人的資源マネジメント:自分の「徳」を知って成果を出す(その1)

 「徳」という単語は高い人間性を表現するときに使われます。たとえば、「徳がある人」「徳を高める」「徳を積む」というような使い方をします。「徳」というのは道徳的に優れたもの、高く評価されるものというような意味で使われ、人にとって重要なものと考えられている反面、年齢、性別、社会環境、民族性などによって、また、個人の価値観によって違いがあると考えられています。
 
 様々な研究により、自分が持っている「徳」を知り、その「徳」を活かす術を身につけることで、パフォーマンスを高め、学習や仕事などに対する高い成果を出せることがわかっています。
 

1. 6つの美徳と24の徳性

 「徳」は時代や民族性、社会環境などによって異なる曖昧なものだと考えられていますが、普遍的な徳が存在することを証明した人がいます。ペンシルベニア大学のクリストファー・ピーターソンです。彼は、全世界の、様々な時代の宗教、哲学、文化などを徹底的に調査することで、6つの普遍的な核となる徳が存在することを発見し、6つの美徳としました。知恵、勇気、人間性、正義、節制、超越性という6つです。
 
 さらに彼は、6つの美徳の曖昧さを減らし、測定可能なものにするために、精神医学、教育、宗教、哲学などの学問領域だけでなく、流行歌や新聞記事、広告などの日常生活における表現などを調査することで、美徳のそれぞれを特徴づける具体的な項目を作りました。その結果、6つの美徳を24個の項目に具体化しました。
 
人的資源マネジメント
図122. 6つの美徳と24の徳性
 
 この24項目は、いつの時代のどのような社会でも普遍的、道徳的に重要だと考えられているもので、具体的に定義された徳だということができるでしょう。この24項目を「徳性」とよびます。
 
 徳が24の徳性として明確に定義された結果、人によって、強い徳性、弱い特性は違うものの、持っている徳性を活かすと、充実感や満足感、活力を得ることができ、高い学習効果や成果をもたらすことがわかりました。
 
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図123. 徳性を活かした状態
 
 自分の強い徳性を知り、それを活かすことで気分よく勉強や仕事に取り組むことができ、その結果、高い成果を出すことができるのですから、まずは自分の強い徳性を知ることが大切です。さて、あなたの強い徳性は何でしょうか。図122を見て5つ選んでみてください。図123のような状態になったときのことを思い出しながら考えると、自分を振り返る良い機会になると思います。
 
 次回も、自分の「徳」を知って成果を出すを続けます。
  

この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

社会や生活を変える「ものづくり」と、そんな製品やサービスを開発する「ひとづくり」を行う組織づくりのために、日科技連石川賞を受賞した仕組み改革の実績や、オリンピック金メダルを生んだコーチング技術を活用した意識改革の実績など、持っているリソー…

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