企業集団と業態 トヨタとサムスンの違い(その2)

更新日

投稿日

トヨタ

【トヨタとサムスンの違い 連載目次】

1. 社内コミュニケーションの国際性

2. 企業集団と業態

3. 組織形態と運用について

4. 博士号保有率


 トヨタとサムスンの違い(その1)社内コミュニケーションの国際性に続いて解説します。

◆ 業態変革のスピード

 トヨタ自動車は、100年に一度の危機として変革を図っています。モビリティカンパニーと称して、メーカーから輸送や移動の全てまでを対象とした会社への脱却です。

 それでも所詮(しょせん)、輸送機器から輸送関連ビジネスへの変化です。東富士の工場跡地に作るスマートシティは、それらも包括したインフラ開発と日常生活での利用であり、そのさらに先を目指した実験のようで注目しています。

 

 一方のサムスン、こちらは、ありとあらゆる業種に取り組んでいます。コングロマリット、つまり複合企業です。節操なく儲かりそうなところは何でも手掛けているともみえます。

 サムスンとは企業集団、サムスングループです。日本でのサムスンは、実はそのグループの一企業(利益と規模は圧倒的ですが)であるサムスン電子を示していることがほとんどです。

 では、サムスングループを簡単に説明します。

 そもそもは日本統治下の1938年に設立された商社、サムスン(三星)商会に由来します。朝鮮戦争後、初めて製造に進出し、戦後消費の急拡大が見込まれる砂糖と繊維製造を始めました。その後、建築、造船、電池等々も手掛けています。

 BMWの電気自動車へのバッテリーはサムスンSDIから供給、高層ビル世界一のブルジュ・ハリファ(ドバイ)はサムスン物産が主たる建設会社です。1969年にはサンヨーと合弁で家電に進出し、現在のサムスン電子となっています。アジア通貨危機で撤退しましたが、一時は自動車も作っていました。今でもルノーサムスンというブランドを残し、ルノー車を輸入販売しています。

 昨今、アメリカから新型コロナ治療薬の大規模な製造委託で話題の会社はサムスンバイオロジクスです。

 ...

トヨタ

【トヨタとサムスンの違い 連載目次】

1. 社内コミュニケーションの国際性

2. 企業集団と業態

3. 組織形態と運用について

4. 博士号保有率


 トヨタとサムスンの違い(その1)社内コミュニケーションの国際性に続いて解説します。

◆ 業態変革のスピード

 トヨタ自動車は、100年に一度の危機として変革を図っています。モビリティカンパニーと称して、メーカーから輸送や移動の全てまでを対象とした会社への脱却です。

 それでも所詮(しょせん)、輸送機器から輸送関連ビジネスへの変化です。東富士の工場跡地に作るスマートシティは、それらも包括したインフラ開発と日常生活での利用であり、そのさらに先を目指した実験のようで注目しています。

 

 一方のサムスン、こちらは、ありとあらゆる業種に取り組んでいます。コングロマリット、つまり複合企業です。節操なく儲かりそうなところは何でも手掛けているともみえます。

 サムスンとは企業集団、サムスングループです。日本でのサムスンは、実はそのグループの一企業(利益と規模は圧倒的ですが)であるサムスン電子を示していることがほとんどです。

 では、サムスングループを簡単に説明します。

 そもそもは日本統治下の1938年に設立された商社、サムスン(三星)商会に由来します。朝鮮戦争後、初めて製造に進出し、戦後消費の急拡大が見込まれる砂糖と繊維製造を始めました。その後、建築、造船、電池等々も手掛けています。

 BMWの電気自動車へのバッテリーはサムスンSDIから供給、高層ビル世界一のブルジュ・ハリファ(ドバイ)はサムスン物産が主たる建設会社です。1969年にはサンヨーと合弁で家電に進出し、現在のサムスン電子となっています。アジア通貨危機で撤退しましたが、一時は自動車も作っていました。今でもルノーサムスンというブランドを残し、ルノー車を輸入販売しています。

 昨今、アメリカから新型コロナ治療薬の大規模な製造委託で話題の会社はサムスンバイオロジクスです。

 

 サムスンは収益性が下がると事業売却します。合成樹脂や砂糖は売却され、別会社としてビジネスを継続しています。20年に一度程度、大規模な変革があるように見受けられます。

 トヨタは自動車関連一本での成長、一方のサムスンは業態を変えながらの成長です。


 次回は、トヨタとサムスンの違い(その3)組織形態と運用を解説します。

 

 【出典】技術オフィスTech-T HPより、筆者のご承諾により編集して掲載

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高原 忠良

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング


「事業戦略」の他のキーワード解説記事

もっと見る
テーマ提案を強制した上に叱責するのは経営者の仕事ではない~技術企業の高収益化:実践的な技術戦略の立て方(その24)

【目次】 「この程度では、全然実行出来ないんだよね」と言ったのは、A部長でした。今日の記事の舞台は大手メーカーの研究開発部門です。所...

【目次】 「この程度では、全然実行出来ないんだよね」と言ったのは、A部長でした。今日の記事の舞台は大手メーカーの研究開発部門です。所...


販路拡大、新規顧客獲得に必要なアライアンス戦略ガイド

  【目次】 1. アライアンス戦略の活用 1.1 アライアンス戦略の重要性と製造業への影響 中小製造業が販路を拡大...

  【目次】 1. アライアンス戦略の活用 1.1 アライアンス戦略の重要性と製造業への影響 中小製造業が販路を拡大...


普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その17)

 前回は、「常識を継続的に書き換える3つの活動」の中の最後の3つ目の「常識を書き換える活動を組織の定常活動として組織に組み込む」の解説をしました。前回から...

 前回は、「常識を継続的に書き換える3つの活動」の中の最後の3つ目の「常識を書き換える活動を組織の定常活動として組織に組み込む」の解説をしました。前回から...


「事業戦略」の活用事例

もっと見る
戦略的RPA導入のための業務分析手法

1. RPA~パソコン作業を自動化  RPA(Robotic Process Automation)とは、様々なデータソースを参照しながら行う定型的...

1. RPA~パソコン作業を自動化  RPA(Robotic Process Automation)とは、様々なデータソースを参照しながら行う定型的...


組織形態と運用について トヨタとサムスンの違い(その3)

【トヨタとサムスンの違い 連載目次】 1. 社内コミュニケーションの国際性 2. 企業集団と業態 3. 組織形態と運用について 4. 博士号保...

【トヨタとサムスンの違い 連載目次】 1. 社内コミュニケーションの国際性 2. 企業集団と業態 3. 組織形態と運用について 4. 博士号保...


経営と現場をつなぐ視点とは

 経営と現場をつなぐ視点と言う観点から、技術経営の要件「長期的視点にたって企業が経営されていること」について解説します。   1.長期視点に...

 経営と現場をつなぐ視点と言う観点から、技術経営の要件「長期的視点にたって企業が経営されていること」について解説します。   1.長期視点に...