クリーン化活動の進め方 クリーン化について(その54)

更新日

投稿日

 

 

今回は、図2のステップ3、標準化、定着化について解説します。

 

クリーン化

図1.クリーン化活動のステップ展開

 

クリーン化

図2.クリーン化3ステップの概要

 

このステップでは、これまで実施してきた対策や改善について、再発しないよう、あるいは元に戻らないよう標準化、歯止めをすること。それを土台にし、さらにレベルを上げていくことです。まず、“管理されたクリーンルーム”を目指します。活動は、クリーン化担当や職制の活動ではなく全員参加の活動です。全員に定着化させていきます。この定着させることが一番重要です。

 

図1のステップ3の部分に、“6S”と書いておきました。これはある会社の事例です。

 

その会社を訪問した時、廊下に6S・・・と記したものが掲示されていました。案内してくれた社長に、「6Sって何ですか。私は5Sしか知りません。整理・整頓・清掃・清潔・躾とは違うのですか」と聞いたところ、「そうです。そのことですが、躾は非常に難しいので、もう一つSを付けました。それは習慣化のSです。それほど定着させることは大変なんです」と言っていました。

 

そこまで表現することが必要かどうかは別にして、それほど難しいということです。恐らく社長の実体験、経験が表現されているんでしょう。その部分は5Sの最後の仕上げです。しっかり押さえたいです。

 

また標準化したものは、それで終わりではなく、さらに良い標準になるよう修正、改善していきます。実情に合わないものは使わなくなってしまいます。標準があるのと、それを使うのとは別だということになってしまいます。

 

標準書は、相手に伝わるかどうか、使う人が理解できるのかを考えた表現を意識すること。いろいろな解釈ができるものは、使う人によって理解が変わってしまいます。“標準は書き換えるためにある”と言われます。常にメンテナンスしていくことも重要です。

 

クリーン化3ステップは、このようにしなければいけないのではなく、実際に現場でやったことを整理したものであり、小集団活動でも足並みを揃えるのには使いやすいものです。また、TPM活動にある設備保全等の考え方や安全、人財育成についても含めています。

 

理論的ではなく、現場目線、現場視点ですから、即、そのまま使うことも可能です。

 

クリーン化というと、とかくゴミ、異物を減らしていく活動だとの狭義の解釈がされがちです。しかし、その活動を充実させるには、様々な知識に加え、安全、人財育成も非常に重要なキーワードです。そのこともご理解いただきたい。

 

概要を記しましたが、私なりに考えた詳細説明もあります。しかし、その企業や地域の風土等によっても進め方や考え方が変わってくると思うので、ここでは省きました。各々の特色を生かしたオリジナルなものを構築していただきたい。

 

小集団活動では、職制が先行して活動し、現場活動の手本に使う場合も良いでしょう。活動の途中で迷いが出たり、再検討が必要だという場合も、このステップを確認しながら、どの...

 

 

今回は、図2のステップ3、標準化、定着化について解説します。

 

クリーン化

図1.クリーン化活動のステップ展開

 

クリーン化

図2.クリーン化3ステップの概要

 

このステップでは、これまで実施してきた対策や改善について、再発しないよう、あるいは元に戻らないよう標準化、歯止めをすること。それを土台にし、さらにレベルを上げていくことです。まず、“管理されたクリーンルーム”を目指します。活動は、クリーン化担当や職制の活動ではなく全員参加の活動です。全員に定着化させていきます。この定着させることが一番重要です。

 

図1のステップ3の部分に、“6S”と書いておきました。これはある会社の事例です。

 

その会社を訪問した時、廊下に6S・・・と記したものが掲示されていました。案内してくれた社長に、「6Sって何ですか。私は5Sしか知りません。整理・整頓・清掃・清潔・躾とは違うのですか」と聞いたところ、「そうです。そのことですが、躾は非常に難しいので、もう一つSを付けました。それは習慣化のSです。それほど定着させることは大変なんです」と言っていました。

 

そこまで表現することが必要かどうかは別にして、それほど難しいということです。恐らく社長の実体験、経験が表現されているんでしょう。その部分は5Sの最後の仕上げです。しっかり押さえたいです。

 

