BCP負担軽減策とは 物流BCPについて考える(その10)

更新日

投稿日

 
  SCM
 
 

【物流BCPについて考える 連載目次】

 作業者の多能工化を図ったり、フールプルーフを導入して作業の容易化を図ったりするといった、会社のマネジメントサイクルを回すことがBCPの負担軽減につながることを前回までに解説しました。尚、これ以外にもBCP負担軽減の方策はありますので、今回は購入資材の調達先の複数化についてです。
 

1. 物流BCP:サプライチェーンの途絶防止

 
 梱包資材を一社だけから購入することはコスト削減のテーマとしてはよくある考え方です。購買行為の原理原則と言えるかもしれません。コストではメリットがあっても、もしこの資材メーカーが倒産したり、災害で被災したりするとたちどころに資材が入ってこなくなってしまいます。
 
 このようなサプライチェーンの途絶を防ぐために二社から購入することを考えるべきです。たしかにコストは一社発注時より不利になるかもしれません。しかし有事に資材が調達できず、得意先に迷惑をかけることはさらに大きなリスクであると考えられます。
 

2. 物流BCP:資材の汎用化

 
 梱包資材の共通化や汎用化も方策の一つでしょう。特殊な梱包資材を使っていた場合、その調達が途絶えると得意先へのサービスもストップしてしまいます。資材を汎用化しておけば調達も比較的容易にできると考えられます。このメーカーからしか買えないといった、特殊な資材は通常時に減らしておくことが望ましいでしょう。
 
 あわせて梱包資材の種類数も削減しておきましょう。そうすることで梱包資材の一種類当たり調達量が増えることになるため、調達コストの削減にもつながります。
 

3. 物流BCP:防災訓練

 
 常日頃の準備がBCPの負担軽減につながる...
 
  SCM
 
 

【物流BCPについて考える 連載目次】

 作業者の多能工化を図ったり、フールプルーフを導入して作業の容易化を図ったりするといった、会社のマネジメントサイクルを回すことがBCPの負担軽減につながることを前回までに解説しました。尚、これ以外にもBCP負担軽減の方策はありますので、今回は購入資材の調達先の複数化についてです。
 

1. 物流BCP:サプライチェーンの途絶防止

 
 梱包資材を一社だけから購入することはコスト削減のテーマとしてはよくある考え方です。購買行為の原理原則と言えるかもしれません。コストではメリットがあっても、もしこの資材メーカーが倒産したり、災害で被災したりするとたちどころに資材が入ってこなくなってしまいます。
 
 このようなサプライチェーンの途絶を防ぐために二社から購入することを考えるべきです。たしかにコストは一社発注時より不利になるかもしれません。しかし有事に資材が調達できず、得意先に迷惑をかけることはさらに大きなリスクであると考えられます。
 

2. 物流BCP:資材の汎用化

 
 梱包資材の共通化や汎用化も方策の一つでしょう。特殊な梱包資材を使っていた場合、その調達が途絶えると得意先へのサービスもストップしてしまいます。資材を汎用化しておけば調達も比較的容易にできると考えられます。このメーカーからしか買えないといった、特殊な資材は通常時に減らしておくことが望ましいでしょう。
 
 あわせて梱包資材の種類数も削減しておきましょう。そうすることで梱包資材の一種類当たり調達量が増えることになるため、調達コストの削減にもつながります。
 

3. 物流BCP:防災訓練

 
 常日頃の準備がBCPの負担軽減につながる次のアイテムは日常の防災訓練です。いくら立派な文書化を行ったとしても、それが有事に使えなければ何の意味もありません。日頃から防災訓練を実施しておけば、人的被害も少なくて済む可能性があります。人的被害が少なければそれだけ復旧も早くなります。他社に応援を依頼したり、人材を新たに採用したりすることも必要なくなるかもしれないのです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
損益計算書とキャッシュフローでみるサプライチェーン経営戦略

 生産(供給)と販売(需要)の調整(同期化)は、SCMの焦点となるテーマです。SCMで重要なのは在庫についての認識です。サプライチェーンの3大連鎖業務は、...

 生産(供給)と販売(需要)の調整(同期化)は、SCMの焦点となるテーマです。SCMで重要なのは在庫についての認識です。サプライチェーンの3大連鎖業務は、...


SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その15)

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...


SCMで優位に立つ

1.「つなぎ」としてのSCMが必要とされる理由   時間の進みが早くなるとどのようなことが起きるでしょうか? ゆっくり役割分担を決めて回すよう...

1.「つなぎ」としてのSCMが必要とされる理由   時間の進みが早くなるとどのようなことが起きるでしょうか? ゆっくり役割分担を決めて回すよう...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流現場での現場発信型改善は、考えさせ、変えさせる!  

  1. 物流現場の不便をすくい上げよう 物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...

  1. 物流現場の不便をすくい上げよう 物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...


作業者を褒める体制は品質に影響 物流品質管理(その5)

  ◆ 現場意識が品質を上げる  海外の物流倉庫でよく見かけるしくみですが、それぞれの物流作業者の物流品質に関する誓いを現場に表示すると...

  ◆ 現場意識が品質を上げる  海外の物流倉庫でよく見かけるしくみですが、それぞれの物流作業者の物流品質に関する誓いを現場に表示すると...


3現主義に基づいた活動とは、物流は3現主義で

  1. 物流現場に出かけよう 物流現場の問題は物流現場で改善していくことは当たり前のことだと思います。物流現場で発生している問題を事務...

  1. 物流現場に出かけよう 物流現場の問題は物流現場で改善していくことは当たり前のことだと思います。物流現場で発生している問題を事務...