クリーン化を成功させる条件とは クリーン化について(その17)

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◆ ルールの一つひとつにある“なぜ”を知る

 下図はクリーン化活動を進めるうえで重要なことを私の経験、体験を元に整理したものです。これは現場や現場に近い部門だけでなく、経営者や管理監督者など会社全体が知っておいてほしいことです。クリーン化を成功させる条件について、今回は“クリーン化のなぜ”について考えます。

クリーン化

図. クリーン化活動の重要ポイント

 

4. クリーン化のなぜを考える

 クリーンルームの中では様々なルールがありますが、その理由がきちんと説明されないこともあると思います。クリーンルームを保有しているところは、クリーン化に対する教育がされているところも多いのですが、残念ながら教育が行われていないところもまだまだあります。

 その理由のひとつに“クリーンルームにすれば歩留まり、品質が向上する”といった神話を信じているところもあります。クリーンルームにしただけで安心してしまい、管理についての知識は持ち合わせていないのです。教育をされているところでも、ルールや決まりについて伝えているところは多いかもしれませんが「なぜ?」についての説明が欠けているのです。

 ルール、決まりはもちろんあった方がよいわけですが、それだけで縛らず、教育の場を設け、なぜを知ってもらうことや、考える機会を設けます。そのルールを理解し遵守して貰(もら)うことに価値が出てきます。「ルールや決まりを守りなさい」だけでは、言われたとおりの作業を行うだけになってしまいます。なぜを考えたり、知っていると、他のことに応用したり、行動に幅が出ます。ルール通りにしながらも、その意識や行動が生きたものになるはずです。また、一人ひとりがなぜを考えることで人としても成長し、環境も向上するでしょう。

 

【事例1.子どもとの会話】

 クリーン化から逸れますが、長男の入園より前のお話をします。一緒にお風呂に入った時「カエルはどうして跳ねるの?」と聞かれ、大変困ったことがありました。また、幼稚園に入ってからは「種無しスイカの種をどうして売っているの?」これにも困りました。小さな子どもですから、冗談でごまかすわけにもいかなかったのです。こんな経験をされた方も多いと思います。子どもはなぜの宝庫です。でもいつの間にか、そういうものだと思ったり、言葉一つひとつにこだわることは少なくなっていきます。

 

【事例2.大人の会話】

 次は、私が昼食時に社員食堂で経験したことをお話します。先輩が「清水さん、肉の定食ではなく魚の方がいいんじゃないの」というので「そう思ったけれど、遅く来たのでこれしか残っていなかったんです。でもどうして肉より魚の方がいいんですか?」と聞くと「昔からそういうでしょ」との返答でした。そこで咄嗟(とっさ)に思いついたことを話してみました。

 「私はこう思います。牛や豚など家畜に触ってみると温かい。つまり人間より家畜の体温の方が高い。その体の中にある脂はその体温でちょうど良く機能しているんです。でも冷えると固まってしまいます。会食などで話に夢中になり、後で見ると肉じゃがなどの料理が冷え、脂が浮いています。人の体温の方が低いので、これを食べると体内で脂がきちんと分解されないのではないですか。逆に魚は水中にいるので体温が低い。その体の中にある脂は低い温度で分解されるので当然魚より体温の高い人間の体内ではきちんと分解する。だから体に良いのではないかと思うのですが…」というと、そこまで考えたことはなかったとの反応でした。これが正しいかどうか分からなかったのですが、自分なりに考えてみることは楽しいと感じます。

 

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 多くのことは、“昔からそういわれている”で済まされてしまい...

