国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その2)

投稿日

 前回のその1に続いて解説します。
 

4.発泡成形の1

 日本製鋼所は、MuCellとヒート&クールの併用の成形実演を行っていました。部品はPC/ABSのセンターパネルであり、パナソニックのヒート&クール(ヒーター加熱)を用いて80~160℃の昇温・降温を繰り返していました。160℃まで昇温しても軽量化率を5%程度まで下げないと表面が完全にきれいにならない点が課題として残されています。図4にパネル、図5に成形品の写真を示します。
 
プラスチックフェアー
図4. 日本製鋼所ブースのMuCel+ヒート&クールに関するパネル
 
プラスチックフェアー
図5. 日本製鋼所、MuCell+ヒート&クールのサンプル(下)と比較のMuCellのみのもの(上)
 
 日本製鋼所はまた、マクセルが開発した物理発泡成形技術(RIC-Foam)のパネル展示も行っていました(図6)。
 
プラスチックフェアー図6. 日本製鋼所ブースのRIC-Foam説明パネル
 
 東芝機械は、マクセルが開発した技術(ボンベから窒素ガスをバレルに導入する方式)をプリプラ式成形機に適用して、コアバック発泡成形を行っていました(図7)。コアバックにおいては、イジェクタの機構を用いて部分的に発泡させないようにしていました(図8)。
 
プラスチックフェアー図7. 東芝機械ブース...
 前回のその1に続いて解説します。
 

4.発泡成形の1

 日本製鋼所は、MuCellとヒート&クールの併用の成形実演を行っていました。部品はPC/ABSのセンターパネルであり、パナソニックのヒート&クール(ヒーター加熱)を用いて80~160℃の昇温・降温を繰り返していました。160℃まで昇温しても軽量化率を5%程度まで下げないと表面が完全にきれいにならない点が課題として残されています。図4にパネル、図5に成形品の写真を示します。
 
プラスチックフェアー
図4. 日本製鋼所ブースのMuCel+ヒート&クールに関するパネル
 
プラスチックフェアー
図5. 日本製鋼所、MuCell+ヒート&クールのサンプル(下)と比較のMuCellのみのもの(上)
 
 日本製鋼所はまた、マクセルが開発した物理発泡成形技術(RIC-Foam)のパネル展示も行っていました(図6)。
 
プラスチックフェアー図6. 日本製鋼所ブースのRIC-Foam説明パネル
 
 東芝機械は、マクセルが開発した技術(ボンベから窒素ガスをバレルに導入する方式)をプリプラ式成形機に適用して、コアバック発泡成形を行っていました(図7)。コアバックにおいては、イジェクタの機構を用いて部分的に発泡させないようにしていました(図8)。
 
プラスチックフェアー図7. 東芝機械ブースにおける物理発泡成形の説明図
 
プラスチックフェアー図8. 東芝機械ブースの部分コアバックに関する説明の図
 
 次回は、発泡成形の2からはじめます。
 
【出典】
 PLASTICS JAPAN.com 展示会レポート IPF JAPAN 2017より、筆者のご承諾により、連載。
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

秋元 英郎

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
メーカーへの提案依頼書作成 ロボットシステム構築の流れとは(その2)

   今回はその1に続き、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを前提とした同システム構築の流れを解説します。 【ロボットSIer...

   今回はその1に続き、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを前提とした同システム構築の流れを解説します。 【ロボットSIer...


はじめに「本質」、次に「基礎」 メカトロ設計(その3)

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...


受注生産工場のボトルネック工程基準の生産管理手法

 自動車部品などの製造工場では親工場からの受注は典型的な多品種少量生産を強いられています。背景として、海外生産・調達の増加により、国内で生産するものは、次...

 自動車部品などの製造工場では親工場からの受注は典型的な多品種少量生産を強いられています。背景として、海外生産・調達の増加により、国内で生産するものは、次...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
マシニングセンターの現実の精度とは

   今回は、マシニングセンターの精度についてオペレーターの方々に感じることを取り上げます。   1. テーブルの送り速度につい...

   今回は、マシニングセンターの精度についてオペレーターの方々に感じることを取り上げます。   1. テーブルの送り速度につい...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その7)

 前回のその6に続いて解説します。   7.ヒート&クール成形  松井製作所のブースでは、ピアノブラックとヘアラインを含む成形品を蒸気加熱方式の...

 前回のその6に続いて解説します。   7.ヒート&クール成形  松井製作所のブースでは、ピアノブラックとヘアラインを含む成形品を蒸気加熱方式の...


動作分析を通じた現場作業標準化のポイント

 今回は改善の基本、「標準化」に取り組んでいる現場で、うまくいっている事例とそうでない事例を解説します。  図1.「OTRS」コンセプト  O...

 今回は改善の基本、「標準化」に取り組んでいる現場で、うまくいっている事例とそうでない事例を解説します。  図1.「OTRS」コンセプト  O...