流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その60)

JIT

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その59)へのリンク】

【実践編 第3章目次】

第3章 平準化で生産の波を小さくする

1. 生産を平準化する
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須
3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ←今回の記事

 

第3章 平準化で生産の波を小さくする

「平準化」は、生産の波を小さくする改革であるとともに、需要と供給を一致させる生産のしくみづくりです。この章では「生産計画の平準化」「段取り替え改革」「品質保証とポカヨケ」について説明します。

3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ

品質を保証する品質管理の技術。不良を出さない.出せないしくみをつくる。

【不良ゼロを実現する実行手順】

(3)不良ゼロの3原則

作業者は、決して不良をつくろうと思って、つくるわけではありません。また、生産段階では、不良とは気づかずにつくっています。あくまでも、本人は良品をつくっているつもりなのです。ところが、寸法が違っていたり、ワークが逆さだったり、治具を間違えたりして、不良品ができてしまう。でも、それに気づくのは、顧客や後工程などがそれを使ったときなのです。

 

不良を使ってみて初めて、使えない、または、使いにくいことが判明する。不良品だとわかるのです。部品などをつくっている場合は、不良が判明するまでに、かなりの時間がかかることもあります。

 

このように、不良は、加工が施された瞬間に、すでに存在しているのですが、そのままでは不良と認知されません。完成品が使われて初めて不良が判明する。つまり、不良はつくったときに潜在化し(潜在不良)、使ったときに顕在化(顕在不良)するのです。

 

検査の充実は、たしかに高い壁をつくることで、不良流出の防止と、クレーム件数減少効果はあるかもしれません。しかし、それは不良の顕在化を少し早めただけで、潜在不良を減少させる決定打とはなりません。検査は原点的対処とはいいがたいのです。

 

それでは、どのようにすればいいのでしょうか。そのための対策は、「不良ゼロの3原則」にあります。

 

【原則1】購入しない.つくらない -ジャストインタイム

よけいなモノを購入したり、つくったりすると不良が出てしまうのなら、いっそのこと、開き直って、購入しない、つくらないのが一番です。使川者である顧客や後工程が必要な分だけつくればいのです。まさに、ジャスト ・イン・タイム!

 

余分なモノをつくると、停滞して在庫となります。在庫になれば、積み替えや運搬が発生し、積み替えや運搬をすれば、キズや打痕が増える要因になります。いいことはありません。このようなつくりすぎを防ぐためには、平準化生産・引っ張り生産・かんばん・ 1個流し・サイクルストップ方式などが有効です。不要なモノがつくれないしくみを導入するのです。

 

【原則2】使い勝手でつくる -源流検査

つくらないことが、不良ゼロの特効薬ではありますが、現実的には、モノをまったくつくらないわけにはいきません。

 

そこで、必要最少限のモノをつくるようにすれば、仮に、不良が出ても、最少限の範囲ですみます。しかし、必要最少限であっても、不良を出すのはいやなものです。ひとつも不良をつくりたくないとすれば、つくるときに、そのモノを使うときのこと、つまり、使い勝手を意識すればよいのです。

 

「不良を見つける名人」のノウハウを入れ込み、モノ...

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【実践編 第3章目次】

第3章 平準化で生産の波を小さくする

1. 生産を平準化する
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須
3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ←今回の記事

 

第3章 平準化で生産の波を小さくする

「平準化」は、生産の波を小さくする改革であるとともに、需要と供給を一致させる生産のしくみづくりです。この章では「生産計画の平準化」「段取り替え改革」「品質保証とポカヨケ」について説明します。

3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ

品質を保証する品質管理の技術。不良を出さない.出せないしくみをつくる。

【不良ゼロを実現する実行手順】

(3)不良ゼロの3原則

作業者は、決して不良をつくろうと思って、つくるわけではありません。また、生産段階では、不良とは気づかずにつくっています。あくまでも、本人は良品をつくっているつもりなのです。ところが、寸法が違っていたり、ワークが逆さだったり、治具を間違えたりして、不良品ができてしまう。でも、それに気づくのは、顧客や後工程などがそれを使ったときなのです。

 

不良を使ってみて初めて、使えない、または、使いにくいことが判明する。不良品だとわかるのです。部品などをつくっている場合は、不良が判明するまでに、かなりの時間がかかることもあります。

 

このように、不良は、加工が施された瞬間に、すでに存在しているのですが、そのままでは不良と認知されません。完成品が使われて初めて不良が判明する。つまり、不良はつくったときに潜在化し(潜在不良)、使ったときに顕在化(顕在不良)するのです。

 

検査の充実は、たしかに高い壁をつくることで、不良流出の防止と、クレーム件数減少効果はあるかもしれません。しかし、それは不良の顕在化を少し早めただけで、潜在不良を減少させる決定打とはなりません。検査は原点的対処とはいいがたいのです。

 

それでは、どのようにすればいいのでしょうか。そのための対策は、「不良ゼロの3原則」にあります。

 

【原則1】購入しない.つくらない -ジャストインタイム

よけいなモノを購入したり、つくったりすると不良が出てしまうのなら、いっそのこと、開き直って、購入しない、つくらないのが一番です。使川者である顧客や後工程が必要な分だけつくればいのです。まさに、ジャスト ・イン・タイム!

 

余分なモノをつくると、停滞して在庫となります。在庫になれば、積み替えや運搬が発生し、積み替えや運搬をすれば、キズや打痕が増える要因になります。いいことはありません。このようなつくりすぎを防ぐためには、平準化生産・引っ張り生産・かんばん・ 1個流し・サイクルストップ方式などが有効です。不要なモノがつくれないしくみを導入するのです。

 

【原則2】使い勝手でつくる -源流検査

つくらないことが、不良ゼロの特効薬ではありますが、現実的には、モノをまったくつくらないわけにはいきません。

 

そこで、必要最少限のモノをつくるようにすれば、仮に、不良が出ても、最少限の範囲ですみます。しかし、必要最少限であっても、不良を出すのはいやなものです。ひとつも不良をつくりたくないとすれば、つくるときに、そのモノを使うときのこと、つまり、使い勝手を意識すればよいのです。

 

「不良を見つける名人」のノウハウを入れ込み、モノをつくるしくみのなかに、「使い勝手のしくみ」を組み込むのです。「不良を見つける名人」とは、そのモノを使う人です。

 

このような、使い勝手のしくみにするには、「源流検査」が必要です。源流検査とは、生産に使用する部品や作業指示書の段階で、不良やミスをチェックするしくみです。その方法として、 自働化・ポカヨケ・サイクルストップ方式・標準化・目と耳による管理・アンドンなどを仕込む方法が考えられます。

 

次回は、【原則3】です。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

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この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

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