問い合わせ対応 クレーム対応とは(その13)

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  クレーム対応
 
 前回のその12に続いて解説します。
 

2.クレームとは非常に深刻な問題を意味する

 軽い疑問や不満はクレーム予備軍なのです。
 
 お客さま相談室に飛び込んでくる顧客からの軽い質問や問い合わせは、一種のコンプレインと考えてよいのです。店頭で「◯△はどこにありますか」といったように、つねに同じ質問を受けることがある場合、そうした質問を繰り返し受けるということは、お客さまのコンプレインに対してきちんとした対応ができていない証拠です。
 
 どうして、このスイッチは使いづらいのだろうか? 最初は軽い不満を伝えるために、顧客はお客さま相談室へ電話をかける。すると、電話に出たスタッフがあたかも顧客の使い方が悪いと言わんばかりに、応対したとしましょう。
 
 「どのようにお使いでしょうか。取り扱い説明書が入っていると思いますので、もう一度お読みいただけますか」
 
 顧客は、この一言にカチンとくるのです。軽い気持ちで商品の使い方を質問しただけだったのに、「説明書を読み直せ」とは何事か。顧客は、スタッフの不適切な発言で怒りの感情を一気に爆発させ、しまいにはこのメーカーに向けて、強いクレーム感情を抱くようになってしまうます。軽い不満がクレーム化するケースは、お客さま相談室のごく日常的な風景に存在しています。
 
 「軽い気持ちで問い合わせたことを、何回電話してもすぐにご連絡しますと繰り返すばかりで、ちっとも誠意ある対応をしてくれない」
 
 「電話するたびに、お客さまのお名前とご住所は……と同じことを聞かれて、うんざりする」
 
 きっかけは軽い問い合わせや質問であっても、担当者の稚拙で誤った対応のために、顧客感情は著しく悪化してしまうのです。
 
 軽い不満こそクレームの予備軍であるから注意していただきたい。同じような認識として、次のような現実もある。問い合わせは。不満”の第一歩である。
 
 私の研究所で実施した「顧客不満足度調査」の際に、次のような「顧客の声」がありました。
 
 ビフィズス菌入り健康食品を製造しているメーカーが、顧客の意識をリサーチしたときのことです。まず、同社の健康食品を日常的に食している顧客に向けて聞いてみました。
 
 「当社の健康食品を、継続購入していただいている理由は何でしょうか」
 
 ほとんどの顧客は、こう答えました。
 
 「健康のために毎日規則的に食べているから」「毎日食べることが、私の健康維持法です」
 
 言葉は少々乱暴かもしれないが、健康食品のヘビーユーザーから寄せられた声は、どれもが「予想できる内容」ばかりでした。自分自身の健康のために健康食品を習慣的に食べることが、極めてスタンダードな食品購入動機といえるでしょう。
 
 次に、過去に食べていた経験があるにもかかわらず、最近はまったく飲んだり食べたりしなくなってしまった顧客に対して、その理由をストレートに質問しました。
 
 「あなたは、どうして健康食品を食べなくなったのでしょうか」
 
 すると、こちらからは...
 
  クレーム対応
 
 前回のその12に続いて解説します。
 

2.クレームとは非常に深刻な問題を意味する

 軽い疑問や不満はクレーム予備軍なのです。
 
 お客さま相談室に飛び込んでくる顧客からの軽い質問や問い合わせは、一種のコンプレインと考えてよいのです。店頭で「◯△はどこにありますか」といったように、つねに同じ質問を受けることがある場合、そうした質問を繰り返し受けるということは、お客さまのコンプレインに対してきちんとした対応ができていない証拠です。
 
 どうして、このスイッチは使いづらいのだろうか? 最初は軽い不満を伝えるために、顧客はお客さま相談室へ電話をかける。すると、電話に出たスタッフがあたかも顧客の使い方が悪いと言わんばかりに、応対したとしましょう。
 
 「どのようにお使いでしょうか。取り扱い説明書が入っていると思いますので、もう一度お読みいただけますか」
 
 顧客は、この一言にカチンとくるのです。軽い気持ちで商品の使い方を質問しただけだったのに、「説明書を読み直せ」とは何事か。顧客は、スタッフの不適切な発言で怒りの感情を一気に爆発させ、しまいにはこのメーカーに向けて、強いクレーム感情を抱くようになってしまうます。軽い不満がクレーム化するケースは、お客さま相談室のごく日常的な風景に存在しています。
 
 「軽い気持ちで問い合わせたことを、何回電話してもすぐにご連絡しますと繰り返すばかりで、ちっとも誠意ある対応をしてくれない」
 
 「電話するたびに、お客さまのお名前とご住所は……と同じことを聞かれて、うんざりする」
 
 きっかけは軽い問い合わせや質問であっても、担当者の稚拙で誤った対応のために、顧客感情は著しく悪化してしまうのです。
 
 軽い不満こそクレームの予備軍であるから注意していただきたい。同じような認識として、次のような現実もある。問い合わせは。不満”の第一歩である。
 
 私の研究所で実施した「顧客不満足度調査」の際に、次のような「顧客の声」がありました。
 
 ビフィズス菌入り健康食品を製造しているメーカーが、顧客の意識をリサーチしたときのことです。まず、同社の健康食品を日常的に食している顧客に向けて聞いてみました。
 
 「当社の健康食品を、継続購入していただいている理由は何でしょうか」
 
 ほとんどの顧客は、こう答えました。
 
 「健康のために毎日規則的に食べているから」「毎日食べることが、私の健康維持法です」
 
 言葉は少々乱暴かもしれないが、健康食品のヘビーユーザーから寄せられた声は、どれもが「予想できる内容」ばかりでした。自分自身の健康のために健康食品を習慣的に食べることが、極めてスタンダードな食品購入動機といえるでしょう。
 
 次に、過去に食べていた経験があるにもかかわらず、最近はまったく飲んだり食べたりしなくなってしまった顧客に対して、その理由をストレートに質問しました。
 
 「あなたは、どうして健康食品を食べなくなったのでしょうか」
 
 すると、こちらからはメーカーが予想もしなかった意外な答えが返ってきました。
 
 「とくに強い理由はないけど、飽きてしまったから」「いつも同じ味のものは食べにくい」「ただ単に、味に飽きた」
 
 離れていった顧客のほとんどは、このような理由を挙げました。飽きてしまったから、食べない。
 
 これはいったい何を意味するのでしょうか。健康食品を日常的に食べたり飲んだりし続けている顧客は、「健康のため」という極めて明確な購買理由を持っているが、食べなくなってしまった顧客は「昧に飽きた」と繰り返すのです。
 
 次回に続きます。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
               筆者のご承諾により、抜粋を連載 

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この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。


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