無料で利用できる特許情報を活用するには

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1.特許情報とは

 我が国の特許制度は先願主義を採用していますので、企業、大学、研究所等で開発された技術はいち早く特許庁に出願されて特許情報として蓄積されます。そして、一定期間経過後に一般に公開されます。 

 これらの特許情報はまさに最先端技術情報であり、技術情報の宝庫といえます。特許情報を解析することにより、最新の技術動向を素早く把握することが可能です。 

 さらに、特許情報を広く活用することにより、他社と重複した無駄な技術開発を避ける事ができ、研究開発の方向性を決める上でも役に立ちます。 

 特許情報は、このような事業活動の様々な場面で大いに役立ちます。事業活動の様々な局面で特許情報の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

 

2.特許情報の長所

(1)網羅性

 特許情報は全技術分野の情報をカバーする最大の技術情報源です。現在に至るまでに7100万件の蓄積があります。

 

(2)最新性

 特許情報には年40万件の出願が追加され、情報のアップデートが常になされています。これにより、最新の技術情報を入手できます。

 

(3)入手容易性

 特許電子図書館(IPDL : http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)を利用すれば無料で情報の入手が可能です。特許電子図書館(IPDL)には初心者向け検索機能もあり、初心者でも特許情報の検索が可能です。

 

(4)規格性

 各特許出願には技術分類が付与されており、書誌事項(分類、出願人、発明者等)が整備されておりますので、情報の整理が容易です。

 

(5)加工容易性

 特許情報は規格化されていることから、エクセルや市販のソフトウェアを利用して特許情報をマップ化したり統計処理したりすることが可能です。

 

3.特許情報の活用場面

(1)事業戦略面の活用

 競合会社との精緻な技術競争力評価が事業戦略立案、推進上大いに役立ち...

1.特許情報とは

 我が国の特許制度は先願主義を採用していますので、企業、大学、研究所等で開発された技術はいち早く特許庁に出願されて特許情報として蓄積されます。そして、一定期間経過後に一般に公開されます。 

 これらの特許情報はまさに最先端技術情報であり、技術情報の宝庫といえます。特許情報を解析することにより、最新の技術動向を素早く把握することが可能です。 

 さらに、特許情報を広く活用することにより、他社と重複した無駄な技術開発を避ける事ができ、研究開発の方向性を決める上でも役に立ちます。 

 特許情報は、このような事業活動の様々な場面で大いに役立ちます。事業活動の様々な局面で特許情報の活用を考えてみてはいかがでしょうか。

 

2.特許情報の長所

(1)網羅性

 特許情報は全技術分野の情報をカバーする最大の技術情報源です。現在に至るまでに7100万件の蓄積があります。

 

(2)最新性

 特許情報には年40万件の出願が追加され、情報のアップデートが常になされています。これにより、最新の技術情報を入手できます。

 

(3)入手容易性

 特許電子図書館(IPDL : http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)を利用すれば無料で情報の入手が可能です。特許電子図書館(IPDL)には初心者向け検索機能もあり、初心者でも特許情報の検索が可能です。

 

(4)規格性

 各特許出願には技術分類が付与されており、書誌事項(分類、出願人、発明者等)が整備されておりますので、情報の整理が容易です。

 

(5)加工容易性

 特許情報は規格化されていることから、エクセルや市販のソフトウェアを利用して特許情報をマップ化したり統計処理したりすることが可能です。

 

3.特許情報の活用場面

(1)事業戦略面の活用

 競合会社との精緻な技術競争力評価が事業戦略立案、推進上大いに役立ちます。

 

(2)技術戦略面の活用

 技術的課題を解決するための新しい方法論が発見できます。また、研究開発計画と特許出願計画をリンクさせながら開発を進めることができるようになります。

 

(3)知財戦略面の活用

 パテント・ポートフォリオの構築が容易になります。さらに、各発明の相対的価値が一目でわかるようになります。

 

 次回は、この特許情報を活用するために必要となる特許情報解析について説明いたします。

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この記事の著者

川上 成年

「御社の知財部」は中小企業様向けの知財支援サービスです。「御社の知財部」は御社の知財活動を推進します。

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