製品・技術開発力強化策の事例(その32)‐5Sの推進でコストダウンを図る

1.5S導入手順

(1)5Sは何故必要なのか、5Sを実施する意義の理解に力を注ぐ

 
5s
5Sの活動目的を理解せずに形だけの整理整頓、つまり、片付け運動に終わって何処に片付けたか判らなくなり、作業性を悪くしている企業があります。そして、5S運動の目的であるムダを少なくする効果が現れていない企業もあります。5Sを実施する目的は、無数にあるムダが発生しなくなるような整理整頓の方法を工夫して定着させることであり、その結果、不良の発生も少なくなりま。形式的な5Sは従業員に苦痛を与えるだけです。
 

(2)自分の職場にどれだけ多くのムダがあるのか洗い出す

 定点観測、動線分析、話し合い等の方法で職場内にどの程度のムダがあるのか、洗い出してみます。
 

(3)5S推進の担当者を決める

 全社で5S活動を行う場合に5S委員を決めますが、委員が5Sに関する整理整頓などの役割を担うものと決めてかかり、委員でないものは知らぬ顔をしている場合もあります。つまり、委員が小使いのようになっている例が見られます。委員は委員会での決定事項を職場に伝達して、5S推進の協力を要求する事、職場内の意見を委員会に伝達して5S活動が円滑に進展する舵取りの役目をします。その様な責務があります。
 

(4)5Sの対象個所を決める

 5S推進担当者を中心にして、その職場の責任者の支援を受けながら、5Sの対象に取り上げる個所を決めます。漠然と整理整頓に取り組むような話し合いをすると参加者の意見をまとめる事が困難になります。特定の棚、特定の場所に絞り込み、どのような問題が発生しているのか「探す時間が掛りすぎる、置き場が変わり間違い易い、すぐに取り出しにくい」等の問題点を出席者全員から意見を求め、対象個所の絞込みは関係者が最も関心を持っている部分から順次取り上げます。
 

(5)5Sのル-ルを決める

 整理整頓のル-ルを決める。ル-ルを決めるに先立ち確認しておく必要のあることは、「資金をかけないで創意工夫する事、手作りに近いものを良しとする」表示法、取り出し易い置き方、必要以上に置かないように置く量の決定等のル-ルを決めます。声の高い人の意見に流されないようにして、関係者に納得の行くル-ルを決めます。ル-ルにしたがって該当の収納場所を整理する日時と役割分担を決めます。
 

(6)結果の評価を行う

 決められたル-ルにしたがって実施した経過について反省会を例月の会合で行い、問題があることが判ればル-ルの見直しを行います。ル-ルに問題はないがそれを守らない人がいることが判れば、その対策を決めます。5Sは人の行動の習慣を改める運動でもあるから、ル-ルを決めたからその通りに守られて改善が進むような簡単なものではありません。頭で判っていても体が無意識のうちに今までの習慣に沿って動いてしまいます。その様なことから、気がついた人がその場で注意します。
 
 朝礼等で協力を依頼し、根気良くル-ルの定着が図られるように協力を求めていくことが大切です。気がついた人が注意することが出来にくい場合には、警告板を常設し、それに記入するようにしている企業もあります。作業員が役員のル-ル無視を警告し、役員はその警告板に反省の弁と共に今後注意します。と回答している例もあります。その企業の5Sは非常に徹底していて年々ムダが目に見えて少なくなっています。数回、注意をしただけでル-ルが守られないことを嘆いて、従業員の資質が良くないことに原因を求めている例がありますが、それらは根本的に考え方が間違っています。経営者を始めリ-ダ-の立場にある人は、辛抱強く、根気良く新しい習慣が定着するように導いていく事が大切です。5Sの活動経過を写真で掲示し年々内容が良くなっている状況を実感できるようにしている例は多く見られます。改善の経過が一目で判るように工夫することは非常に大切な意識改革の手段になります。
 

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2.事例:発生しているゴミの分析調査から改善を図る

 食品の包装資材を生産している従業員15人の企業で5S改善により、大きな成果を上げた事例です。生産されている包装資材に微小なゴミが付着し、その対策を講じる必要性が出てきました。いろいろとゴミ対策を講じたが包装資材に拡大鏡で判別出来る程度のゴミ付着が根絶しません。思いあぐねた工場長が取り上げた対策は、僅かな床の微小ゴミを集めてその分類を行う事にしました。「土、プラスチック、金属、髪の毛、紙片等」のように分類してゴミの量に関するパレ-ト図を作成し、最も発生量の多いゴミの発生源と思われる個所から順次対策を講じました。集められたゴミの観察のために職場の要所に拡大鏡を常備しました。この試みを数回行った結果、ゴミ付着による製品の不良発生率が大きく減少しました。これに意を強くした事から根気よく同じ対策を継続し、2ヶ月間でゴミ不良は根絶されました。
 

この記事の著者

新庄 秀光

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