業種別、知財経営 知財経営の実践(その42)

 

1. 知財の持つ価値 

 知財経営の実践については、その重要性が参考文献のように報告されています。〔1〕〔2〕知財の活用を、企業経営においては、常に意識しましょう。知財経営が有効となるのは、技術が自分の会社の強みとなる場合です。自社の強みを分析してみることが必要です。強みが技術にある場合は、知財戦略を考えてみましょう。

2. 知財経営と技術分野

 業種によって、知財戦略は異なるのでしょうか?基本的に知財経営は、知的財産権(特許、意匠、商標等)により参入障壁を築き市場をコントロールするということが基本的な考え方です。この知財経営については、企業の規模等によって変わることはありません。ただし、知財戦略は技術分野や企業がどの発展段階にあるかで異なる場合があります。

3. 業種(技術分野)と知財経営

 特許の技術分野から業種を考えると、以下に分類されます。

・1製品1特許型が基本となる業種

 バイオ、製薬、化学等の素材系企業が典型的です。これらの企業では、基本となる技術開発に多くの投資と長い開発期間がかかります。しかし、開発の成果として市場を独占できる強い技術の発明を創造することもできます。少数の強い特許で、参入障壁を構築することが基本戦略となります。基本特許を抑えているかどうかで、事業の成功が決定します。そのために基本特許の内容のチェックが必要です。また、基本特許の権利化に注力します。

・1製品多特許型の業種

 機械・電機等メカトロニクス企業が典型的です。基本特許の取得も重要ですが、特許ポートフォリオの構築及びライセンス戦略や技術の標準化等の特許活用戦略が重要となります。特許ポートフォリオの基礎作りと、効率的な出願体制作り、社内の特許教育が必要です。また応用技術の展開範囲の調査が重要です。

・必ずしも特許に依存しない業種

 インターネットビジネス、ソフトウエア関連の企業が典型的です。

 基本特許は存在しません。特許ポートフォリオの構築よりも、ビジネスモデルや営業宣伝等他の要因が重要となります。また特許を取得するよりノウハウ管理で技術を保護することや、ソフトウエアの著作権登録による保護を検討することも必要です。ソフトウエアの特許は権利行使が難しい場合が多いからです。

4. 企業の発展段階と知財経営

 企業の発展段階を分類すると、発展期、成長期、成熟期となります。その発展段階に応じて知財戦略の焦点が変わります。事業を始めたばかりの創業期は、発明の創造および基本特許の取得に焦点を当てる必要があります。

 基本特許の内容のチェックが必要です。また、基本特許の権利化に注力します。

 技術開発の過程から、いかに発明の「ネタ」を発掘するかが重要です。そのために社内の体制づくりが必要です...

。最初は、発明発掘の方法やノウハウがない場合が多いです。その場合は、外部の専門家のアドバイスを受けることも検討してみましょう。この創業期に、いかに基本特許を取得できるかで、企業のその後の発展が変わってきます。成長期・成熟期は、取得した特許をいかに事業に活かすかに焦点を当てます。ライセンス契約の整備や必要に応じた権利行使を検討しましょう。

 次回に続きます。

【参考文献】
〔1〕特許庁「中小・ベンチャー企業知的財産戦略マニュアル2006」(H19.3)
〔2〕「戦略的な知的財産管理に向けて「知財戦略事例集」(2007.4特許庁)

 

◆関連解説『技術マネジメントとは』

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