CS経営(その51)「おもてなしの神髄」

 
CS

◆なぜ、あの企業の「顧客満足」はすごいのか

14. 魅力価値創造のすごさ:積水化学工業株式会社

(1)「モノづくりのはじまりはお客様の声から」

 積水化学工業株式会社、カンパニー制を採用している同社は、「住宅カンパニー」「高機能プラスチックスカンパニー」「環境・ライフラインカンパニー」、そして、その他の事業、現在開発中の事業を展開する「コーポレート」に大別されます。
 
 積水化学は、1999年から「お客様満足」に重点を置くCS品質経営に取り組んできました。2004年からは、全事業でモノの品質革新に徹底的にこだわり、お客様から継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS品質経営」に力を注いでいます。
 
 「モノづくりのはじまりはお客様の声から」をモットーに、全社で、「指名される品質」、製品・サービス品質で際立つ「積水化学独自の品質経営」をグローバルに実践することを目標に掲げ、全社でCSRと共にCS(顧客満足)に取り組んでいます。では、積水化学が考えるCSとは何でしょうか。お客様が満足されること。そして、CS品質に関しては、「お客様の期待に応える価値(商品・サービス)」と定義しています。
 
 そして、その定義に基づき、「人の品質(行動・マインド)」「仕組みの品質(制度・プロセス)」「モノの品質(製品・技術・サービス)」の革新に取り組んでいるのです。
 
 その一つとして、「魅力品質選定制度」「創塾」が挙げられます。
 
 ここでいう魅力品質とは「新しい価値と、高レベルのお客様満足を備えた商品(製品・技術・サービス)」を指している。創塾とは積水化学クループ全体の商材で、お客様の声に徹底的にこだわり続け、再魅力化した商品に育て上げるための塾を指しています。その目的は、お客様の声をペースに、魅力品質を次々に生み出す人材を育てること、事業が連結し、魅力品質のコンセプトを作成し、近い将来に積水の魅力商品として市場に発表することなどが挙げられます。
 
 また、魅力品質の創出とは、「仕組み」すなわち、良い品質を生み出すために必要不可欠な有益情報、「モノ」すなわち確実な基本機能と安全・環境が考慮された品質、「人」すなわち従業員一人ひとりが、やりがいを持って、社会の動向やお客様の意識・ニーズの変化を敏感に捉えて行動できる組織風土を指し、これにより「指名され続ける品質」を生み出し続けることです。
 
 魅力品質制度とは、積水化学グループ全体からエントリーされた商品の中から、最も魅力品質にふさわしい商品を選定し表彰する制度であり、社外の目を通し、当社のモノづくりや技術力の評価と共に、埋もれていた魅力を再発見すること、企画、開発担当者のモチベーションアップにつなげ、次の3年に向けての目標・励みとしてもらうことを目指しています。
 
 3年ごとの開催、審査委員は積水化学役員と社外の有識者で構成、そして表彰は金一封と記念品の贈呈。創立記念日の式典で社長表彰を受けるのです。
 
 ちなみに、創塾卒業後約1年で市場に発表したヒット商品を次に紹介します。
 
 「ウェルネス施設向け浴室」の開発-介護者の負担軽減を図りつつ、介護を受ける人たちのことを最大限考慮した浴槽です。浴槽の機能が変更でき、安全・安心に配慮し、介護を受ける人の変化に対応できる人間生活工学に基づく「人の動作」「生理」「心理」をもとに開発した浴槽であり、使用する人に合わせてさまざまな仕様に変更できるため、時の変化に応じて最適な介護ができる可変システムです。
 
 その時の様子に合わせ、いくつもの機能の異なった中から適切な浴槽に置き換えることができ、しかも縦置き、横置きができ、「人がモノに合わせる」のではなく、「モノ=浴槽が人に合わせる」ことがコンセプトとなっています。介護を受ける人、介護をする人の双方に魅力的な評判の高い開発です。
 
 次回は、(2)「商品の品質」と「人の品質」から解説を続けます。
 
【出典】 武田哲男 著 なぜ、あの企業の「顧客満足」は、すごいのか PHP研究所発行
     筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

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