また標準化したものは、それで終わりではなく、さらに良い標準になるよう修正、改善していきます。実情に合わないものは使わなくなってしまいます。標準があるのと、それを使うのとは別だということになってしまいます。

 

標準書は、相手に伝わるかどうか、使う人が理解できるのかを考えた表現を意識すること。いろいろな解釈ができるものは、使う人によって理解が変わってしまいます。“標準は書き換えるためにある”と言われます。常にメンテナンスしていくことも重要です。

 

クリーン化3ステップは、このようにしなければいけないのではなく、実際に現場でやったことを整理したものであり、小集団活動でも足並みを揃えるのには使いやすいものです。また、TPM活動にある設備保全等の考え方や安全、人財育成についても含めています。

 

理論的ではなく、現場目線、現場視点ですから、即、そのまま使うことも可能です。

 

クリーン化というと、とかくゴミ、異物を減らしていく活動だとの狭義の解釈がされがちです。しかし、その活動を充実させるには、様々な知識に加え、安全、人財育成も非常に重要なキーワードです。そのこともご理解いただきたい。

 

概要を記しましたが、私なりに考えた詳細説明もあります。しかし、その企業や地域の風土等によっても進め方や考え方が変わってくると思うので、ここでは省きました。各々の特色を生かしたオリジナルなものを構築していただきたい。

 

小集団活動では、職制が先行して活動し、現場活動の手本に使う場合も良いでしょう。活動の途中で迷いが出たり、再検討が必要だという場合も、このステップを確認しながら、どの位置にいるのか確認ができます。やりながら、自社、自職場にマッチするよう変化させ、独自の技術に育てることも良いです。

 

また3ステップが一通り終了したら、また1ステップから始めても良いです。その場合は、最初よりレベルを上げていく。その繰り返しで、スパイラルアップしていくと、さらに良い現場づくりができると考えています。

 

次回に続きます。

 

 

◆関連解説『環境マネジメント』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め...


「クリーン化技術」の他のキーワード解説記事

もっと見る
クリーン化4原則-4 クリーン化について(その29)

   連載その16で『クリーン化4原則+監視の重要性』について述べました。ここでは、図1のクリーン化4原則について個別に解説しておりますが...

   連載その16で『クリーン化4原則+監視の重要性』について述べました。ここでは、図1のクリーン化4原則について個別に解説しておりますが...


クリーン化4原則のまとめ クリーン化について(その39)

   これまで、クリーン化4原則について解説してきました。今回は次のテーマに移る前に『クリーン化4原則のまとめ』を行います。  クリーン...

   これまで、クリーン化4原則について解説してきました。今回は次のテーマに移る前に『クリーン化4原則のまとめ』を行います。  クリーン...


クリーン化について(その121)人財育成(その22)教育を始めた時の失敗例

  クリーン化について(その120)人財育成(その21)の続きです。   ◆ 教育を始めた時の失敗事例 教育を始めた時、自...

  クリーン化について(その120)人財育成(その21)の続きです。   ◆ 教育を始めた時の失敗事例 教育を始めた時、自...


「クリーン化技術」の活用事例

もっと見る
クリーンルーム用懐中電灯、紫外線カットとは

 今回は、クリーンルームの中で使う懐中電灯の解説です。写真技術を使い製品加工する半導体の製造工程では、一般の白色光を使うと製品が感光して不良になってしまい...

 今回は、クリーンルームの中で使う懐中電灯の解説です。写真技術を使い製品加工する半導体の製造工程では、一般の白色光を使うと製品が感光して不良になってしまい...


経営者、管理者の現場行動事例

 国内空洞化加速に伴って、現場を見ない経営者や管理者が多くなったように感じます。国内、海外、業界等の様子が各種情報の発達により、容易に入手出来ます。そこか...

 国内空洞化加速に伴って、現場を見ない経営者や管理者が多くなったように感じます。国内、海外、業界等の様子が各種情報の発達により、容易に入手出来ます。そこか...


中国のクリーン化担当女性の事例

 私が足繁く通っていた、中国の工場の女性クリーン化担当の話です。その工場は上海から車で2時間ほどのところにあり、約1万人の社員を抱えていました。その女性は...

 私が足繁く通っていた、中国の工場の女性クリーン化担当の話です。その工場は上海から車で2時間ほどのところにあり、約1万人の社員を抱えていました。その女性は...