国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その4)

投稿日

 前回のその3に続いて解説します。
 

5. 後付け式射出ユニットと多材成形

 通常の成形機に乗せた金型に第二の射出ユニットを取り付けて多色成形やサンドイッチ成形を行うことは古くから行われているが、後付けユニットという「製品」が活発に使われるようになったのはMilacron(Moldmasters)がE-Multiを世に出してからである。今回は後付けユニットを用いた多色成形の実演が多かった。
 
 日本製鋼所はJ100ADSに後付けユニットFLIP20を接続してエラストマーを用いた二色成形(スマホカバー)を実演していた。制御は別系統であるが、将来的には成形機の操作パネルで制御できるとのことである(図14)
 
プラスチックフェアー
図14.日本製鋼所で実演していた二色成形(左:新開発された後付けユニット、右:成形品サンプル)
 
 東芝機械は、前述のE-Multiを接続してPC/ABSとエラストマーの二色成形を行っていた。E-Multiの制御は成形機の操作パネルで行える(図15)なお、この成形ではPETシートのインサートも行われており、PETシート表面にはUV硬化型の微細パターンが施されていた(図16)
 
プラスチックフェアー
図15 東芝機械で実演されていたインサート+二色成形(左:後付け「E-Multi」、右:成形サンプル)
 
プラスチックフェアー
図16 東芝機械ブースの微細転写に関するパネル
 
 ファナックは三材成形で後付けユニットを2基用いた成形を実演していた(図17)白色のPBTとLSRを成形で積層するとともに、PBT(黒)の部品を金型内で勘合して一体化した三材からなる部品(図18)の成形を実演していた。
 
プラスチックフェアー図17 ファナックブースにおける三材成形
 
 白のPBTにLSRを積層し、黒のPBTとロボットで勘合させる
 
プラスチックフェアー図18 ファナックブースで成形していた三材成形品(下)と勘合を開いた部品(上の左右)
 
 ソディックは、後付けのユニットをL字に配置してPCとLSRの二色成形を行っていた(図19)熱可塑用成形機に熱硬化用ユニットを後付けした構成になっていた。金型はPCを成形するキャビティとLSRを成形するキャビティで温度を変え、一次成形品(PC)をロボットで取って二次キャビティに運ぶ方法をとっていた。
 
プラスチックフェアー図19 ソディックブースで実演されていた二色成形(左:PCの一次成形品、右:二色成形品)
 
 U&Mプラスチックソリューションズは、「プチ射出」のユニット2台を金属プレスの金型に取り付けることで、アルミ板のプレス賦形とインサート成形/アウトサート成形を一連の動作で実演していた。図20に装置の外観、図21に成形の途中段階のサンプル、図22に成形品の写真を示す。
 
プラスチックフェアー図20 U&Mプラスチックスソリューションズのブースで実演していた複合成形の装置
 
プラスチックフェアー図21 U&Mブースに展示されていた複合成形の途中サンプル
  
 ①をプレスし...
 前回のその3に続いて解説します。
 

5. 後付け式射出ユニットと多材成形

 通常の成形機に乗せた金型に第二の射出ユニットを取り付けて多色成形やサンドイッチ成形を行うことは古くから行われているが、後付けユニットという「製品」が活発に使われるようになったのはMilacron(Moldmasters)がE-Multiを世に出してからである。今回は後付けユニットを用いた多色成形の実演が多かった。
 
 日本製鋼所はJ100ADSに後付けユニットFLIP20を接続してエラストマーを用いた二色成形(スマホカバー)を実演していた。制御は別系統であるが、将来的には成形機の操作パネルで制御できるとのことである(図14)
 
プラスチックフェアー
図14.日本製鋼所で実演していた二色成形(左:新開発された後付けユニット、右:成形品サンプル)
 
 東芝機械は、前述のE-Multiを接続してPC/ABSとエラストマーの二色成形を行っていた。E-Multiの制御は成形機の操作パネルで行える(図15)なお、この成形ではPETシートのインサートも行われており、PETシート表面にはUV硬化型の微細パターンが施されていた(図16)
 
