教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成(その3)

更新日

投稿日

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】

 教育その会社の人事制度を見れば、従業員を大事にしている会社かどうかが分かります。従業員を「人材」として大事に扱っている会社は伸びています。逆に、従業員を「あたま数」としか見ていない企業は衰退しています。
 
 このことは明らかな事実ですが、いざ業績が思わしくなくなると、真っ先に人員削減に手を着ける会社がいかに多いかです。なぜなら普段から「人材」を活かし組織の力を結集出来る人事制度の仕組みの構築を怠って来たからです。
 

◆人事システム

 
 人事システムは、組織構造、人材育成システムと連動させて設計します。そして、システムは次の4つに分類できます。
 
           ・採用
           ・配置
           ・育成
           ・評価
 
 人事システムは、経営者がどんな人材を育てたいかを具体的に現わしています。これからの人事システムに必要と思われることを列挙してみます。
 

1.女性の登用

 
 少子高齢化で若い人が減少しています。特に女性は結婚・出産に伴って大半が辞めてしまいます。人口の半分は女性なのですから、戦力として女性を活かさない手はありません。そこで女性が働き易いように、様々な制度を工夫している会社はいくつもあります。女性を登用することによって、男社会の価値観だけでなく、女性が加わることによって異なった価値観が生まれてくる可能性もあります。
 

2.経営者とのコミュニケーション

 
 経営者とそこで働く社員は価値観が一致していなければ、社長がいくら戦略を描いてもその通り実施出来ません。経営者の夢や5年後、10年後のあるべき姿など、社員と定期的にコミュニケーションを取って伝える具体的な仕組み、どのようなスキルや技能が必要なのかを社員にオープンにした評価制度など、全社一体となった経営ができるような人事制度の仕組みを継続的に作っていく努力が必要になります。
 

3.教育システムとの連動

 
 経営者との価値観を共有するための教育、会社に貢献する人材、将来の成長を支える人材像を明確にして、それに向けた補地ような教育は何が必要なのかを教育システム設計の出発点とします。
 

4.信賞必罰制度との連動

 
 人材像が明確になり、教育システムに沿って育った人材が業績を上げる事、この考えのもとに信賞必罰制度が成り立っています。信賞必罰制度は、次のような制度から成り立っています。
 
    ・昇給制度
    ・罰金制度
    ・表彰制度
    ・賞金制度
 
 そのほか、人材の新陳代謝が行われるよ...

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】

 教育その会社の人事制度を見れば、従業員を大事にしている会社かどうかが分かります。従業員を「人材」として大事に扱っている会社は伸びています。逆に、従業員を「あたま数」としか見ていない企業は衰退しています。
 
 このことは明らかな事実ですが、いざ業績が思わしくなくなると、真っ先に人員削減に手を着ける会社がいかに多いかです。なぜなら普段から「人材」を活かし組織の力を結集出来る人事制度の仕組みの構築を怠って来たからです。
 

◆人事システム

 
 人事システムは、組織構造、人材育成システムと連動させて設計します。そして、システムは次の4つに分類できます。
 
           ・採用
           ・配置
           ・育成
           ・評価
 
 人事システムは、経営者がどんな人材を育てたいかを具体的に現わしています。これからの人事システムに必要と思われることを列挙してみます。
 

1.女性の登用

 
 少子高齢化で若い人が減少しています。特に女性は結婚・出産に伴って大半が辞めてしまいます。人口の半分は女性なのですから、戦力として女性を活かさない手はありません。そこで女性が働き易いように、様々な制度を工夫している会社はいくつもあります。女性を登用することによって、男社会の価値観だけでなく、女性が加わることによって異なった価値観が生まれてくる可能性もあります。
 

2.経営者とのコミュニケーション

 
 経営者とそこで働く社員は価値観が一致していなければ、社長がいくら戦略を描いてもその通り実施出来ません。経営者の夢や5年後、10年後のあるべき姿など、社員と定期的にコミュニケーションを取って伝える具体的な仕組み、どのようなスキルや技能が必要なのかを社員にオープンにした評価制度など、全社一体となった経営ができるような人事制度の仕組みを継続的に作っていく努力が必要になります。
 

3.教育システムとの連動

 
 経営者との価値観を共有するための教育、会社に貢献する人材、将来の成長を支える人材像を明確にして、それに向けた補地ような教育は何が必要なのかを教育システム設計の出発点とします。
 

4.信賞必罰制度との連動

 
 人材像が明確になり、教育システムに沿って育った人材が業績を上げる事、この考えのもとに信賞必罰制度が成り立っています。信賞必罰制度は、次のような制度から成り立っています。
 
    ・昇給制度
    ・罰金制度
    ・表彰制度
    ・賞金制度
 
 そのほか、人材の新陳代謝が行われるように、中途採用者の採用、若手の登用を積極的に行われるような仕組みも重要になっていると思います。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に...


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
社会人基礎力とは、職業的発達にかかわる諸能力「4領域8能力」 

【目次】 前回の社会人基礎力とは、社会人基礎力の意味に続けて解説します。2002年から経済産業省が「起業家教育」を学校教育へ導入を始...

【目次】 前回の社会人基礎力とは、社会人基礎力の意味に続けて解説します。2002年から経済産業省が「起業家教育」を学校教育へ導入を始...


技術企業の高収益化: 技術プラットフォームとは

◆ 儲かる会社は技術プラットフォームを使いこなす  「うちは、技術プラットフォームの意識が希薄で情けないですよ」数年前のこと、こう話されたのは、とあ...

◆ 儲かる会社は技術プラットフォームを使いこなす  「うちは、技術プラットフォームの意識が希薄で情けないですよ」数年前のこと、こう話されたのは、とあ...


エンゲージメントとは~技術企業の高収益化:実践的な技術戦略の立て方(その9)

  ◆ 社員のエンゲージメント向上に必要な事とは  世相は世相ですが、私のクライアント企業の方は実に楽しそうに仕事をしている人が多いです...

  ◆ 社員のエンゲージメント向上に必要な事とは  世相は世相ですが、私のクライアント企業の方は実に楽しそうに仕事をしている人が多いです...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
工場経営【 事例紹介 】

  工場経営、厳選記事が無料でお読みいただけます!   ◆現場技術の深部と作業の細部見抜く 経営者・管理者のような、会社の...

  工場経営、厳選記事が無料でお読みいただけます!   ◆現場技術の深部と作業の細部見抜く 経営者・管理者のような、会社の...


人的資源マネジメント:「エンゲージメント」の計測(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   2. エンゲージメントの調査結果    3つの側面について少し説明しておきましょう。 ...

 前回のその1に続いて解説します。   2. エンゲージメントの調査結果    3つの側面について少し説明しておきましょう。 ...


『坂の上の雲』に学ぶ全体観(その4)

   『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場...

   『坂の上の雲』は司馬遼太郎が残した多くの作品の中で、最もビジネス関係者が愛読しているものの一つでしょう。これには企業がビジネスと言う戦場...