技術伝承とは(その4) 暗黙知の可視化の必要性

 
  
技術伝承
 

2. 少子高齢社会でのものづくり

 前回の技術伝承とは(その3)に続いて解説します。
 

(3) 暗黙知の可視化の必要性

 技術を伝える場合、標準化や機械化などにより組織全体の技術レベルの底上げを行なう技術移転のケースと属人的なコア技術・ノウハウへ付加価値をつけていく技術深耕のケースに大別できます.
 
 技術移転を行なう場合、共有知として情報共有するために形式知化を行なうことが前提となります.図表・数式・言語などにより誰でも理解・利用できる形に具現化し保有可能な形にするのです.また形式知化した作業の一部或いは全部の自動化を行い、誰でも作業ができるようにしていきます.
 
 一方、技術深耕の場合は、属人的に伝える必要があるため OJTに代表されるような一子相伝 (From To 運動) の方法により、伝えつつ創意工夫を加えていきます.
 
 このように暗黙知状態から形式知化可能な部分と属人的な部分に抽出・整理する必要があるのですが、暗黙知状態からすぐに技術移転や技術深耕が見極められる訳ではないため、より効率的に属人的な部分と形式知化可能な部分に識別することが求められます.
 
 一方、機械化や自動化された技術をさらに生産性向上するためには、一度暗黙知の状態、つまり属人的な状態に戻し、改善を加えたうえで再度機械化や自動化する必要があります.
 
 機械化や自動化された作業は、改善された状態を維持するための仕組みであり、それ自体に改善を促進する機能はありません.従って機械化や自動化する際には、事前に十二分に改善・改革を行っておきましょう.再度改善を行なうというような後戻りを最小限するような工夫が必要です。
 
 次回は、3. 暗黙知の可視化から続けて解説します。
 

この記事の著者

野中 帝二

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応した解決策をサポート致します。

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