プラスチックフェアー
図15 東芝機械で実演されていたインサート+二色成形(左:後付け「E-Multi」、右:成形サンプル)
 
プラスチックフェアー
図16 東芝機械ブースの微細転写に関するパネル
 
 ファナックは三材成形で後付けユニットを2基用いた成形を実演していた(図17)白色のPBTとLSRを成形で積層するとともに、PBT(黒)の部品を金型内で勘合して一体化した三材からなる部品(図18)の成形を実演していた。
 
プラスチックフェアー図17 ファナックブースにおける三材成形
 
 白のPBTにLSRを積層し、黒のPBTとロボットで勘合させる
 
プラスチックフェアー図18 ファナックブースで成形していた三材成形品(下)と勘合を開いた部品(上の左右)
 
 ソディックは、後付けのユニットをL字に配置してPCとLSRの二色成形を行っていた(図19)熱可塑用成形機に熱硬化用ユニットを後付けした構成になっていた。金型はPCを成形するキャビティとLSRを成形するキャビティで温度を変え、一次成形品(PC)をロボットで取って二次キャビティに運ぶ方法をとっていた。
 
プラスチックフェアー図19 ソディックブースで実演されていた二色成形(左:PCの一次成形品、右:二色成形品)
 
 U&Mプラスチックソリューションズは、「プチ射出」のユニット2台を金属プレスの金型に取り付けることで、アルミ板のプレス賦形とインサート成形/アウトサート成形を一連の動作で実演していた。図20に装置の外観、図21に成形の途中段階のサンプル、図22に成形品の写真を示す。
 
プラスチックフェアー図20 U&Mプラスチックスソリューションズのブースで実演していた複合成形の装置
 
プラスチックフェアー図21 U&Mブースに展示されていた複合成形の途中サンプル
  
 ①をプレスして②の形状に賦形し、プレス型内で黒と青の樹脂を射出する(③)
 
プラスチックフェアー図22 U&Mブースで成形実演していたサンプル
 
 住友重機械工業のブースでは、PCとLSRの二色成形を実演していた。LSR専用スクリューを搭載した二色成形機(SE75DU-CI)であり、金型温度は140℃で成形実演を行っていた。図23はブース配布資料の成形品紹介部分である。
 
プラスチックフェアー図23 住友重機械工業ブースにおけるPC/LSR成形品
 
 次回は、繊維強化について解説します。
 
【出典】
 PLASTICS JAPAN.com 展示会レポート IPF JAPAN 2017より、筆者のご承諾により、連載。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

秋元 英郎

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動

「プラスチック博士」プラスチックに関する技術コンサルタントとして材料選定、成形加工技術の指導を中心に活動


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
基板実装とは

  電子回路の実装方法は部品実装と基板製造の工程に分かれていて、この工程を経て基板に部品が実装された電子回路ができます。実装工場とは部品が...

  電子回路の実装方法は部品実装と基板製造の工程に分かれていて、この工程を経て基板に部品が実装された電子回路ができます。実装工場とは部品が...


はじめに「本質」、次に「基礎」 メカトロ設計(その3)

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...

【連載目次】 1. メカトロ設計(その1) 一寸先で擦り合わせ 2. メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へ ...


ロボット導入のメリット、デメリット

   作業の大半を手作業で行っている工場で、人手不足対応として、ロボットの導入を検討した場合、ロボットを導入すると、どのようなメリットがあるの...

   作業の大半を手作業で行っている工場で、人手不足対応として、ロボットの導入を検討した場合、ロボットを導入すると、どのようなメリットがあるの...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
動作解析事例「混流生産組み立てラインでの作業改善」

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...


動作分析における要素分けのポイントとは

 現場の「カイゼン」、特にムダ取りにお付き合いする中でとても多くご質問を頂くキーワードがあります。それは、ムダを見つける方法はなんですか? いったい何...

 現場の「カイゼン」、特にムダ取りにお付き合いする中でとても多くご質問を頂くキーワードがあります。それは、ムダを見つける方法はなんですか? いったい何...