価値づくりの研究開発におけるオープン・イノベーション 研究テーマの多様な情報源(その17)

更新日

投稿日

 

企業 

 

1.「価値づくり」は自社の外から始まる  

 前回のその16に続いて解説します。「価値づくり」の大変重要なポイントは、それが自社の外、すなわち市場から始まるということです。顧客が現状に全て満足しているということはありません。なぜなら、BtoB製品であれば、顧客である企業は常に山積した課題を抱えているからです。課題のない企業などはないでしょう。なぜなら、企業経営はまさに課題解決の連続と同義であるからです。 
 BtoC製品でも同様です。人間の欲望はきりのないもので、現状に満足するということはありません皆さん、自分自身のことを考えてみればこの点はあきらかです。BtoB製品、BtoC製品両者とも、自社が提供している製品やサービスの周辺では課題や追加的な欲求が必ず存在している筈です。  
 つまり、自社の外、すなわち市場に目を向ければ、「価値づくり」の機会は、常に存在しているということです。これら課題や欲求は、涸れることのない「価値づくり」の源泉です。そのため、「価値づくり」の研究開発においては、ここを出発点とするのです。
 

2.最適な「価値づくり」を実現するために

 ここでの問題が、新たな「価値づくり」を自社の製品やサービスで実現しようと思えば、全ての経営資源が自社に存在してはいないものです。なぜなら、市場での「価値づくり」の機会は、自社の経営資源とは全く関係なく、そこに存在しているからです。もちろん、自社の経営資源で実現できる範囲での「価値づくり」をするということも、可能かもしれません。しかし、それは自ら、「価値づくり」の機会を大きく狭めてしまうもの以外のなにものでもありません。まさにこの考え方が、従来の「ものづくり」の考え方です。極論すると、自ら保有する経営資源の制約を考えることなく、市場に存在する「価値づくり」の機会に目を向け、ひたすらそこに邁進するのが「価値づくり」の基本的な考え方です。
 

3.オープン・イノベーションは「価値づくり」を実現するための重要な要素

 そうは言っても、その製品やサービスを実現できなければ絵に描いた餅です。ここで登場するのが、オープン・イノベーションです。オープン・イノベーションは、外部のアイデア・知識、技術、その他の能力を活用して、新た事業や商品を展開しようとする概念です。このオープン・イノベーションは、「価値づくり」の場で、自社の経営資源の欠落を補うという重要な機能を担ってくれます。
 

4.オープン・イノベーションのもう一つの役割

 実はオープン・イノベーション...

 

企業 

 

1.「価値づくり」は自社の外から始まる  

 前回のその16に続いて解説します。「価値づくり」の大変重要なポイントは、それが自社の外、すなわち市場から始まるということです。顧客が現状に全て満足しているということはありません。なぜなら、BtoB製品であれば、顧客である企業は常に山積した課題を抱えているからです。課題のない企業などはないでしょう。なぜなら、企業経営はまさに課題解決の連続と同義であるからです。 
 BtoC製品でも同様です。人間の欲望はきりのないもので、現状に満足するということはありません皆さん、自分自身のことを考えてみればこの点はあきらかです。BtoB製品、BtoC製品両者とも、自社が提供している製品やサービスの周辺では課題や追加的な欲求が必ず存在している筈です。  
 つまり、自社の外、すなわち市場に目を向ければ、「価値づくり」の機会は、常に存在しているということです。これら課題や欲求は、涸れることのない「価値づくり」の源泉です。そのため、「価値づくり」の研究開発においては、ここを出発点とするのです。
 

2.最適な「価値づくり」を実現するために

 ここでの問題が、新たな「価値づくり」を自社の製品やサービスで実現しようと思えば、全ての経営資源が自社に存在してはいないものです。なぜなら、市場での「価値づくり」の機会は、自社の経営資源とは全く関係なく、そこに存在しているからです。もちろん、自社の経営資源で実現できる範囲での「価値づくり」をするということも、可能かもしれません。しかし、それは自ら、「価値づくり」の機会を大きく狭めてしまうもの以外のなにものでもありません。まさにこの考え方が、従来の「ものづくり」の考え方です。極論すると、自ら保有する経営資源の制約を考えることなく、市場に存在する「価値づくり」の機会に目を向け、ひたすらそこに邁進するのが「価値づくり」の基本的な考え方です。
 

3.オープン・イノベーションは「価値づくり」を実現するための重要な要素

 そうは言っても、その製品やサービスを実現できなければ絵に描いた餅です。ここで登場するのが、オープン・イノベーションです。オープン・イノベーションは、外部のアイデア・知識、技術、その他の能力を活用して、新た事業や商品を展開しようとする概念です。このオープン・イノベーションは、「価値づくり」の場で、自社の経営資源の欠落を補うという重要な機能を担ってくれます。
 

4.オープン・イノベーションのもう一つの役割

 実はオープン・イノベーションは、もう一つの役割があります。新たな「価値づくり」の機会の発見に貢献してくれることです。定常的にオープン・イノベーションの活動を行えば、市場に(潜在的に)存在する「価値づくり」の機会を、より見つけ易くなることです。補完する知識、技術、経営資源を外部で探す活動は、それ自体で、自社の知らない情報や知識を提供し、それらを利用しての新たな「価値づくり」の機会の発見に大きな貢献してくれます。加えて、オープン・イノベーションは、自社の固定的なものの見方を継続的に壊しという、まさにイノベーションの土壌づくりにも役立つという効果を持つものです。
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
PESTEL分析 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その37)

        前回から市場の知識を得る方法として、マクロ環境分析のPESTEL分析を解説しています。今回も...

        前回から市場の知識を得る方法として、マクロ環境分析のPESTEL分析を解説しています。今回も...


人材育成の注意点 技術人材育成の進め方(その3)

       人口減少による人手不足、既存製品のコモディティ化、新技術の導入などに対応していくために、企業が...

       人口減少による人手不足、既存製品のコモディティ化、新技術の導入などに対応していくために、企業が...


コア技術の具体的獲得法  研究テーマの多様な情報源(その24)

 前回のその23に続いて解説します。オープン・イノベーションによる新コア技術獲得については、最初に核となる一部の要素技術を獲得し、その後、自社または、その...

 前回のその23に続いて解説します。オープン・イノベーションによる新コア技術獲得については、最初に核となる一部の要素技術を獲得し、その後、自社または、その...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
設計部門の仕組み改革(その3)

【設計部門の仕組み改革 連載目次】 1. システムやツールの導入を伴う設計部門の仕組み改革の進め方 2. 設計部門の仕組み改革、事例解説 3. ...

【設計部門の仕組み改革 連載目次】 1. システムやツールの導入を伴う設計部門の仕組み改革の進め方 2. 設計部門の仕組み改革、事例解説 3. ...


サブシステムの開発目標 プロジェクト管理の仕組み (その42)

 前回のその41に続いて解説します。    下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。   図78. 操作...

 前回のその41に続いて解説します。    下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。   図78. 操作...


ソフトウェア開発スケジュールと結合テスト プロジェクト管理の仕組み (その7)

 前回のその6:進捗管理可能なソフト開発計画に続いて解説します。    ソフトウェア開発スケジュールでは次のような問題を抱えています。 &...

 前回のその6:進捗管理可能なソフト開発計画に続いて解説します。    ソフトウェア開発スケジュールでは次のような問題を抱えています。 &...