MTシステム超入門(その23)

1.MTシステムは人工知能か?

 JAXAの森田泰弘博士が、MTSを人工知能と呼びました。確かに使用目的はいわゆる人工知能と同じですが、計算プロセスには決定的な相違があります。人工知能の多くは「機械学習」と呼ばれる通り、機械が学習します。人間が文字を覚えるのと同じで、計算機が繰り返しによってパターンを学習します。ホーキング博士は人工知能が際限なく自己増殖して、やがては世界を破滅させると警告しています。それは繰り返し計算で成長するという、増殖の素養を持っているからです。

 しかし、MTシステム(MT法は繰り返し計算をしません。一発学習です。MTシステムは人類に破滅をもたらすことなく、いつまでも人間に必要で安定な相棒であり続けるはずです。

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2.人工知能の面白さと危うさ

 繰り返し計算で次第にパターンを学習する人工知能は、人間と同じように学習過程や結果に個性を持ちます。物覚えが悪くなかなか学習が進まないのに、いったん学習したらしっかりと判定する知能もあれば、学習は早いけれども早とちりしがちな知能もあります。学習が乱数に基づくことや、知能に与えるパラメータによって出来上がる脳みそが異なるからです。

 一方のMTシステム(MT法)は一通りの数理しかありませんから、結果に個性は生じないのです。誰が使っても基本的に同じ結果が出ます。

3.MTシステムは暴走しない人工知能

 暴走とは、制御不能に陥って滅茶苦茶をすることです。自己増殖型の人工知能は、「育ちなさい」というルールを与えるので、遠い将来には制御できない暴走を始める危険があるというのが、ホーキング博士などの心配の背景です。

 MTシステム(MT法)は、パターン認識や監視機能という目的は人工知能と同じですが、暴走はしません。抑制の効いた品位を保ちます。

4.円く収めるのがMTシステム

 MTシステムが暴走する心配がないのは、相関という楕円で置き換えられる数理を使う「だけ」だからです。以前の記事で書いたように、楕円を円に戻して計算する幾何学数理を使います。楕円の理屈が幾重にも折り重なってパターンを認識します。楕円を真円に戻す処理の集積です。文字通り「丸く(円く)収める」数理です。

 簡素なのに、機能は人工知能に劣りません。ロケットの診断に当たっては、他の人工知能も候補でしたが、MT法が最も簡素で高能力と判断されました。


この記事の著者

手島 昌一

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画像検査、音響などの波形検査は、人間(検査員)への依存度が高く、コスト低減のボトルネックの一つです。MTシステムというパターン認識理論を使うと、処理できる場合がほとんどです。世界中の企業が注目しており、また「付加価値」の必要性を感じる国内…

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