現場診断・指導について(その9) クリーン化について(その69)

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設備診断のうち、設備の周囲を簡単に見る、という部分は前回述べました。今回は、それを詳細に見ることですが、この診断に入る前に重要なことを説明します。

今回は、安全最優先についてです。

 

【設備診断での注意点】

  1. 動いているものには絶対に手を出さない。
  2. 不具合の確認は、設備を停止する。 

 

設備が動いている時に確認すると不具合を見つけやすいので、それを具体的に記します。

 

  • あのスライダーは動作時、周囲のカバーと擦れているのではないか。
  • スライダー動作時、真空や圧縮空気の配管、電気系統の配線などに擦れているのではないか。
  • 何かが動作する時異音がする。  

そして発塵しているかも知れない。という風に確認すると不具合を見つけやすようです。

 

【不安全な行為】

  • スライダーが奥の方に移動している時に、瞬間的にカバーや配管、配線等に直接触れて確認しようとする行為。

 

すぐにできそうだからと手を出したが、自分が思っているより早く戻ってきた。あるいは、その下にゴミを見つけた。サッと取れば除去できると思い手を出した。ところが予想外に時間がかり、スライダーが戻ってきてしまった。その時手を擦る、挟むなどの事故が起きることがあります。このような微小災害は多いです。甘く見てしまうのです。また、事故に至らなかったがヒヤッとしたという例も多いのです。

 

【参考:ハインリッヒの法則

  • ヒヤリハットが多いと、そのうち微小な事故、災害に繋がり、そしてさらに重大な事故、災害に繋がる。

 

ハインリッヒの法則

図. ハインリッヒの法則

 

この発生率は、重大な事故災害が1件発生すると、その背後には29件の微小な事故、災害があり、その背後には300件のヒヤリハットがあるということ。1:29:300の法則とも言います。ちょっとしたことだと考えていると、徐々に大きな事故に繋がります。事故、災害が起きると、これは労働災害です。油断しないこと、軽く考えないことです。

 

設備が動いている時に診断すると不具合は発見、推測しやすいが、実際に確認する場合、設備を停止してから実施することです。停止したつもりでも何かの拍子にスイッチを押して(入れて)しまうとか、誰かが「設備が停止いている」と勘違いし、スイッチを入れてしまうことも考えられます。そして事故が発生するかも知れません。

 

不具合の確認はプラグを抜くこと、および周囲には連絡(周知)しておくことが重要です。事故、災害の発生はいわゆる労働災害です。これらは作業者にもきちんと教育を実施しておくことが必要です。

 

現場診断、指導として現場に入って、安全のことを指摘すると、「あなたはクリーン化の指導に来たんですよね。どうして安全のことまで言うんですか」と言われてしまうこともありました。これは、”クリーン化はゴミ退治だ&r...

 

 

設備診断のうち、設備の周囲を簡単に見る、という部分は前回述べました。今回は、それを詳細に見ることですが、この診断に入る前に重要なことを説明します。

今回は、安全最優先についてです。

 

【設備診断での注意点】

  1. 動いているものには絶対に手を出さない。
  2. 不具合の確認は、設備を停止する。 

 

設備が動いている時に確認すると不具合を見つけやすいので、それを具体的に記します。

 

  • あのスライダーは動作時、周囲のカバーと擦れているのではないか。
  • スライダー動作時、真空や圧縮空気の配管、電気系統の配線などに擦れているのではないか。
  • 何かが動作する時異音がする。  

そして発塵しているかも知れない。という風に確認すると不具合を見つけやすようです。

 

【不安全な行為】

  • スライダーが奥の方に移動している時に、瞬間的にカバーや配管、配線等に直接触れて確認しようとする行為。

 

すぐにできそうだからと手を出したが、自分が思っているより早く戻ってきた。あるいは、その下にゴミを見つけた。サッと取れば除去できると思い手を出した。ところが予想外に時間がかり、スライダーが戻ってきてしまった。その時手を擦る、挟むなどの事故が起きることがあります。このような微小災害は多いです。甘く見てしまうのです。また、事故に至らなかったがヒヤッとしたという例も多いのです。

 

【参考:ハインリッヒの法則

  • ヒヤリハットが多いと、そのうち微小な事故、災害に繋がり、そしてさらに重大な事故、災害に繋がる。

 

ハインリッヒの法則

図. ハインリッヒの法則

 

この発生率は、重大な事故災害が1件発生すると、その背後には29件の微小な事故、災害があり、その背後には300件のヒヤリハットがあるということ。1:29:300の法則とも言います。ちょっとしたことだと考えていると、徐々に大きな事故に繋がります。事故、災害が起きると、これは労働災害です。油断しないこと、軽く考えないことです。

 

設備が動いている時に診断すると不具合は発見、推測しやすいが、実際に確認する場合、設備を停止してから実施することです。停止したつもりでも何かの拍子にスイッチを押して(入れて)しまうとか、誰かが「設備が停止いている」と勘違いし、スイッチを入れてしまうことも考えられます。そして事故が発生するかも知れません。

 

不具合の確認はプラグを抜くこと、および周囲には連絡(周知)しておくことが重要です。事故、災害の発生はいわゆる労働災害です。これらは作業者にもきちんと教育を実施しておくことが必要です。

 

現場診断、指導として現場に入って、安全のことを指摘すると、「あなたはクリーン化の指導に来たんですよね。どうして安全のことまで言うんですか」と言われてしまうこともありました。これは、”クリーン化はゴミ退治だ”という認識があるからです。

 

【私の考えるクリーン化】

クリーン化は、安全、人財育成とも密接な関係があると考えています。

 

診断中でも気になることがあれば、その場で指摘します。それは立場に関係なく、安全第一、最優先だからです。もし気づいていても、担当外だと目をつむってしまって、その目の前で事故が発生したら、誰でも後悔します。どんなことでも未然防止に努めましょう。

 

次回に続きます。

 

◆関連解説『環境マネジメント』

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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