国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その8)

投稿日

 前回のその7に続いて解説します。
 

8. 加飾技術(その1)

(1) インクジェット加飾

 セーレンのブースでは、テクスチャーを付与した印刷(2.5D)された加飾フィルムを用いたTOM工法による加飾サンプルが展示されていた。
 
図44 セーレンブースの2.5D加飾とそれを用いた三次元加飾サンプル
 
 ローランドD.G.は試作・金型製作・加飾の流れを一貫して提供できる強みをPR(図45)しており、インクジェットでテクスチャーを表現したサンプルを印刷実演していた(図46)
 
図45 ローランドD.G.のブース外観
 
プラスチックジャパン図46 ローランドD.G.ブースで加飾されたサンプル
 
 ミマキエンジニアリングはインクジェットによる伸びるUV硬化インクを展示していた。
 
プラスチックジャパン図47 ミマキエンジニアリングの伸びるUVインク
 

(2) 三次元加飾

 ナビタスは空気転写「NATS」の加飾サンプルを多数展示していた(図48)
 
プラスチックジャパン図48 ナビタスブースに展示されていたNATSのサンプル
 
 浅野研究所は熱板式減圧被覆成形機による発泡シートの三次元貼り合わせサンプルを展示していた(図49)。従来の熱板加熱では片面しか加熱できなかったので、断熱性を持つ発泡シートには対応できなかったが、両面から加熱できるようにした。
 
プラスチックジャパン図49 浅野研究所ブースに展示されていた発泡シート加飾
 
 吉田テクノワークスは、ガラスインサートインモールド(ガラスをインサートして射出するとともに金型内転写で加飾する)のサンプルとソフトタッチの転写であるベビースキン・シルキータッチインモールドのサンプルを展示していた。
 
プラスチックジャパン図50 吉田テクノワークスブースの展示サンプル
 
 フィルムインサート成形用のインクとしては、帝国インキ製造が高粘度インクを用いた高精細インキを展示していた。スクリーン印刷の際にドットが流れないために従来は10色に分解する必要があったものを白の上に4色で表現可能になる。
 
プラスチックジャパン図51 ...
 前回のその7に続いて解説します。
 

8. 加飾技術(その1)

(1) インクジェット加飾

 セーレンのブースでは、テクスチャーを付与した印刷(2.5D)された加飾フィルムを用いたTOM工法による加飾サンプルが展示されていた。
 
図44 セーレンブースの2.5D加飾とそれを用いた三次元加飾サンプル
 
 ローランドD.G.は試作・金型製作・加飾の流れを一貫して提供できる強みをPR(図45)しており、インクジェットでテクスチャーを表現したサンプルを印刷実演していた(図46)
 
図45 ローランドD.G.のブース外観
 
プラスチックジャパン図46 ローランドD.G.ブースで加飾されたサンプル
 
 ミマキエンジニアリングはインクジェットによる伸びるUV硬化インクを展示していた。
 
プラスチックジャパン図47 ミマキエンジニアリングの伸びるUVインク
 

(2) 三次元加飾

 ナビタスは空気転写「NATS」の加飾サンプルを多数展示していた(図48)
 
プラスチックジャパン図48 ナビタスブースに展示されていたNATSのサンプル
 
 浅野研究所は熱板式減圧被覆成形機による発泡シートの三次元貼り合わせサンプルを展示していた(図49)。従来の熱板加熱では片面しか加熱できなかったので、断熱性を持つ発泡シートには対応できなかったが、両面から加熱できるようにした。
 
プラスチックジャパン図49 浅野研究所ブースに展示されていた発泡シート加飾
 
 吉田テクノワークスは、ガラスインサートインモールド(ガラスをインサートして射出するとともに金型内転写で加飾する)のサンプルとソフトタッチの転写であるベビースキン・シルキータッチインモールドのサンプルを展示していた。
 
プラスチックジャパン図50 吉田テクノワークスブースの展示サンプル
 
 フィルムインサート成形用のインクとしては、帝国インキ製造が高粘度インクを用いた高精細インキを展示していた。スクリーン印刷の際にドットが流れないために従来は10色に分解する必要があったものを白の上に4色で表現可能になる。
 
プラスチックジャパン図51 帝国インキの高精細インキ
 
 セイコーアドバンスは透明性がある黒インク漆黒インク「ブラックスター」を展示していた。バックライトを使ったいろいろな表現が期待できる。
 
プラスチックジャパン図52 セイコーアドバンスの漆黒インキ説明パネル(上)と加飾サンプル(下)
 
 次回も、加飾技術の解説を続けます。
 
【出典】
 PLASTICS JAPAN.com 展示会レポート IPF JAPAN 2017より、筆者のご承諾により、連載。
     

   続きを読むには・・・


この記事の著者

秋元 英郎

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
自動化設備対応はロボット、専用機それとも人で対応?

 自動化設備を導入しようと考えていて、その構成をロボットにするのか、それとも専用機にするのが良いのか、あるいは人で対応したほうが良いのか。この判断をどう考...

 自動化設備を導入しようと考えていて、その構成をロボットにするのか、それとも専用機にするのが良いのか、あるいは人で対応したほうが良いのか。この判断をどう考...


ロボット導入のメリット、デメリット

   作業の大半を手作業で行っている工場で、人手不足対応として、ロボットの導入を検討した場合、ロボットを導入すると、どのようなメリットがあるの...

   作業の大半を手作業で行っている工場で、人手不足対応として、ロボットの導入を検討した場合、ロボットを導入すると、どのようなメリットがあるの...


ソフトウェア開発とERP

  1. ソフトウェアの開発  日本の製造業は長くメカや電気製品などハードウェアが中心に発展してきました。ソフトウェア産業は主として情報...

  1. ソフトウェアの開発  日本の製造業は長くメカや電気製品などハードウェアが中心に発展してきました。ソフトウェア産業は主として情報...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
自発的・継続的改善:トヨタ自動車と資生堂の事例

  ◆ 資料から見る自発的・継続的な改善実施企業  自発的で継続的な改善の事例、自発的な改善を支える「OTRS」と、継続的な取り組みを支える...

  ◆ 資料から見る自発的・継続的な改善実施企業  自発的で継続的な改善の事例、自発的な改善を支える「OTRS」と、継続的な取り組みを支える...


マシニング加工における荒取り加工条件の標準化の重要性

    当事務所のコンサルティングにおいては、特に標準化という点を重要視しております。その標準化を行ううえで、特に多いのが、マシニン...

    当事務所のコンサルティングにおいては、特に標準化という点を重要視しております。その標準化を行ううえで、特に多いのが、マシニン...


動作解析事例「混流生産組み立てラインでの作業改善」

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...