 

 

◆ ルールの一つひとつにある“なぜ”を知る

 下図はクリーン化活動を進めるうえで重要なことを私の経験、体験を元に整理したものです。これは現場や現場に近い部門だけでなく、経営者や管理監督者など会社全体が知っておいてほしいことです。クリーン化を成功させる条件について、今回は“クリーン化のなぜ”について考えます。

クリーン化

図. クリーン化活動の重要ポイント

 

4. クリーン化のなぜを考える

 クリーンルームの中では様々なルールがありますが、その理由がきちんと説明されないこともあると思います。クリーンルームを保有しているところは、クリーン化に対する教育がされているところも多いのですが、残念ながら教育が行われていないところもまだまだあります。

 その理由のひとつに“クリーンルームにすれば歩留まり、品質が向上する”といった神話を信じているところもあります。クリーンルームにしただけで安心してしまい、管理についての知識は持ち合わせていないのです。教育をされているところでも、ルールや決まりについて伝えているところは多いかもしれませんが「なぜ?」についての説明が欠けているのです。

 ルール、決まりはもちろんあった方がよいわけですが、それだけで縛らず、教育の場を設け、なぜを知ってもらうことや、考える機会を設けます。そのルールを理解し遵守して貰(もら)うことに価値が出てきます。「ルールや決まりを守りなさい」だけでは、言われたとおりの作業を行うだけになってしまいます。なぜを考えたり、知っていると、他のことに応用したり、行動に幅が出ます。ルール通りにしながらも、その意識や行動が生きたものになるはずです。また、一人ひとりがなぜを考えることで人としても成長し、環境も向上するでしょう。

 

【事例1.子どもとの会話】

 クリーン化から逸れますが、長男の入園より前のお話をします。一緒にお風呂に入った時「カエルはどうして跳ねるの?」と聞かれ、大変困ったことがありました。また、幼稚園に入ってからは「種無しスイカの種をどうして売っているの?」これにも困りました。小さな子どもですから、冗談でごまかすわけにもいかなかったのです。こんな経験をされた方も多いと思います。子どもはなぜの宝庫です。でもいつの間にか、そういうものだと思ったり、言葉一つひとつにこだわることは少なくなっていきます。

 

【事例2.大人の会話】

 次は、私が昼食時に社員食堂で経験したことをお話します。先輩が「清水さん、肉の定食ではなく魚の方がいいんじゃないの」というので「そう思ったけれど、遅く来たのでこれしか残っていなかったんです。でもどうして肉より魚の方がいいんですか?」と聞くと「昔からそういうでしょ」との返答でした。そこで咄嗟(とっさ)に思いついたことを話してみました。

 「私はこう思います。牛や豚など家畜に触ってみると温かい。つまり人間より家畜の体温の方が高い。その体の中にある脂はその体温でちょうど良く機能しているんです。でも冷えると固まってしまいます。会食などで話に夢中になり、後で見ると肉じゃがなどの料理が冷え、脂が浮いています。人の体温の方が低いので、これを食べると体内で脂がきちんと分解されないのではないですか。逆に魚は水中にいるので体温が低い。その体の中にある脂は低い温度で分解されるので当然魚より体温の高い人間の体内ではきちんと分解する。だから体に良いのではないかと思うのですが…」というと、そこまで考えたことはなかったとの反応でした。これが正しいかどうか分からなかったのですが、自分なりに考えてみることは楽しいと感じます。

 

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 多くのことは、“昔からそういわれている”で済まされてしまい、それで理解した気になってしまうので、そこで終わってしまいます。今一度、なぜを考えてみるとよいでしょう。自分なりの答えが正しいのかどうかは別として、考えてみることに価値はあると思います。

 特にクリーンルームにおけるルールは、その一つひとつになぜがあり、そのなぜを知ることが大切です。なぜ?どうして?と聞かれたらいやな顔をするのではなく、きちんと説明ができることで、そこに関わる人たちも理解し、行動につなげてくれると思います。

 例えば「なぜ更衣室があるのか」、「なぜ防塵衣を着るのか」、「なぜ防塵衣に着用順があるのか」をはじめ、沢山(たくさん)のなぜが出てきます。次回も解説を続けます。

 

◆関連解説『環境マネジメント』

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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