人財育成(その12) クリーン化について(その107)

投稿日

クリーンルーム

 

会社組織の中では、“報告は結論から”と良く言われます。また、そのように指導される場合が多いでしょう。これは単純なようですが、実は難しいことです。事例を紹介しながら、説明します。

【この連載の前回:クリーン化について(その106)人財育成(その11)へのリンク】 

【連載記事】クリーンルームの4原則

 

報告者(部下)が上司に報告したとします。結論を聞いただけで「それはだめだ!なんでそんな結論になる!」といきなり怒鳴られる場合がありますね。そのようなことは多々あるので、その場面に遭遇したり、当事者になった経験をお持ちの方もいるでしょう。その時の上司によって違いますが、私も経験があります。

 

冒頭から全否定をされたようなものです。これでは、そこから先の話ができなくなってしまい、相互に理解が得られず、報告者は消化不良になってしまいます。このような事が多いと、段々上司には報告しなくなります。あるいは報告のたびに、おどおどしてしまうでしょう。

 

結論からと言うように、その先には理由や背景があるのです。そこを聞いてやって欲しいですね。「うん、君の話は良くわかったよ」とか、頷いてやる。でも、その考えが未熟だとか、不足があれば「でもこういう考え方があるよ、こうしてみたら」と言うようにアドバイスしてやると、考え方や報告の仕方が変わってくると思います。

 

聞く姿勢です。

 

あの上司は私の話を聞いてくれると言って、寄ってくるでしょう。促しを使いながら、指導、育成をすることです。

 

先述の例では、段々寄ってこなくなるでしょう。それに対して、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)が必要だと説いても、うまくいきませんね。それができる環境作り、相互信頼が重要です。

 

促しは命令の第一歩だと言います。

 

これは良い関係を構築し、その報告者の話をよく聞いて、アドバイスする事が重要です。すると気持ち良く行動に移すでしょう。何事も事前準備が必要です。こんな例もありました。

 

いろいろな情報があれば、上司に報告する。ところが、その上司は「そんなこと知っているよ」と突き返すように反応する。これは報告しなければと思って行くと、また同じ事を言われる。他のメンバーも同じで、あの上司に報告に行くと「いつも知っている」と言われる。また同じ事を言われるだろうと、報告しなくなる。

 

ところが、ある日、その上司だけが知らないことがあった。そして「どうして誰も報告してくれないのだ」と怒鳴り散らしてしまうことがあった。これは、自業自得ではあるが、上司と部下の関係は悪くなるだけです。そして自分が孤立してしまうのです。

 

様子を見ていると、おそらく、知らないと言いたくない、弱みを見せたくないとの思いだと推測できます。詰まり、部下との距離を置かないと、上司ではないという意識があるのでしょう。これは対立する構図です。他人の声に耳を傾け、良く聞いてやるだけでもほっとするものです。そこに、ちょっとアドバイスできればなお良いのです。

 

最近の労働関係の調査でも、悩み、苦情相談の中で、一番多いのは、社内の人間関係だそうです。簡単なようでできない事ですが、このような事も見直してみましょう。職場のベクトルが合うか、バラバラにな...

クリーンルーム

 

会社組織の中では、“報告は結論から”と良く言われます。また、そのように指導される場合が多いでしょう。これは単純なようですが、実は難しいことです。事例を紹介しながら、説明します。

【この連載の前回:クリーン化について(その106)人財育成(その11)へのリンク】 

【連載記事】クリーンルームの4原則

 

報告者(部下)が上司に報告したとします。結論を聞いただけで「それはだめだ!なんでそんな結論になる!」といきなり怒鳴られる場合がありますね。そのようなことは多々あるので、その場面に遭遇したり、当事者になった経験をお持ちの方もいるでしょう。その時の上司によって違いますが、私も経験があります。

 

冒頭から全否定をされたようなものです。これでは、そこから先の話ができなくなってしまい、相互に理解が得られず、報告者は消化不良になってしまいます。このような事が多いと、段々上司には報告しなくなります。あるいは報告のたびに、おどおどしてしまうでしょう。

 

結論からと言うように、その先には理由や背景があるのです。そこを聞いてやって欲しいですね。「うん、君の話は良くわかったよ」とか、頷いてやる。でも、その考えが未熟だとか、不足があれば「でもこういう考え方があるよ、こうしてみたら」と言うようにアドバイスしてやると、考え方や報告の仕方が変わってくると思います。

