品質の維持と改善 品質保証概論(その4)

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【品質保証概論 連載の目次】

 

1.品質の維持(品質管理)

良い商品を作り、不良品を発生させないためには、正しい作業を行うことが必要です。そのためには、何が正しい作業かを考え、必要であればより良い方法に改善していく姿勢が重要になります。

【この連載の前回:品質保証概論(その3)品質管理のためのPDCAサイクルへのリンク】

 

  • 作業手順や条件は適切か。
  • 機械設備や治工具は適切か。もっと良いものはないか。
  • 原材料や部品の仕様は適切か。
  • 作業者の知識やスキルは十分か。適材適所に配置されているか。

 

しかし、定められている作業を正しく守っているつもりでも、様々な要因で商品にはばらつきが発生し、時には不良品ができてしまうことがあります。

 

  • 原材料の品質がばらついて、商品が安定しない。
  • 作業スキルが人によって異なり、商品の出来ばえがばらつく
  • 設備ごとのメンテナンス状態が同じではなく、加工精度が均一ではない
  • 同じ設備でも、日々の気温や湿度の変化により、加工条件がばらつく
  • 精度が落ちた測定器で検査したために、寸法不良が流出した

 

製造工程におけるこのような品質問題については、常に正しい作業条件を維持・管理することによって、ばらつきを小さくして不良を低減することが重要です。この活動は、決められた方法や条件を守ることによる「品質の維持活動」といいます。つまり、「維持(管理)」とは、現在の水準を安定・維持することであり、「改善」とは...

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【品質保証概論 連載の目次】

 

1.品質の維持(品質管理)

良い商品を作り、不良品を発生させないためには、正しい作業を行うことが必要です。そのためには、何が正しい作業かを考え、必要であればより良い方法に改善していく姿勢が重要になります。

【この連載の前回:品質保証概論(その3)品質管理のためのPDCAサイクルへのリンク】

 

  • 作業手順や条件は適切か。
  • 機械設備や治工具は適切か。もっと良いものはないか。
  • 原材料や部品の仕様は適切か。
  • 作業者の知識やスキルは十分か。適材適所に配置されているか。

 

しかし、定められている作業を正しく守っているつもりでも、様々な要因で商品にはばらつきが発生し、時には不良品ができてしまうことがあります。

 

  • 原材料の品質がばらついて、商品が安定しない。
  • 作業スキルが人によって異なり、商品の出来ばえがばらつく
  • 設備ごとのメンテナンス状態が同じではなく、加工精度が均一ではない
  • 同じ設備でも、日々の気温や湿度の変化により、加工条件がばらつく
  • 精度が落ちた測定器で検査したために、寸法不良が流出した

 

製造工程におけるこのような品質問題については、常に正しい作業条件を維持・管理することによって、ばらつきを小さくして不良を低減することが重要です。この活動は、決められた方法や条件を守ることによる「品質の維持活動」といいます。つまり、「維持(管理)」とは、現在の水準を安定・維持することであり、「改善」とは、現状の水準をさらに高めていくことと言えます。

 

QC

図.品質の維持(管理)と品質改善

 

次回に続きます。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

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この記事の著者

今澤 尚久

「商品を買う側(小売業)」と「商品を作る側(製造業)」の両方の業界経験をベースに実効性のある経営戦略を策定します。現場・現物・現実の三現主義で現状把握から施策立案・課題解決までの全工程を支援します。

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