人的資源マネジメント、良い結果を生み出す仕組みや技法を活用できる人財を育成するには

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人的資源マネジメント、良い結果を生み出す仕組みや技法を活用できる人財を育成するには

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    1. ツールや方法論を有効活用活するには

    技術領域で活用されるツールや方法論は様々あります.例えば,品質工学分野ではパラメータ設計,機能性評価,許容差設計,MT法,T法から最近ではCS-T法も活用が進んでいます.品質工学分野以外では,QFDTRIZ,実験計画法,多変量解析,統計的検定,等々たくさんの方法論やツールが存在します.これらのツールや方法論を有効活用活するためには,各ツールや方法論の特徴を理解した上で,マネジメントの関与のレベルや活用の時間軸の設定をしていく必要があります.かつて,多くの企業がパラメータ設計を中心とする品質工学の推進をトップダウンで進めましたが,トップダウン体制がなくなると活用が激減してしまうという企業がほとんどという現実があります.つまり,効果を実感して,リピーターとなってくれる技術者が少ないという現実があるのです.この事実をしっかりと受け止めて,今後に...

    人的資源マネジメント、良い結果を生み出す仕組みや技法を活用できる人財を育成するには

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      1. ツールや方法論を有効活用活するには

      技術領域で活用されるツールや方法論は様々あります.例えば,品質工学分野ではパラメータ設計,機能性評価,許容差設計,MT法,T法から最近ではCS-T法も活用が進んでいます.品質工学分野以外では,QFDTRIZ,実験計画法,多変量解析,統計的検定,等々たくさんの方法論やツールが存在します.これらのツールや方法論を有効活用活するためには,各ツールや方法論の特徴を理解した上で,マネジメントの関与のレベルや活用の時間軸の設定をしていく必要があります.かつて,多くの企業がパラメータ設計を中心とする品質工学の推進をトップダウンで進めましたが,トップダウン体制がなくなると活用が激減してしまうという企業がほとんどという現実があります.つまり,効果を実感して,リピーターとなってくれる技術者が少ないという現実があるのです.この事実をしっかりと受け止めて,今後に生かすことも品質工学会としての重要な取り組みになります.

       

      エネルギー比型SN比,CS-T法,T7など品質工学は現在でも進化しており,従来以上の活用効果が期待できるようになったきました.是非とも多くの技術者の皆様に活用してほしいと願っておりますが,活用方法を誤ると効果実感なく,リピータになってくれないという過去の失敗を繰り返してしまうかもしれません.それを避けるために,各ツールや方法論を手法・技法・仕組みという切り口で分類することが有効であろうと考えています.以下にこの3つの違いを簡単に説明します.

      • 手法・・・正しい手順に従って正しい結果を得るツール 
      • 技法・・・アレンジや工夫をすることによって役立つ結果を得るツールや方法論 
      • 仕組み・・意思決定を含むプロセス

       

      2. 本来のマネジメントとは,結果の責任を問うことではない

      かつての欧米企業は個人の自律的な力が重視され,結果が良ければプロセスは問わないというマネジメントが主流でした.しかし,1980年代以降,日本製造業の国際競争力が高まり,多くの欧米企業が日本に注目し日本から学んだのです.日本から学んだ最も重要なことが「良いプロセスが良い結果を継続的に生み出す」という考え方であったと思います.よいプロセスとは,例えばTQMや方針管理のような全体最適化を取り入れた組織活動です.欧米企業はタグチメソッドやQFDなどの技法やTQMや方針管理などの仕組みを日本から学び,それを自分達流にアレンジしてDFSSなどの技術開発の仕組みを構築し,実践活用しています.

       

      その一方で,失われた30年間で多くの日本企業は,かつての欧米企業の合理主義経営の考え方を良しとし,結果が良ければプロセスは問わないマネジメントを導入しました.本来のマネジメントとは,結果の責任を問うことではなく,良い結果を生み出す仕組みや技法を活用できる人財を育成することにあると私は思います.人財が良い結果を継続的に生み出す原動力です.今,日本の製造業は欧米企業から学び,自分達に合ったよりよい技術開発の仕組みを構築することが求められています.技術開発プロセスを設計するT7は,日本製造業がかつての輝きを再び取り戻す手段になると期待しています.

       

      【出典】QECompass HPより、筆者のご承諾により編集して掲載

      ◆[エキスパート会員インタビュー記事] 品質工学の魅力とその創造性への影響(細川 哲夫 氏

       

      ◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

       

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      この記事の著者

      細川 哲夫

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