クレーム対応とは(その14) 問い合わせ対応

 
  
クレーム対応
 

2. クレームとは非常に深刻な問題を意味する

 
  前回のその13に続いて解説します。
 
 本来、健康食品は健康維持や健康増進を目的に摂取するものであるにもかかわらず、食べなくなってしまった顧客は「嗜好品」として認識し、「昧が好きだから食べる。昧に飽きたら食べない」というのです。両者の意識の相違にメーカーは、ショックを受けました。
 
 この事例を、先に示した「顧客の軽い不平や不満」に関連させて考えてみましょう。ある日、お客さま相談室に次のような電話が入ったとします。
 
 「いつもおたくのヨーグルトを食べているのですが、プレーン味以外のヨーグルトもあるのでしょうか?」
 
 味の問い合わせを受けたスタッフは、こう答えます。
 
 「どうもありがとうございます。当社のヨーグルトはいまのところプレーン味の一種類だけですが。皆さまの健康を増進するためには、プレーン味が最適であるとの研究結果によって、当社ではプレーン味に自信を持ってきました。これからも、よろしくお願いいたします」顧客との電話は、それで終了しました。その後、スタッフの上司が訊ねました。
 
 「いまのお客さま、何だって?」
  「いや、うちのヨーグルトにほかの味つけのものがあるかどうかの問い合わせでした」
 「そう……」 
 
 お客さま相談室の誰もが、それ以上の関心を持たないまま顧客の声は、忘れ去られました。ところが、もう少し慎重に問い合わせの中身を感じ取れるスタッフならば、「問い合わせは不満のスタートライン」という真実を思い出したでしょう。「ほかの味はないのか」と聞いてきた顧客は、少なくとも日頃食べている商品の「味」について、なんらかの意見や感情を持っていたはずなのです。
 
 常識的に考えて、いま食べている味に満足しているならば、何も「ほかの味」に関心を向けるとは考えにくいのです。そう考えると、この電話は問い合わせの形をした「軽い不満の表明」ではなかったでしょうか。
 
 商品の宣伝戦略として「嗜好性」を強くアピールした結果、健康食品を嗜好品としてイメージさせてしまい、顧客は味によって健康食品を判断しようとしているのではないか。その宣伝戦略の誤りが、軽い不満という問い合わせを生み、ひいては商品離れを引き起こす可能性を強めているかもしれないのです。
 
 このように何気ない「問い合わせ」といえども、軽い不満がこもっているケースが少なくないので注意しましょう。くれぐれもクレームとコンプレインの違いをよく理解し、軽い問い合わせが「不満」のスタートラインであることをしっかり認識したうえで、お客さま相談室の電話の前に座っていただきたいと思います。
 
 次回は、3. 私が体験した素敵な事例から続けます。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
          筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

真の顧客満足とは?「顧客潜在ニーズの把握」は「不満足度調査」により新製品・新サービス・新システム開発などムダのない、そしてブレることない取組みが「業績=顧客の“継続”支持率達成!」。また、近年の企業が引き起している各種トラブル防止、企業ブ…

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