流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その45)

投稿日

 

 

【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する←今回の記事

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

かんばんは、モノの管理と作業指示のためのしくみです。わかりやすい「目で見る管理」にも有効です。

 

JIT

図.かんばんの種類

 

◆かんばんの運用手順

前回の(1)かんばんの種類に続けて、解説します。

(2)かんばん導入のために生産計画の平準化を図る

かんばんは、安定した一定の繰り返し作業が行なわれる、標準化された生産現場で運用されることで、効率のよい生産を維持するのに有効です。そのため、生産計画の段階で、製品の品種と数量の徹底した平均化が行なわれます。

 

(3)かんばんの枚数を決める

かんばんの導入が決まったら枚数を決定し、その枚数で運用・管理します。かんばん枚数の計算のしかたは次の通りです。

  •  かんばんの枚数=日当たり数量×(リードタイム+安全日数)/パレット収容数
  •  日当たり数量   =月数最/稼働日数
  •  リードタイム   =生産リードタイム(加工時間十停滞時間)+かんばん回収リードタイム
  • 安全日数:ゼロもしくはなるべく少なく
  • パレット収容数:収容数はなるべく小さく、かつ納入回数を増やす


なお、一品受注生産で繰り返しがない工場の場合、かんばんは、当然、生産指示を出す「指示かんばん」 1枚になります。

 

その工程の完了品置き場の数を2つ、または3つなどと決めておき、後工程がその置き場から品物を引き取った場合、引き取られた置き場数だけ、生産指示するようにします。これは、どこに、何...

 

 

【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する←今回の記事

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

かんばんは、モノの管理と作業指示のためのしくみです。わかりやすい「目で見る管理」にも有効です。

 

JIT

図.かんばんの種類

 

◆かんばんの運用手順

前回の(1)かんばんの種類に続けて、解説します。

(2)かんばん導入のために生産計画の平準化を図る

かんばんは、安定した一定の繰り返し作業が行なわれる、標準化された生産現場で運用されることで、効率のよい生産を維持するのに有効です。そのため、生産計画の段階で、製品の品種と数量の徹底した平均化が行なわれます。

 

(3)かんばんの枚数を決める

かんばんの導入が決まったら枚数を決定し、その枚数で運用・管理します。かんばん枚数の計算のしかたは次の通りです。

  •  かんばんの枚数=日当たり数量×(リードタイム+安全日数)/パレット収容数
  •  日当たり数量   =月数最/稼働日数
  •  リードタイム   =生産リードタイム(加工時間十停滞時間)+かんばん回収リードタイム
  • 安全日数:ゼロもしくはなるべく少なく
  • パレット収容数:収容数はなるべく小さく、かつ納入回数を増やす


なお、一品受注生産で繰り返しがない工場の場合、かんばんは、当然、生産指示を出す「指示かんばん」 1枚になります。

 

その工程の完了品置き場の数を2つ、または3つなどと決めておき、後工程がその置き場から品物を引き取った場合、引き取られた置き場数だけ、生産指示するようにします。これは、どこに、何を、いくつ置くかを指示する「置き場かんばん」であると同時に、一品受注生産の工場でも、後工程の引っ張り生産が可能なことを示しています。

 

次回に続きます。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!


「トヨタ生産方式」の他のキーワード解説記事

もっと見る
基本的な考え方 ジャスト・イン・タイム生産(その7)

  【目次】 第2章 基本的な考え方を押さえておく (1) 「改革」である   「改善」と「改革」の違いとは  「自己啓発」ではなく「自己...

  【目次】 第2章 基本的な考え方を押さえておく (1) 「改革」である   「改善」と「改革」の違いとは  「自己啓発」ではなく「自己...


:リードタイム短縮はムダ取りから始める JIT(その9)

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...


改革サイクル編 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その85)

  第3部 ジャスト・イン・タイム生産:改革サイクル編 ジャスト・イン・タイムを導入するにはどうすればいいのでしょうか?どのように始め、...

  第3部 ジャスト・イン・タイム生産:改革サイクル編 ジャスト・イン・タイムを導入するにはどうすればいいのでしょうか?どのように始め、...


「トヨタ生産方式」の活用事例

もっと見る
見込み生産と受注組立(MTSとBTO)の対比

 今回は代表的な生産方式である見込み生産(MTS:メイク・ツー・ストック)と受注組立(BTO:ビルド・ツー・オーダー)の両者を、乗り物に喩えて比較してみよ...

 今回は代表的な生産方式である見込み生産(MTS:メイク・ツー・ストック)と受注組立(BTO:ビルド・ツー・オーダー)の両者を、乗り物に喩えて比較してみよ...


現場ムダ取りのはじめ方(書き起こし記事)

概要:従来から生産性を向上させる手法として用いられているインダストリアル・エンジニアリング(IE)。このセミナーではIEを知らない方でもIEに準拠した...

概要:従来から生産性を向上させる手法として用いられているインダストリアル・エンジニアリング(IE)。このセミナーではIEを知らない方でもIEに準拠した...


トヨタ生産方式を賢く応用するKnow Why -シンガポールでの事例-

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...