内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その13)

投稿日

技術文書

 

「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」を以下に示します。今回も、ルール1(冒頭に書く)・「書き方1:要点を冒頭に書く」の使い方の解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その12)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「構成を考える」と「書き方1:要点を冒頭に書く」の組み合わせ

「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その9)」の中で、「メールを書くときにもメールの構成を考えます」と書きました(書き方の第2原則)。そこで、「メールの構成を考える」と「書き方1」の組み合わせについて解説します。

 

例えば、ある社員が上司に以下のようなメールを書いたとします。

 

【メールのパターンⅠ】

昨日A社に、我社の〇〇管理システムの導入を提案しました。その打ち合わせ結果を報告します。

「A社のような規模や事業内容で〇〇管理システムを導入した場合の具体的な効果と具体的な管理コストの削減額を確認したうえで導入するかどうかを決定する」とのことだった。
「今週の木曜日の17時までに、効果と削減額をA社の山田部長までメールで送って欲しい」との指示があった。
〇月〇日の10時からA社で行う次回の打ち合わせでA社の結論を話す。

以 上

 

ここで、メールの構成を考えて書くと以下のようになります。

 

【メールのパターンⅡ】

昨日A社に、我社の〇〇管理システムの導入を提案しました。その打ち合わせ結果を報告します。

1.打ち合わせでの結論

〇〇管理システムの導入に関する結論は出なかった。A社のような規模や事業内容で〇〇管理システムを導入した場合の具体的な効果と具体的な管理コストの削減額を確認したうえで導入するかどうかを決定する。

2.打ち合わせでの指示事項

今週の木曜日の17時までに、効果と削減額をA社の山田部長までメールで送る。

3.今後の予定

〇月〇日の10時からA社で行う次回の打ち合わせでA社の結論を話す。

以 上

 

パターンⅡの場合、メールで伝える内容を「1.打ち合わせでの結論」、「2.打ち合わせでの指示事項」および「3.今後の予定」の3つの項目に区分しました。また、書き方1を使って、メールの要点(打ち合わせでの要点=打ち合わせでの結論)を...

技術文書

 

「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」を以下に示します。今回も、ルール1(冒頭に書く)・「書き方1:要点を冒頭に書く」の使い方の解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その12)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「構成を考える」と「書き方1:要点を冒頭に書く」の組み合わせ

「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その9)」の中で、「メールを書くときにもメールの構成を考えます」と書きました(書き方の第2原則)。そこで、「メールの構成を考える」と「書き方1」の組み合わせについて解説します。

 

例えば、ある社員が上司に以下のようなメールを書いたとします。

 

【メールのパターンⅠ】

昨日A社に、我社の〇〇管理システムの導入を提案しました。その打ち合わせ結果を報告します。

「A社のような規模や事業内容で〇〇管理システムを導入した場合の具体的な効果と具体的な管理コストの削減額を確認したうえで導入するかどうかを決定する」とのことだった。
「今週の木曜日の17時までに、効果と削減額をA社の山田部長までメールで送って欲しい」との指示があった。
〇月〇日の10時からA社で行う次回の打ち合わせでA社の結論を話す。

以 上

 

ここで、メールの構成を考えて書くと以下のようになります。

 

【メールのパターンⅡ】

昨日A社に、我社の〇〇管理システムの導入を提案しました。その打ち合わせ結果を報告します。

1.打ち合わせでの結論

〇〇管理システムの導入に関する結論は出なかった。A社のような規模や事業内容で〇〇管理システムを導入した場合の具体的な効果と具体的な管理コストの削減額を確認したうえで導入するかどうかを決定する。

2.打ち合わせでの指示事項

今週の木曜日の17時までに、効果と削減額をA社の山田部長までメールで送る。

3.今後の予定

〇月〇日の10時からA社で行う次回の打ち合わせでA社の結論を話す。

以 上

 

パターンⅡの場合、メールで伝える内容を「1.打ち合わせでの結論」、「2.打ち合わせでの指示事項」および「3.今後の予定」の3つの項目に区分しました。また、書き方1を使って、メールの要点(打ち合わせでの要点=打ち合わせでの結論)をメールの冒頭に書き、結論に関する説明をその後に書きました。

 

パターンⅡのようにメールの構成を考えること、書き方1を使って書くことでメールの内容が明確に伝わります。

 

次回に続きます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
音声のコミュニケーションには、大切な意味がある

  私は、メールやチャットでのコミュニケーションは、どうも苦手です。できるだけ、面と向かって話をしたり、電話で会話をするようにしていますが...

  私は、メールやチャットでのコミュニケーションは、どうも苦手です。できるだけ、面と向かって話をしたり、電話で会話をするようにしていますが...


OJTでは、教える側に対する教育が大切 効果的な教育研修の進め方(その2)

 OJT(On the Job Training)とは、仕事を通じて社員の能力開発を図るものですから、人材育成の中で、最も大切であり効果をあげやすいもので...

 OJT(On the Job Training)とは、仕事を通じて社員の能力開発を図るものですから、人材育成の中で、最も大切であり効果をあげやすいもので...


製造業の競争力強化に向けた人材育成のエキスパートガイド

  【目次】 1. 人材育成の目的 1.1 人材育成の重要性と中小製造業への影響 人材育成は中小製造業にとって競争力...

  【目次】 1. 人材育成の目的 1.1 人材育成の重要性と中小製造業への影響 人材育成は中小製造業にとって競争力...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
「やろうと思っているけどできないことばかり」の克服(その5)

    前回は、やる気を起こすにはとにかく行動することが大切で、行動を起こすための工夫をいくつか紹介しました。やろうと思ってで...

    前回は、やる気を起こすにはとにかく行動することが大切で、行動を起こすための工夫をいくつか紹介しました。やろうと思ってで...


製造業の価格交渉とは (タフネゴシエーターの名言)(その1)

        常々、私が思っていることですが、どんなに高く苦労してモノにした技術であっても、それを高く売る...

        常々、私が思っていることですが、どんなに高く苦労してモノにした技術であっても、それを高く売る...


‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その45)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...