製品・技術開発力強化策の事例(その38)‐経営方針と年次経営計画の浸透‐

 前回の事例その37に続いて解説します
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厳しい時代になり、経営行動に関するベクトルが揃っていることが非常に大切です。同じような努力とエネルギ-を費やしていながら、強い競争力を発揮している企業とあえいでいる企業の差は、経営方針とそれに基づき立案された年間計画がどの程度に社内に浸透されているのか、その徹底度の差が競争力に大きく影響しています。この浸透が図られている事を前提に次の事項を充足させる必要があります。
 
 第一に、経営方針の立案に影響する情報の提供に、どの程度、管理監督者は貢献しているのか、その点に関する問題意識があるのかです。管理監督者の報告する情報と経営者の反応、この双方向の情報処理の仕組みがル-ル化されていなければなりません。日常業務を指示された通りに無難に処理する事勿れ主義に流れることなく、報告する情報の質的向上を競い合う関係を育成するような制度が必要です。
 
 第二に、経営トップは管理監督者の報告に基づき究明する必要のある情報は、二次、三次の情報に掘り下げさせていく様に指導力を発揮する必要があります。営業担当者の報告する情報は特に重要で、顧客からの情報、競合企業の問題、クレ-ムの問題、等の処理状況は社内に迅速に伝達されることで、顧客に対する社内の意識が変わって行きます。
 
 これらの情報伝達・処理の内容が経営方針に反映され、練り上げられていくようにする事で問題の共有意識が強くなり一体感が育成されます。経営計画の担当別の展開の進め方を記述したが、このままでは担当部門の責任者の役割が明確になる程度で終わり、改善計画が職場内に浸透していく事に欠けるので、次の月度の行動内容別の行動計画に更に展開する必要があります。計画の必要性と目的を理解した上で「誰が、何時、何を、どの様に、どのような方法」を充足させた計画にします。
 
 この「月度の活動内容別の行動計画」に基き半期の行動計画が月次から週次へと展開されることで、計画が担当者の水準まで下ろされる事になり、年次経営計画が全社に浸透する事になります。このように計画の展開を図らない限り、締め切り間際になって報告しなければならないことを形式的な作文で済ますことになります。計画を展開するための手順は目標達成のために必要な要素技術・技能を更に細分化すればよいのです。実際に改善活動に取組み、その結果の成否に拘わらず教訓を導き出す事が欠かせません。そのためのチェック項目を以下に掲げます。
 
<< 改善活動の体験から教訓を学び取るためのチェックポイント >>
 
 a)改善が何故必要か目的は明確か
 b)目標値と期間は明確になっていたか
 c)改善による期待効果と改善前のコストが比較できる資料は整備されているか
 d)改善計画を立てるに必要な要素技術・技能を把握し、計画に反映したか
 e)改善の対象になる職場の人達に改善計画の概要を説明し意見を求めたか
 f)改善活動の前後にどのようなデ-タを取るのか、記録法を決めたか
 g)改善活動に参加する担当者を決め、計画の内容について意思疎通を図ったか
 h)改善活動を実施する時間帯を明確にしたか
 i)改善活動の途中でのチェック個所は決めたか
 j)実施に必要な予算は決めたか
 k)活動の過程で報・連・相をどの様にするのか決めたか
 l)活動の成果を確認する方法は妥当であったか
 m)改善の結果を定着させるための手順書を作成し、周知徹底を図ったか
 s)改善成果を実施している過程で問題点を発見した場合の訂正処置の手順は決めたか

 

この記事の著者

新庄 秀光

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