文書の内容の伝わり方 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その28)

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技術文書

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今回は、「ルール6:明確に伝わる文を書く」の中の「書き方15:能動態の文を書く」に関する補足解説です。「文の書き方で内容の伝わり方が変わる」という内容です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その27)へのリンク】 

 

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1.書き方15:能動態の文を書く

書き方15:能動態の文を書く」とは、書き手が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」を書く場合には能動態の文を書くことです。以下の文を比べてください。なお、この文の内容はこの文の書き手が考えたこととします。

 

  • Ⅰ:この交差点では、歩行者と左折者との接触事故が多発している。そこで、この交差点を、スクランブル交差点に改良する必要があると考えられた。
  • Ⅱ:この交差点では、歩行者と左折者との接触事故が多発している。そこで、この交差点を、スクランブル交差点に改良する必要があると私は考えた。

 

Ⅰの文のように、「考えられた」と受動態で書いてある文を読むと、自分の考えを明確に言い切ることを避けているように受け取れます。また、自分の考えに自信がないように受け取れます。このように、受動態で書くと内容がぼんやりとするため文の内容が明確に伝わりません。

 

Ⅱの文のように、「私は考えた」と能動態で書いてある文を読むと、自分の考えを明確に言い切る姿勢や自分の考えに対する自信が読み取れます。このように、能動態で書くと文の内容が明確に伝わります。

 

このように、書き手が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」を書く場合、受動態で書くのと能動態で書くのでは内容の伝わり方が変わります。

 

Ⅱの文では、「私は」という文の主語を書きました。日本語では文を読んだ場合、文の主語がわかるときにはその主語が省略できます。したがって、この文の場合には、主語(私は)が省略できます。しかし、「私は考えた」と書くことで文の主語が明確になります。また、「私は・・・」と書くことで自分が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」であることを強調できます。

 

この他、「書き方17:肯定...

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◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

今回は、「ルール6:明確に伝わる文を書く」の中の「書き方15:能動態の文を書く」に関する補足解説です。「文の書き方で内容の伝わり方が変わる」という内容です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その27)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.書き方15:能動態の文を書く

書き方15:能動態の文を書く」とは、書き手が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」を書く場合には能動態の文を書くことです。以下の文を比べてください。なお、この文の内容はこの文の書き手が考えたこととします。

 

  • Ⅰ:この交差点では、歩行者と左折者との接触事故が多発している。そこで、この交差点を、スクランブル交差点に改良する必要があると考えられた。
  • Ⅱ:この交差点では、歩行者と左折者との接触事故が多発している。そこで、この交差点を、スクランブル交差点に改良する必要があると私は考えた。

 

Ⅰの文のように、「考えられた」と受動態で書いてある文を読むと、自分の考えを明確に言い切ることを避けているように受け取れます。また、自分の考えに自信がないように受け取れます。このように、受動態で書くと内容がぼんやりとするため文の内容が明確に伝わりません。

 

Ⅱの文のように、「私は考えた」と能動態で書いてある文を読むと、自分の考えを明確に言い切る姿勢や自分の考えに対する自信が読み取れます。このように、能動態で書くと文の内容が明確に伝わります。

 

このように、書き手が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」を書く場合、受動態で書くのと能動態で書くのでは内容の伝わり方が変わります。

 

Ⅱの文では、「私は」という文の主語を書きました。日本語では文を読んだ場合、文の主語がわかるときにはその主語が省略できます。したがって、この文の場合には、主語(私は)が省略できます。しかし、「私は考えた」と書くことで文の主語が明確になります。また、「私は・・・」と書くことで自分が「考えたこと・判断したこと・思ったこと」であることを強調できます。

 

この他、「書き方17:肯定文を書く」の使用の有無でも内容の伝わり方が変わります。「文の書き方で内容の伝わり方が変わる」ということを認識して技術文書を書いてください。

 

次回に続きます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

 

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この記事の著者

森谷 仁

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