間あたりの加工...


ゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その2)

  『7ゼロ生産』実現マニュアル~生産性7つの阻害要因とゼロベース思想~ 第1章7ゼロ生産意識改革PICQMDS(ピックエムディーエス)...

  『7ゼロ生産』実現マニュアル~生産性7つの阻害要因とゼロベース思想~ 第1章7ゼロ生産意識改革PICQMDS(ピックエムディーエス)...