流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その44)

投稿日

 

 

【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する←今回の記事

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

かんばんは、モノの管理と作業指示のためのしくみです。わかりやすい「目で見る管理」にも有効です。

 

◆かんばんの運用手順

(1)かんばんの種類

かんばんは、機能や用途により次の4種類に分けられます。

 

(種類1)外注部品納入かんばん

一般に 「納入かんばん」と呼ばれ、組立ラインのように、数多くの部品をラインに引き取る場合に用います。とくに、外注メーカーからの引き取り部品に用いられます。

 

JIT

図.かんばんの種類

 

(種類2)工程間引き取りかんばん

組立ラインでは、場内工程部品も使用します。この部品を引き取るために使うもので、通常 「引き取りかんばん」と略して呼ばれます。単一部品を要求するかんばんもあれば、組立で使用する順序に部品を並べる「順序引き取りかんばん」もあります。

また、プレート状のもののほか、箱を使用した「箱かんばん」や、台車を使用した「台車かんばん」などもあります。

 

(種類3)かんばん(狭義)

工程内で作業を仕掛けるために用いるかんばんで、一般に「かんばん」というと、この狭義のかんばんを指します。このかんばんは、専用ラインや、汎用ラインでも切り替え時間がほとんど無視できるくらいの工程への作業指示に用いられます。

 

(種類4)信号かんばん

プレスなどのような機械職場は、ライン化が難しいためロット生産を行なっており、段取り替えをして多品種のモノを加工しますが、段取り時間が多少必要となります。このような場合...

 

 

【実践編 第2章目次】

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

1. 流れをつくる生産のライン化の手順
2. 多工程持ちで少人化を実現させる
3. 少人化で生産ラインを効率よく、柔軟にする
4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する←今回の記事

第2章 流れ生産で工場に流れをつくる

実践編 第2章から、JIT改革の具体的な実践手法についての解説に入ります。「流れ生産」は、職場や現場に流れをつくる改革です。「流れ生産」「少人化」「かんばん」の3つの手法を取り上げます。

4. かんばんのしくみで引っ張り生産に転換する

かんばんは、モノの管理と作業指示のためのしくみです。わかりやすい「目で見る管理」にも有効です。

 

◆かんばんの運用手順

(1)かんばんの種類

かんばんは、機能や用途により次の4種類に分けられます。

 

(種類1)外注部品納入かんばん

一般に 「納入かんばん」と呼ばれ、組立ラインのように、数多くの部品をラインに引き取る場合に用います。とくに、外注メーカーからの引き取り部品に用いられます。

 

JIT

図.かんばんの種類

 

(種類2)工程間引き取りかんばん

組立ラインでは、場内工程部品も使用します。この部品を引き取るために使うもので、通常 「引き取りかんばん」と略して呼ばれます。単一部品を要求するかんばんもあれば、組立で使用する順序に部品を並べる「順序引き取りかんばん」もあります。

また、プレート状のもののほか、箱を使用した「箱かんばん」や、台車を使用した「台車かんばん」などもあります。

 

(種類3)かんばん(狭義)

工程内で作業を仕掛けるために用いるかんばんで、一般に「かんばん」というと、この狭義のかんばんを指します。このかんばんは、専用ラインや、汎用ラインでも切り替え時間がほとんど無視できるくらいの工程への作業指示に用いられます。

 

(種類4)信号かんばん

プレスなどのような機械職場は、ライン化が難しいためロット生産を行なっており、段取り替えをして多品種のモノを加工しますが、段取り時間が多少必要となります。このような場合、ある大きさのロットをつくる生産指示が必要となります。これが信号かんばんです。

なお、「ロット」とは1回の生産のサイズを指し、「基準数」とは信号かんばんを仕掛ける位置の数を示しています。

 

次回に続きます。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!


「トヨタ生産方式」の他のキーワード解説記事

もっと見る
保全安全の取り組み 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その76)

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...


目で見る管理 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その82)

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...


流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その62)

  【実践編 第3章目次】 第3章 平準化で生産の波を小さくする 1. 生産を平準化する2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須3....

  【実践編 第3章目次】 第3章 平準化で生産の波を小さくする 1. 生産を平準化する2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須3....


「トヨタ生産方式」の活用事例

もっと見る
トヨタ生産方式の導入はなぜ難しい

  1、トヨタ生産方式:高いハードル  トヨタ生産方式(TPS=Toyota Production Sysytem) は実によく話題にな...

  1、トヨタ生産方式:高いハードル  トヨタ生産方式(TPS=Toyota Production Sysytem) は実によく話題にな...


現場ムダ取りのはじめ方(書き起こし記事)

概要:従来から生産性を向上させる手法として用いられているインダストリアル・エンジニアリング(IE)。このセミナーではIEを知らない方でもIEに準拠した...

概要:従来から生産性を向上させる手法として用いられているインダストリアル・エンジニアリング(IE)。このセミナーではIEを知らない方でもIEに準拠した...


トヨタ生産方式を賢く応用するKnow Why -シンガポールでの事例-

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...