進捗管理の精度を上げる:第3回 プロジェクト管理の仕組み (その15)

更新日

投稿日

 回路図や実装図からは、端子数以外にも標準部品、後付部品、自動実装機部品などをカウントすることも可能です。図45 は、これらについて見積もり(計画)を作成し、回路図や実装図などから実績値をカウントして計画と実績の差(予実差)を時間推移にしたグラフです。このグラフでは、それぞれの値が計画値(100%)とどれだけ乖離しているのか、設計完了の予定日までに計画値に収束する傾向かどうかなどを確認し、進捗として妥当かどうかを判断することが可能です。
 
進捗管理
図45. 作業成果物の進捗グラフ例1
 
 図45 では、部品数やピン数は早い時期に計画値に近い値(100%)になっていますが、急な変化があったときなどは注意が必要です(図45 の橙色破線円の箇所など)。どのようなことが起きたのかを、進捗会議の場でしっかりと確認することになります。さらに、自動実装機部品や後付部品などは、その計画値をもとに生産技術部門が製造工程の準備を進めているはずですから、計画との乖離が大きくなる可能性がある場合は早めに生産技術部門に連絡することで、手戻り作業や対応にかかる作業を最小限に抑えることが可能になります。図45 のような進捗報告を生産技術部門などの関連部門でも参照できるようにしておくことで、開発全体で効率的な進め方が可能になるわけです。
 
進捗管理
図46. 作業成果物の進捗グラフ例2
 
 原価も作業成果物のひとつと考えることができます。図46 は部品表から部品の材料費、実装費、加工費を計算した値の時間推移をグラフにしたものです。ただし、このようなグラフを作成するには、部品ごとの材料費がデータベース化されていることや、部品の実装タイプと実装タイプごとの平均実装費(マウンターでは3円/部品など)、標準加工時間などがデータベース化されている必要があります。このような進捗報告が常に参照できるようになっていれば、原価低減の追加対策をスタートさせる必要があるかどうかの判断や、製造工程でのコスト低減依頼などの判断が容易になりますし、関連部門との調整も容易になります。
 
 今回は計画作成のための...
 回路図や実装図からは、端子数以外にも標準部品、後付部品、自動実装機部品などをカウントすることも可能です。図45 は、これらについて見積もり(計画)を作成し、回路図や実装図などから実績値をカウントして計画と実績の差(予実差)を時間推移にしたグラフです。このグラフでは、それぞれの値が計画値(100%)とどれだけ乖離しているのか、設計完了の予定日までに計画値に収束する傾向かどうかなどを確認し、進捗として妥当かどうかを判断することが可能です。
 
進捗管理
図45. 作業成果物の進捗グラフ例1
 
 図45 では、部品数やピン数は早い時期に計画値に近い値(100%)になっていますが、急な変化があったときなどは注意が必要です(図45 の橙色破線円の箇所など)。どのようなことが起きたのかを、進捗会議の場でしっかりと確認することになります。さらに、自動実装機部品や後付部品などは、その計画値をもとに生産技術部門が製造工程の準備を進めているはずですから、計画との乖離が大きくなる可能性がある場合は早めに生産技術部門に連絡することで、手戻り作業や対応にかかる作業を最小限に抑えることが可能になります。図45 のような進捗報告を生産技術部門などの関連部門でも参照できるようにしておくことで、開発全体で効率的な進め方が可能になるわけです。
 
進捗管理
図46. 作業成果物の進捗グラフ例2
 
 原価も作業成果物のひとつと考えることができます。図46 は部品表から部品の材料費、実装費、加工費を計算した値の時間推移をグラフにしたものです。ただし、このようなグラフを作成するには、部品ごとの材料費がデータベース化されていることや、部品の実装タイプと実装タイプごとの平均実装費(マウンターでは3円/部品など)、標準加工時間などがデータベース化されている必要があります。このような進捗報告が常に参照できるようになっていれば、原価低減の追加対策をスタートさせる必要があるかどうかの判断や、製造工程でのコスト低減依頼などの判断が容易になりますし、関連部門との調整も容易になります。
 
 今回は計画作成のための基準モデルの考え方について説明し、基本メトリクスセットの中の作業成果物について、基板を例にとっていくつかの進捗管理のためのグラフを紹介しました。ハードウェア開発の場合、このような進捗報告を関連部署も参照できるようにしておくことで、開発全体を効率的に進めることができるようになります。
 
 次回は、ソフトウェアについての作業成果物の進捗グラフを解説します。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
技術系ビジネスリーダー養成とは 【連載記事紹介】

  技術系ビジネスリーダー養成の連載全てが無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=技術者がリードすべき重要な...

  技術系ビジネスリーダー養成の連載全てが無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=技術者がリードすべき重要な...


アイディアの種の蓄積 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その20)

       ◆ アイディアの種を簡単に蓄積する「写真メモ」とは    今回は「アイディアの種...

       ◆ アイディアの種を簡単に蓄積する「写真メモ」とは    今回は「アイディアの種...


『価値づくり』の研究開発マネジメント (その7)

 前回は、「技術を目いっぱい拡大」に関する活動の中でコア技術について、解説しました。今回は、企業にとってオープンイノベーションを進めるに当たり、コア技術が...

 前回は、「技術を目いっぱい拡大」に関する活動の中でコア技術について、解説しました。今回は、企業にとってオープンイノベーションを進めるに当たり、コア技術が...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
生産性向上の鍵、イノベーションへの挑戦

 今回は、マクロ的な視点でみたイノベーションの意味について、解説します。2016年は、グローバリゼーションに対する変化が顕在化した年でした。イギリスのEU...

 今回は、マクロ的な視点でみたイノベーションの意味について、解説します。2016年は、グローバリゼーションに対する変化が顕在化した年でした。イギリスのEU...


スーパーマンではなくプロフェッショナルな技術者に(その3)

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...

【プロフェッショナルな技術者 連載目次】 1. 製品開発現場が抱えている問題 2. プロフェッショナルによる製品開発 3. 設計組織がねらい通り...


材料研究、最適化のワナと温故知新の事例

  1.  材料研究と最適化  材料研究の場合、「最適化」という言葉でモノを考えない方がいいでしょう。  若い人、時にはおじ...

  1.  材料研究と最適化  材料研究の場合、「最適化」という言葉でモノを考えない方がいいでしょう。  若い人、時にはおじ...