知財経営の実践(その32)商標調査

 

知的財産

1. 知財の持つ価値 

 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。

2. 知財経営:商標調査の必要性

 商品のネーミングを商標権としてブランド構築することも知財戦略の一つです。商標権と特許権と組み合わせて、他社との差別化や製品を強い知的財産権で守ることができる場合があります。会社の発展と商標戦略はリンクするということで、新製品開発を行う際には、常に商標戦略を頭においておくことも必要です。いずれにしても、商品のネーミングを考えた段階で他人の商標の調査をしておくことが必要です。商標調査の目的は、大きく分けて以下の2つとなります。

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この記事の著者

立花 信一

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし 特許調査・技術文献作成、著作権・プログラムなどの登録の申請代理、ライセンス契約など 知財活用のお手伝いをします。

材料技術者および特許技術者として、長年にわたって経験した知識・技術を最大限に生かし 特許調査・技術文献作成、著作権・プログラムなどの登録の申請代理、ライセ...

 

知的財産

1. 知財の持つ価値 

 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。

2. 知財経営:商標調査の必要性

 商品のネーミングを商標権としてブランド構築することも知財戦略の一つです。商標権と特許権と組み合わせて、他社との差別化や製品を強い知的財産権で守ることができる場合があります。会社の発展と商標戦略はリンクするということで、新製品開発を行う際には、常に商標戦略を頭においておくことも必要です。いずれにしても、商品のネーミングを考えた段階で他人の商標の調査をしておくことが必要です。商標調査の目的は、大きく分けて以下の2つとなります。

3. 知財経営:他人の商標を発見し、商標権侵害を未然に防ぐ

 せっかくの新しいネーミングを考えて商標出願をしても、既に他人が商標登録しても拒絶されてしまいます。また、他人が商標登録していることを知らずにその商標を使用して商品を販売すると、商標権侵害となります。これを避けるために商品名の変更をしなければならない場合もあります。どうしても商品名を変更せずに使用したいならば、権利者と交渉してライセンス契約を結ぶということになります。このような事態を避けるためには、新製品の発売や新サービスの開始前に他人の商標登録を調査しておく必要があります。

 また、他人の商標権を侵害しているおそれがある場合、他人の商標権を侵害していると警告を受けた場合にも相手の商標を調査します。相手の商標を調査して、相手がその商標を一定期間、使用していない場合には、不使用取消審判を請求します。また、相手の商標登録に無効理由がある場合は無効審判を請求しますこれらの審判で相手の商標登録を取消しあるいは無効にすることができます。商標調査は、これらの手段をとる前の重要な検討項目となります。

4. 知財経営:自分のネーミングの参考とする

 自分の商品の名称を考えるにあたっては、商品のイメージや流行を考慮します。時流にのった商品名称とすることも考えておくべきです。商標出願や登録商標を調査することで、その商品にはどのような名称が多く使用されているか、今使用されている名称の流行は何かを知ることができます。また、自分の商標出願が登録される可能性があるのかを類似する商標の審査過程を調べることで判断が可能となります。

5. 知財経営:商標の調査方法

・調査の対象

 調査の対象は、商標出願と登録商標となります。商標調査は、特許庁のデータベースJplatpatを使用して調査します。

・商標の種類

 文字商標と図形からなる商標の商標調査では、調査方法が異なります。文字商標では、その呼び方(呼称)から検索します。図形からなる商標では、特許庁のデータベースJplatpatの図形ターム分類、類似群によって対象を絞り調査します。

・商品・役務

 次に商標を使用する商品・役務を決めます。その商標がその指定商品・役務について出願されていないかを調査します。

・類似群

 商標権は、同一のものだけではなく類似したものにも効力が及びます。指定商品の区分だけでなく、類似した商品についても調査する必要があります。そこで、利用されるのが「類似群」です。類似群は、商品等の生産部門の同一性や、原材料や品質の同一性などで分類されています。互いに類似している商品等を1つのグループにまとめています。詳細に調査する場合には、商品区分だけでなく、類似群を利用して対象を絞り調査します。

 次回に続きます。

【参考文献】
〔1〕特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2006」(H19.3)
〔2〕「戦略的な知的財産管理に向けて「知財戦略事例集」(2007.4特許庁)

 


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