荷姿効率を向上させるための製品のあり方とは エンジニアリングとしての物流(その3)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 守りの物流と攻めの物流

 通常輸送するモードの輪切りで容器モジュールを設定します。10トン車が輸送の中心であればその荷台の輪切りでモジュールを定めるのです。この時に1.1系パレットにこだわると効率的なモジュールを設定できない恐れがあります。1.1系を使用しないとにっちもさっちもいかない状態にないのであれば、これにとらわれることなくトラックをベースに容器モジュールを考えていきましょう。

 前回、モジュール化された標準容器の中にいかに効率よく製品を収納するのかを考えていくことが荷姿技術の基本であるとお話しましたが、さらにエンジニアリングとしての物流を考えた時に出てくるべき発想が、物流を考慮した製品設計です。いかに物流効率を阻害しない製品をつくるかを考えるのです。

 この発想についてどのように受け止めますでしょうか。筆者がこの主張をした20年前は「何をたわけたことを考えているのか」と言われました。

 つまり物流は二の次であって、物流効率を向上させるために製品の設計を変えることなど「あり得ないこと」と言われていたわけです。物流は決められた範囲内で最高の効率を考えろ、という発想です。これを「守りの物流」だとしたら、物流のために製品設計を考えることは「攻めの物流」だと言えるでしょう。

 とことんサプライチェーンの効率を追求していくと必ずこの局面に遭遇するのだと思います。ですから、まずは現状の範囲でとことん効率化を進めましょう。しかし、それが一定のレベルに達したのであれば、次のフェーズに移って...

サプライチェーンマネジメント

◆ 守りの物流と攻めの物流

 通常輸送するモードの輪切りで容器モジュールを設定します。10トン車が輸送の中心であればその荷台の輪切りでモジュールを定めるのです。この時に1.1系パレットにこだわると効率的なモジュールを設定できない恐れがあります。1.1系を使用しないとにっちもさっちもいかない状態にないのであれば、これにとらわれることなくトラックをベースに容器モジュールを考えていきましょう。

 前回、モジュール化された標準容器の中にいかに効率よく製品を収納するのかを考えていくことが荷姿技術の基本であるとお話しましたが、さらにエンジニアリングとしての物流を考えた時に出てくるべき発想が、物流を考慮した製品設計です。いかに物流効率を阻害しない製品をつくるかを考えるのです。

 この発想についてどのように受け止めますでしょうか。筆者がこの主張をした20年前は「何をたわけたことを考えているのか」と言われました。

 つまり物流は二の次であって、物流効率を向上させるために製品の設計を変えることなど「あり得ないこと」と言われていたわけです。物流は決められた範囲内で最高の効率を考えろ、という発想です。これを「守りの物流」だとしたら、物流のために製品設計を考えることは「攻めの物流」だと言えるでしょう。

 とことんサプライチェーンの効率を追求していくと必ずこの局面に遭遇するのだと思います。ですから、まずは現状の範囲でとことん効率化を進めましょう。しかし、それが一定のレベルに達したのであれば、次のフェーズに移っていただきたいのです。「固定観念」は捨てなければなりません。サプライチェーンを最高の状態に持っていくためには製品設計や生産場所などを変えなければならない時がやって来るのです。

 ということで、物流効率向上のための製品設計について考えていきたいと思います。その代表的なものが荷姿効率を向上させるための製品のあり方の検討です。次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
きちんと物流条件を提示する 物流アウトソース先との付き合い方(その1)

        日本企業の7割以上が物流業務を何かしらの形でアウトソースしていると聞きます。この物流アウトソースですが皆さんの会社では上手くいってい...

        日本企業の7割以上が物流業務を何かしらの形でアウトソースしていると聞きます。この物流アウトソースですが皆さんの会社では上手くいってい...


情報発信で物流改善を進めよう 物流側からの情報発信の重要性(その5)

 物流は往々にして何らかの行動の結果として生まれる現象ととらえることができます。前回の事例のように各部門が部分最適を求めて勝手に動くとその傾向が強まります...

 物流は往々にして何らかの行動の結果として生まれる現象ととらえることができます。前回の事例のように各部門が部分最適を求めて勝手に動くとその傾向が強まります...


儲かる物流商品とは 利益率を確保する物流会社の取組(その1)

◆ 利益の出る会社と出ない会社  前回もお話させていただきました通り、コモディティ化された物流商品では他社と違いが出ないため価格競争になります。顧客...

◆ 利益の出る会社と出ない会社  前回もお話させていただきました通り、コモディティ化された物流商品では他社と違いが出ないため価格競争になります。顧客...