共同開発契約 知財経営の実践(その17)

更新日

投稿日

 
  知財
 

1. 知財の持つ価値

 
 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。
 

2. 知財経営:共同開発契約

 
 自社のみでは、研究開発が難しいので他社と共同研究を行いたいということがあります。研究開発を始める際に、共同研究開発契約を締結しておくことが重要です。以下の、内容とします。共同研究開発契約は、事後のトラブルを防止するためです。相互の役割分担、研究費用の負担分担、機密情報の取り扱い、特許出願の取扱いなどです。事後トラブルを避けるために、契約締結は重要です。
 
 また共同研究開発を開始する時点で、自社がすでに持っている技術を特定し明確にしておくことが必要です。技術のどの部分が共同研究開発の成果かを明確にしておきます。そのために、自社の技術の棚卸をしておきます。自社の既存の特許出願について、見直し整理しておきましょう。
 

3. 知財経営:共同研究開発契約書

 
 共同研究開発契約書では、特許に関する内容を含めて、以下の事項を定めておくとよいです〔3〕
 
  • 共同研究開発を行うために自社の特許やノウハウの取り扱い
 
 自社の特許やノウハウなど共同研究開発を始める前に所有していた技術は、自社で自由に使えるようにしておきます。
 
  • 提供する情報と守秘義務
  • 相互の役割分担、研究費用の負担分担、中止の場合の取り扱い
  • 研究開発期間
  • 成果物の帰属
  • 特許の出願等の取り扱い
  • 特許権の実施
  • 共同研究終了後の利用特許等の取り扱い
  • 共同研究相手の倒産等への対処
 
 なお、共同研究開発契約書で、特許の共同出願の詳細については規定しないで、別途、特許共同出願契約を締結する場合もあります。
 
 

4. 知財経営:トラブル未然防止のための覚書

 
 中小企業は、大企業と特許の共同出願を行う場合には、権利がどちらに帰属するかを明確にしておく必要があります。権利の帰属について、覚書を締結します。
 
  • 特許の持ち分の比率
  • 使用料の持ち分比率
  • 共有の場合の無償行使
 
 ビジネス上のトラブルを回避するためには、細かい点まで覚書で規定しておくべきで...
 
  知財
 

1. 知財の持つ価値

 
 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。
 

2. 知財経営:共同開発契約

 
 自社のみでは、研究開発が難しいので他社と共同研究を行いたいということがあります。研究開発を始める際に、共同研究開発契約を締結しておくことが重要です。以下の、内容とします。共同研究開発契約は、事後のトラブルを防止するためです。相互の役割分担、研究費用の負担分担、機密情報の取り扱い、特許出願の取扱いなどです。事後トラブルを避けるために、契約締結は重要です。
 
 また共同研究開発を開始する時点で、自社がすでに持っている技術を特定し明確にしておくことが必要です。技術のどの部分が共同研究開発の成果かを明確にしておきます。そのために、自社の技術の棚卸をしておきます。自社の既存の特許出願について、見直し整理しておきましょう。
 

3. 知財経営:共同研究開発契約書

 
 共同研究開発契約書では、特許に関する内容を含めて、以下の事項を定めておくとよいです〔3〕
 
  • 共同研究開発を行うために自社の特許やノウハウの取り扱い
 
 自社の特許やノウハウなど共同研究開発を始める前に所有していた技術は、自社で自由に使えるようにしておきます。
 
  • 提供する情報と守秘義務
  • 相互の役割分担、研究費用の負担分担、中止の場合の取り扱い
  • 研究開発期間
  • 成果物の帰属
  • 特許の出願等の取り扱い
  • 特許権の実施
  • 共同研究終了後の利用特許等の取り扱い
  • 共同研究相手の倒産等への対処
 
 なお、共同研究開発契約書で、特許の共同出願の詳細については規定しないで、別途、特許共同出願契約を締結する場合もあります。
 
 

4. 知財経営:トラブル未然防止のための覚書

 
 中小企業は、大企業と特許の共同出願を行う場合には、権利がどちらに帰属するかを明確にしておく必要があります。権利の帰属について、覚書を締結します。
 
  • 特許の持ち分の比率
  • 使用料の持ち分比率
  • 共有の場合の無償行使
 
 ビジネス上のトラブルを回避するためには、細かい点まで覚書で規定しておくべきです。次回に続きます。
 
【参考文献】
〔1〕特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2006」(H19.3)
〔2〕「戦略的な知的財産管理に向けて{知財戦略事例集」(2007.4特許庁)
〔3〕「特許・ノウハウに関する共同研究開発契約の手引き」(関東経済産業局2003.4)
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

立花 信一

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし技術コンサルティング、知財コンサルティング、行政書士として契約書作成、補助金申請のお手伝いをします。

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし技術コンサルティング、知財コンサルティング、行政書士として契約書作成、補...


「知的財産マネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
セラミックスから食品へ 特許活用によるイノベーション創出(その6)

   前回のその5の続きです。  公的な特許検索の「特許情報プラットフォーム」から検索します。   https://www.j-platpat.in...

   前回のその5の続きです。  公的な特許検索の「特許情報プラットフォーム」から検索します。   https://www.j-platpat.in...


ライセンスを受けるための流れ 知財経営の実践(その20)

       1. 知財の持つ価値    知財経営の実践については、その重要性が参考文献のよう...

       1. 知財の持つ価値    知財経営の実践については、その重要性が参考文献のよう...


技術企業の高収益化: 儲けの論理を徹底させているか

◆ その事業に「儲けの論理」はあるか?  儲けるには論理が必須です。仕事柄、私は技術者や経営者を対象にコンサルティングや研修を行っています。大手企業...

◆ その事業に「儲けの論理」はあるか?  儲けるには論理が必須です。仕事柄、私は技術者や経営者を対象にコンサルティングや研修を行っています。大手企業...


「知的財産マネジメント」の活用事例

もっと見る
特許情報の見える化と解析で何が出来るのか

♦提案可能な特許情報の見える化事例  パテントマップソフトの使用などに代表される特許情報の見える化は、業界の技術情報とその動向を理解する...

♦提案可能な特許情報の見える化事例  パテントマップソフトの使用などに代表される特許情報の見える化は、業界の技術情報とその動向を理解する...


デザインによる知的資産経営:「ブランドづくり」(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   2.ブランドづくり (1)商品の名前  「無印良品」を運営する株式会社良品計画(1990年に西友か...

 前回のその2に続いて解説します。   2.ブランドづくり (1)商品の名前  「無印良品」を運営する株式会社良品計画(1990年に西友か...


「峠の釜飯」の釜の秘密とは

 今回は、登録実用新案公報から「峠の釜飯」の秘密を探ります。信越本線の横川駅で売られているおぎのやの駅弁、峠の釜飯の釜の裏に、実用新案登録第3150274...

 今回は、登録実用新案公報から「峠の釜飯」の秘密を探ります。信越本線の横川駅で売られているおぎのやの駅弁、峠の釜飯の釜の裏に、実用新案登録第3150274...