クレーム対応とは(その10) クレーム対応心得 3

 
  
CS
 
 前回のその9に続いて解説します。
 

1.顧客が腹を立てている

(8) クレーム対応:最も深刻な問題に発展するケース

 最も深刻な問題に発展するケースは、「言った、言わない」のこじれです。クレーム顧客との会話は記録に残しましょう。聞き取づだ顧客の声は、必ず記録することも極めて大切な行動指針になります。通常はメモを取ることが多いでしょうが、できれば一部始終を録音することが望ましいのです。最初は何気ない口調で話していた顧客が、一転して激昂することもあります。そうしたときでも、言葉の勢いに圧倒されることなく正確に記録を取って、やり取りの一部始終を録音できれば完璧です。
 
 記録の不備で最も深刻な問題に発展するケースは、「言った、言わない」のこじれです。人開の行動は実に不確かなもので、そのときの感情や思惑などで、不用意な発言をしてしまうことも少なくないのです。
 
 記憶も不正確、不確かです。自分では言ったつもりのないことでも、相手はしっかり記憶していることもあるし、その逆もあるのです。とくにクレーマーなどは、最初から相手とのやり取りを録音していることも、少なくありません。また、録音したやり取りを何回も確認することで、クレーム顧客との解釈の相違点などがクリアーに浮かび上がってくることもあるのです。
 
 ただでさえ、クレームという問題を抱えた抗議の電話を受けるのですから、やり取りや記録の不備で問題を拡大させることは、絶対に避けるべきです。電話を受けたら、まず記録する。そうした習慣をぜひ、身につけて下さい。ただし、記録には守秘義務があることも、よく認識しておきましょう。
 

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(9) クレーム対応:「即答」することが、誠意とは限らない。

 即答することが、誠意とは限らないのです。間違いのない対応や解決をすることが、真の顧客満足創造に結びつきます。
 
 お客さま相談室などの部門に飛び込んでくる内容は、購人した商品そのものに対するクレームであったり、販売店のサービスに対する怒りであったり、商品の使い方やデザイン、材質、安全性などに関するさまざまな問題点の指摘であったり、多種多様な内容を持っています。
 
 また場合によっては、生命の危険を感じさせるケースや深刻な法律問題に発展しそうなもの、訴訟に持ち込まれる可能性を持つような重大案件も入ってくきます。
 
 そうした多種多様な問題は、必ずしもワンストップで解決できるレベルとは限らないのです。状況によっては、専門部署の見解を必要とすることもあるだろうし、高次元の経営判断を求められることも珍しくありません。したがって、お客さま相談室で対応できる業務区分をきちんと明確にしておくことも、非常に重要な行動指針になります。
 
 たとえば、支払い条件などのデリケートな問題は即答すべきなのか、それとも即答を避けるべきなのか。そうした基本的な意思決定基準をはっきりさせておくことで、不適切な対応を回避することができるでしょう。
 
 仮に、支払いの延期を申し出た顧客に対して「それでは上司に相談をして……」といった対応をしてしまうと、相手は誤った「期待」を抱くことになります。そのようなときは「その件に関しましては、お約束のうえ、お支払いいただくことになっておりますので延期はできかねます」と、明確に即答すべきです。しかし、すべての事柄に「即答」することが誠意とは限りません。即答できない内容の問題に関してはしかるべき時間をもらって間違いのない対応や解決をすることが、真の顧客満足創造に結びつくのです。
 
 とくに、文書を交わさなければならないときなどは、よく注意しましょう。内容を勝手に改ざんされないように文書に割り印をするとか、内容証明郵便を活用するとかの慎重さが求められます。即答すべき事柄と即答を避ける事柄を、咄嵯の状況判断で峻別することは、相当のベテランスタッフでもなかなか難しいのです。スタッフは前もって万全な準備をしておくことが肝要です。
 
 次回に続きます。
 
【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
           筆者のご承諾により、抜粋を連載 

この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

真の顧客満足とは?「顧客潜在ニーズの把握」は「不満足度調査」により新製品・新サービス・新システム開発などムダのない、そしてブレることない取組みが「業績=顧客の“継続”支持率達成!」。また、近年の企業が引き起している各種トラブル防止、企業ブ…

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