カザフスタンでの『カイゼン』と『リーン生産』

 
 縁あってJICAのカザフスタン日本人材開発センター(KJC)の専門家として、生産品質管理の指導をしてきました。一方、カザフスタンでは、欧州系銀行のロシア専門家による、KAIZEMやToyota Wayの露語版を使った支援が個別企業に入り込んでいます。日本の専門家による支援が入り込めていないのは残念至極、ということで今回チャレンジしました。
 
 アルマティのS電気(電力用のメーターなど各種機器製造)は、昨年、製造業の実態調査で訪問した際に古い事務所と工場をリノベーションし古い機械を大事に使う中で、YAMAHAの実装機を導入しプラスティック成型の金型も自製しており、見込みアリと値踏みした会社です。ヒアリング中に、ある国のコンサルタントから、カイゼンとリーン生産の研修を受けて作ったという長さ4mの組立職場の流れ分析図(写真5)を誇らしげに見せられ、ウーンとうなってしまいました。そのコンサルがその後は来ていないということでしたので、何とかKJCが入り込めないかと社内研修の売り込みをかけたが、なかなかいい返事が貰えませんでした。KJCに諦めずにアタックし続けてもらい、今回の社内研修が実現したわけです。
 
                         
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 内容は、「リーン生産の理論を教えて欲しい。後は自分達で実践するから」、とうことでした。理論よりも実践が大事なのですが、先方の要求に合せて理論の資料を準備して望みました。2日間の理論の後で、実践に結び付けるため実践的5Sを入れて(普通の5Sではなく筆者が工夫した実践的なもの)、リーン生産の基本である“流れる生産”について、理解してもらうようにしました。古手の部長が、分ったということになったので、別途、2日間の日程を取って現場で試行することにしました。
 
 以下の写真をご覧下さい。山積みの仕掛り(写真6)、必要限度以上の仕掛りへの黄色作戦、作業の負荷バランスを取って仕掛りを10個以内にしてすっきりした“流れる生産”の体験(写真7)。「後工程引取り」とか、ある国のコンサルタントタントに教わったが、実際作業者は仕掛りが一杯あった方が能率が上がると信じ込んで、仕掛りに囲まれて安心して作業する習慣を止めようとはしなかった。この状況を、部長も課長も「どうしようもないと諦めていた」ということでした。
 
                          
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 しかし今回、目の前でやってみて、“流れる生産”とはどういうことで、どうしたら良いのかがよく分った、という(写真8)ことです。 “なんてことはない”、極意は“コロンブスの卵”なのです。
 
                        
pj2
 
                       
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 なおカザフスタンでは、2014年からトヨタが現地S社の工場でフォーチューンのCKD生産を開始して、本物のリーン生産が芽生え始めたところです。この機会を捉えてKJCを通じて日本とカザフスタンのために貢献したいと思っています。
 

この記事の著者

鈴木 甫

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