知財経営の実践(その18)産学共同研究

 
  知的財産
 

1. 知財の持つ価値

 
 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。
 

2. 知財経営:大学との共同研究も主要な戦略の一つ

 
 自社のみでは、研究開発が難しい場合は、大学との共同研究も主要な戦略の一つです。大学の技術を活用して、事業展開するというと大手企業がやることと思われる方もいます。
 
  知的財産
 

1. 知財の持つ価値

 
 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。
 

2. 知財経営:大学との共同研究も主要な戦略の一つ

 
 自社のみでは、研究開発が難しい場合は、大学との共同研究も主要な戦略の一つです。大学の技術を活用して、事業展開するというと大手企業がやることと思われる方もいます。
 
 しかし、大学の技術を活用して、事業展開するという先進的な中小企業も少なくありません。産学共同連携ということは、地域への貢献という視点から期待されている面があります。産学共同連携を支援する相談窓口がありますので、相談してみてもよいでしょう。
 

3. 知財経営:産学共同研究の成果

 
 大学で、どのような研究が行われているか、異業種交流会、セミナー、学会などへ出席し、あるいはインターネットなどから積極的に情報を入手してみることが必要です。また最新の技術動向を探るために特許調査を行うこともよいでしょう。その中から、新しい技術シーズを見いだすことができます。
 
 新しい技術を一から開発していると時間や費用がかかります。そのため大学との連携を積極的に行い、知的財産を生み出すことが重要です。大学との共同研究の成果の一つとして、特許取得を目指すのです。また、大学で完成した基礎研究の成果を活用し、事業化は会社で行うということも検討しましょう。
 

4. 知財経営:大学との共同研究での留意点

 
 大学との共同研究を始めるにあたっては、次のような事例があり、失敗例として留意すべきです。
 
  • 大学との共同研究を始めるにあたっては、企業が大学との相談で技術的な話をしたところ、ライバルメーカーにその話をされてしまった。
  • 研究の成果を、大学が単独で断りなく特許出願前に学会発表してしまった。
 
 他社との共同研究開発で留意すべき点に加えて、特に大学との共同研究を始めるにあたっては、留意すべき点は以下の通りです。
 
  • 大学との共同研究を始めるにあたっては、企業が大学との相談をする段階で秘密保持契約を結ぶこと
  • 共同研究の対象者の範囲を特定することが難しい場合には、秘密保持契約や共同研究開発契約は、教員ではなく大学と結ぶこと
  • 共同研究で大学が論文発表をする場合、迅速に連絡してもらうこと
 
 共同研究の成果の発明を特許出願する前に、学会発表や論文発表されると、特許権利化が難しくなります。学会発表や論文発表の時点で、新規性が喪失したとみなされるからです。
 
 特許法には、新規性喪失の例外の規定があります。しかし、この例外規定では、「学会発表や論文発表の技術だけ」が例外として認められます。広い範囲で、技術を発明として権利化することが難しくなります。共同研究で大学が論文発表をする場合、迅速に連絡してもらいその前に発表する技術を特許出願することが望ましいでしょう。
 
 

5. 知財経営:不実施補償の取り決めに留意する

 
 他社との共同研究では、共同研究の成果である技術やノウハウを商品化して収益をあげます。大学との契約で留意すべきは、大学は事業者と異なり共同研究の成果を自ら商品化しないことです。そのため企業が特許取得して独占生産する代償として、大学に不実施補償を支払う。あるいは、企業が特許費用も全額負担するという場合があります。また企業が大学の権利の持ち分を買い取ったりする場合もあります。不実施補償の取り決めについて、共同研究開発契約でどう規定するか検討しておく必要があります〔3〕
 
 次回に続きます。
 
【参考文献】
〔1〕特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2006」(H19.3)
〔2〕「戦略的な知的財産管理に向けて「知財戦略事例集」(2007.4特許庁)
〔3〕「知的財産、企業秘密保持への指針(改定版)」(経済産業省2006.11)p16

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この記事の著者

立花 信一

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし技術コンサルティング、知財コンサルティング、行政書士として契約書作成、補助金申請のお手伝いをします。

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