流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その53)

投稿日

JIT

 

【この連載の前回へのリンク】

【実践編 第3章目次】

第3章 平準化で生産の波を小さくする

1. 生産を平準化する
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須←今回の記事
3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ

 

第3章 平準化で生産の波を小さくする

「平準化」は、生産の波を小さくする改革であるとともに、需要と供給を一致させる生産のしくみづくりです。この章では「生産計画の平準化」「段取り替え改革」「品質保証とポカヨケ」について説明します。

2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須

多品種化に対応するほど段取り替えは頻発する。改革のポイントは段取り時間と5つの定石。

(4)段取り替え改革の実行手順

 

JIT

 

●内段取り時間

現在の加工が終わった時点から、機械を止めて、段取り替えをして、次の加工をして最初の良品が出るまでの時間で、機械がワークに付加価値を付けていない時間。

 

●外段取り時間

機械が稼働しているうちに、機械の外で段取り替えのための前準備、後片付けをしている時間。つまり、機械を止めずにできる作業の時間。

 

したがって、段取り替え改革・改善を行なう場合には、内段取りだけでなく、外段取りの改革・改善も行ない、 トータルの段取り替え時間を短縮することが重要です。

 

(5)段取り替え改革5つの定石

大量生産時代の生産技術者の常識は、「段取り替え(切り替え)はなるべくしない」というものでした。しかし、市場ニーズが変化し、多品種少量、短納期に対応するために、頻繁に段取り替えをせざるをえません。

 

そのため、工場では、できるだけ効率的に段取り替えをするための改革・改善に取り組み、そのなかから、いくつかの定石といえるやり方が生まれました。これが、次回から解説する「段取り...

JIT

 

【この連載の前回へのリンク】

【実践編 第3章目次】

第3章 平準化で生産の波を小さくする

1. 生産を平準化する
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須←今回の記事
3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ

 

第3章 平準化で生産の波を小さくする

「平準化」は、生産の波を小さくする改革であるとともに、需要と供給を一致させる生産のしくみづくりです。この章では「生産計画の平準化」「段取り替え改革」「品質保証とポカヨケ」について説明します。

2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須

多品種化に対応するほど段取り替えは頻発する。改革のポイントは段取り時間と5つの定石。

(4)段取り替え改革の実行手順

 

JIT

 

●内段取り時間

現在の加工が終わった時点から、機械を止めて、段取り替えをして、次の加工をして最初の良品が出るまでの時間で、機械がワークに付加価値を付けていない時間。

 

●外段取り時間

機械が稼働しているうちに、機械の外で段取り替えのための前準備、後片付けをしている時間。つまり、機械を止めずにできる作業の時間。

 

したがって、段取り替え改革・改善を行なう場合には、内段取りだけでなく、外段取りの改革・改善も行ない、 トータルの段取り替え時間を短縮することが重要です。

 

(5)段取り替え改革5つの定石

大量生産時代の生産技術者の常識は、「段取り替え(切り替え)はなるべくしない」というものでした。しかし、市場ニーズが変化し、多品種少量、短納期に対応するために、頻繁に段取り替えをせざるをえません。

 

そのため、工場では、できるだけ効率的に段取り替えをするための改革・改善に取り組み、そのなかから、いくつかの定石といえるやり方が生まれました。これが、次回から解説する「段取り替え改革5つの定石」です。ここでもゼロ思考で改革を進めます。

 

次回は、段取り替え改革5つの定石の前提:5S・3定から、解説を行います。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

   続きを読むには・・・


この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!


「トヨタ生産方式」の他のキーワード解説記事

もっと見る
革新の壁を“超える”トヨタ方式の本質

 トヨタ方式は一般的に、「なぜなぜ分析、かんばん、アンドン、ジャスト・イン・タイム、自働化」などで知られていますが、これらはあくまでトヨタ方式を構成するサ...

 トヨタ方式は一般的に、「なぜなぜ分析、かんばん、アンドン、ジャスト・イン・タイム、自働化」などで知られていますが、これらはあくまでトヨタ方式を構成するサ...


流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その60)

  【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その59)へのリンク】 【実践編 第3章目次】 第3章 平準化で生産の波を...

  【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その59)へのリンク】 【実践編 第3章目次】 第3章 平準化で生産の波を...


7つのムダはトヨタ生産方式の原点

1.トヨタ生産方式とは  トヨタは世界で最も多くの自動車を生産し、日本一売上の多い企業ですから、どんな仕組みなのか誰もが気になります。そこで「いわゆるト...

1.トヨタ生産方式とは  トヨタは世界で最も多くの自動車を生産し、日本一売上の多い企業ですから、どんな仕組みなのか誰もが気になります。そこで「いわゆるト...


「トヨタ生産方式」の活用事例

もっと見る
[エキスパート会員インタビュー記事]食品業界の改善活動から始まった多面的な改善アプローチ(小松 加奈 氏)

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...


回転ずしに見るサプライチェーン

 寿司職人がにぎるカウンター方式のにぎり寿司は、需要予測によってあらかじめ用意されたシャリとネタをバッファ(在庫)として持ち、実需(オーダー)によってネタ...

 寿司職人がにぎるカウンター方式のにぎり寿司は、需要予測によってあらかじめ用意されたシャリとネタをバッファ(在庫)として持ち、実需(オーダー)によってネタ...


トヨタ生産方式を賢く応用するKnow Why -シンガポールでの事例-

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...