 

聞く姿勢です。

 

あの上司は私の話を聞いてくれると言って、寄ってくるでしょう。促しを使いながら、指導、育成をすることです。

 

先述の例では、段々寄ってこなくなるでしょう。それに対して、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)が必要だと説いても、うまくいきませんね。それができる環境作り、相互信頼が重要です。

 

促しは命令の第一歩だと言います。

 

これは良い関係を構築し、その報告者の話をよく聞いて、アドバイスする事が重要です。すると気持ち良く行動に移すでしょう。何事も事前準備が必要です。こんな例もありました。

 

いろいろな情報があれば、上司に報告する。ところが、その上司は「そんなこと知っているよ」と突き返すように反応する。これは報告しなければと思って行くと、また同じ事を言われる。他のメンバーも同じで、あの上司に報告に行くと「いつも知っている」と言われる。また同じ事を言われるだろうと、報告しなくなる。

 

ところが、ある日、その上司だけが知らないことがあった。そして「どうして誰も報告してくれないのだ」と怒鳴り散らしてしまうことがあった。これは、自業自得ではあるが、上司と部下の関係は悪くなるだけです。そして自分が孤立してしまうのです。

 

様子を見ていると、おそらく、知らないと言いたくない、弱みを見せたくないとの思いだと推測できます。詰まり、部下との距離を置かないと、上司ではないという意識があるのでしょう。これは対立する構図です。他人の声に耳を傾け、良く聞いてやるだけでもほっとするものです。そこに、ちょっとアドバイスできればなお良いのです。

 

最近の労働関係の調査でも、悩み、苦情相談の中で、一番多いのは、社内の人間関係だそうです。簡単なようでできない事ですが、このような事も見直してみましょう。職場のベクトルが合うか、バラバラになるのかで、その職場の成果も左右されます。上司とは何なのか、問うて診ませんか。

 

社員を大切にしない会社、部下を大切にしない上司から人は離れていくのです。多くの分野で人財不足が問題になっています。貴重な人財を育てましょう。翻って、上司も自ら育つ努力を惜しまないことです。人は材料ではなく、財産として育てる努力をすると、やがて自社の発展、継続に貢献してくれるでしょう。

 

次回に続きます。

 

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め...


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
問題解決の基本とアイデア発想 【厳選記事紹介】「ひらめき」の時とは

  ◆問題解決の基本とアイデア発想 「問題についてジックリ考える」ということ。問題を強烈に意識して考えれば、それは問題意識となり脳の中に...

  ◆問題解決の基本とアイデア発想 「問題についてジックリ考える」ということ。問題を強烈に意識して考えれば、それは問題意識となり脳の中に...


責任感と当事者意識の育成法

  ◆責任感と当事者意識は、仕事をする上でとても大切 あなたの職場では 責任感と当事者意識といった言葉が、使われることがありませんか?例...

  ◆責任感と当事者意識は、仕事をする上でとても大切 あなたの職場では 責任感と当事者意識といった言葉が、使われることがありませんか?例...


【快年童子の豆鉄砲】(その113)OJCCとは(13)育成効果の活かし方

  1. 育成効果の活かし方 これまで、連載の12回を使ってOJCC(On the Job Cultivating Core-compe...

  1. 育成効果の活かし方 これまで、連載の12回を使ってOJCC(On the Job Cultivating Core-compe...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
引き継ぎ資料で押さえるポイントとは

  四半期末や年度末、退職のタイミングで自身の業務を次の担当者に引き継ぐことは誰しも経験があるのではないでしょうか。今回は業務引き継ぎ資料...

  四半期末や年度末、退職のタイミングで自身の業務を次の担当者に引き継ぐことは誰しも経験があるのではないでしょうか。今回は業務引き継ぎ資料...


人財教育・人材育成、具体的な目標と細かい仕事、計画の最も重要なことは仕事の細分化

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...


【SDGs取り組み事例】環境対策を基盤に、働き甲斐と経済成長を実現 株式会社エフピコ

サステナブルな社会を目指した“人の輪づくり” 地球温暖化など環境問題が重要な社会課題として世界的に認識され、その保護気運の高...

サステナブルな社会を目指した“人の輪づくり” 地球温暖化など環境問題が重要な社会課題として世界的に認識され、その保護気運の高...