流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その31)

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【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順←今回の記事
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

 

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

 実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

1. 流れをつくる生産のライン化の手順

 製品の特性に合わせたライン化の手法と、乱れた流れを整えていくための3ステップ。前回に続けて解説します。

◆ 工程経路図で中少量品種をグルーピングする

 P-Q分析の結果、中少量(B)に分類された品目は、そのままでは専用ラインを組むことができず、かといって、そのつど汎用のラインを組むにはムダが多すぎます。そこで、共通する工程をたどるものがあれば、グループにまとめて1本のラインにできないかを考えます。

 グループ・テクノロジー(G/T=GroupTechnology)は、加工方法が共通するものでグループをつくる方法で、そのグルーピングのために使うのが「工程経路図」です。品目別のモノの流れと工程の関係を明らかにし、同一の工程をたどる品目を洗い出す分析に有効です。

◆ 工程経路図の作成手順

手順1.「工程経路図」の作成

  • ① 工程名・機械No.柵にすべての工程名と機械を工程の順に記入する。
  • ② 品名柵に、対象品名を順に記入する。
  • ③ 品目ごとに、工程の順序に従って使用する工程や機械の欄に、手順の番号を記入し、番号順に線でつなぐ。

手順2.ライン化構想

 同一の工程順序を持つ品目、または、類似経路を持つ品目はないか探し、同じラインに集約できないか考える。下図のケースでは1と2, 4と5を同じラインにすることができる。

手順...

 

 

【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順←今回の記事
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

 

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

 実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

1. 流れをつくる生産のライン化の手順

 製品の特性に合わせたライン化の手法と、乱れた流れを整えていくための3ステップ。前回に続けて解説します。

◆ 工程経路図で中少量品種をグルーピングする

 P-Q分析の結果、中少量(B)に分類された品目は、そのままでは専用ラインを組むことができず、かといって、そのつど汎用のラインを組むにはムダが多すぎます。そこで、共通する工程をたどるものがあれば、グループにまとめて1本のラインにできないかを考えます。

 グループ・テクノロジー(G/T=GroupTechnology)は、加工方法が共通するものでグループをつくる方法で、そのグルーピングのために使うのが「工程経路図」です。品目別のモノの流れと工程の関係を明らかにし、同一の工程をたどる品目を洗い出す分析に有効です。

◆ 工程経路図の作成手順

手順1.「工程経路図」の作成

  • ① 工程名・機械No.柵にすべての工程名と機械を工程の順に記入する。
  • ② 品名柵に、対象品名を順に記入する。
  • ③ 品目ごとに、工程の順序に従って使用する工程や機械の欄に、手順の番号を記入し、番号順に線でつなぐ。

手順2.ライン化構想

 同一の工程順序を持つ品目、または、類似経路を持つ品目はないか探し、同じラインに集約できないか考える。下図のケースでは1と2, 4と5を同じラインにすることができる。

手順3.課題を検討する

  • 部品・治工具が共通化できないか
  • 設備の小型化ができないか
  • 移動可能な設備に変えられないか
  • ワンタッチ切り替えができないか

 

JIT

図.「工程経路図」の作成例(一部)

 

 次回に続きます。

 

 【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

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この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

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