知財経営の実践(その30)商標権の活用戦略

 

知的財産

1. 知財の持つ価値 

 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。

2. 知財経営:商標権の活用戦略

 商品のネーミングを商標権としてブランド構築することも知財戦略の一つです。商標権と特許権と組み合わせて、他社との差別化や製品を強い知的財産権で守ることができる場合があります。

3. 知財経営:商品のネーミングを守る

 製品の開発を終わり製品名候補が決まりました。製品名をどうするのか、苦労して考えました。ようやく製品が発売されて、市場でも受け入れられて売上も伸びてきました。ところが、他社から似たようなネーミングの類似した製品が発売されました。とても不愉快でもあり、自社の製品の市場シェアも低下するおそれがあります。このような場合、製品名の商標登録をしておけば、類似品に対して商標権侵害として警告をすることができます。さらに悪いケースとして、自分の商品のネーミングであるのに、他者から商標権の侵害の警告状が届くということも・・・原則として他人の商品名について第三者が商標権を取得することは適法です。

 この場合は、商品名を変更するか、商標権侵害の警告をしてきた他人に実施料を払うことにもなります。自社の商品名について商標を取得していないと思わぬ損害を被るリスクがあります。このようなトラブルを防止するために、商標取得が必要です。製品のネーミング、商標調査、商標出願、商標登録という流れを実施しましょう。

4. 知財経営:ブランドを構築する

 自社製品の強みが技術にない場合は、ブランド戦略により他社との差別化を図ることが重要です。もちろん、自社製品の強みが技術的要素である場合にも、自社の製品の高技術、高品質である点をイメージとして確立し長期にわたり維持することができます。これによって、消費者やユーザーの製品への信頼性を獲得し他社製品への差別化を図ることができます。消費者やユーザーは、「ブランド」に信頼を持ち、次もこの商品を買いたいということになります。

 また、「ブランド」は会社の従業員の帰属意識を高めます。そしてブランドを守るため、品質と信頼を維持しようとするモチベーションが高まります。ブランドというと商標だけが思い浮かぶことが多いです。しかし、企業戦略として特許権や意匠権と商標権を組み合わせることでのブランド戦略を検討することも必要です。

5. 知財経営:ブランド構築や模倣品排除のために商標を活用する

 他社からの模倣を防止するため、社名の商標を登録しましょう。商標を取得したら商品パンフレットや自社のホームパージや広告などで、登録商標をアピールしましょう。商品名の後に登録商標を付けてブランドを強調することが有効です。海外で模倣品が多く出回っている場合があります。そこで、自社の製品を販売している地域や海外展開の可能性のある地域での商標取得を積極的に行っていくことが必要です。

 また自社の製品が何種類もあるという場合は、製品群に統一したイメージの商品のネーミングをするということも有効です。
消費者やユーザーに対してブランドを浸透させることができます。

 

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6. 知財経営:商標出願

 商標登録は、製品のネーミング、商標調査、商標出願、商標登録という流れです。

 商標出願は、出願手続きが簡略であることから外部の弁理士に依頼しないで、自分で出願することが多いようです。ただし、商標出願をする前には商標調査は必ず行いましょう。他社がすでに商標を取得してないかを調査します。

 出願が無駄にならないようにするためです。また、商標は類似した商標にも効力が及びます。類似した商標の範囲については、弁理士等の専門家の判断を仰ぐことが有効です。文字だけでなく「図形」、「記号」、「文字と図形などを組み合わせた商標」、「立体」でも商標取得が可能です。どのような商標出願をするのか、よく検討することが必要です。

次回に続きます。

【参考文献】
〔1〕特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2006」(H19.3)
〔2〕「戦略的な知的財産管理に向けて「知財戦略事例集」(2007.4特許庁)


この記事の著者

立花 信一

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし 特許調査・技術文献作成、著作権・プログラムなどの登録の申請代理、ライセンス契約など 知財活用のお手伝いをします。

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