トヨタ生産方式を学ぶ 物流マンの視野を広げる(その5)

投稿日

SCM

 

 物流マンは「ここの在庫が多いのは何か変だ」、「調達の頻度に偏(かたよ)りがある」といった問題に対し、第三者ならではの気づきを持つことが必要です。その問題点を解決することは次のステップで行います。

 これらの気づきにつながる「問題発見力」は物流マンにとって必須項目です。ではそれをどのようにして身に付けるか。いくつかの方法について考えていきましょう。

 

1. トヨタ生産方式を学ぶ

 これは大変有効な方法で、あらゆる業種に導入が可能です。よく「導入をしたけれども効果が無かった」という話を聞きますが、その大半は十分に理解しないまま導入したことに要因があります。なぜジャストインタイムが求められるのか。5Sに徹底的に取り組む理由は何か。ムダを発見し、それをつぶす方法にはどのようなものがあるのか。

 トヨタ生産方式は企業運営上、必ず必要な要素がありますので、まずこれを学ぶことで、ほとんどの問題解決のヒントを得られると考えられます。これはセミナーもあれば本もたくさん出版されていますので、学ぶ方法は山のようにあります。ものづくり.COMのセミナー検索でもトヨタ生産方式のセミナーは簡単に見つかります。

 

2. 先進的な工場を見る

 工場を見ることは大変勉強になります。自動化が進んでいる工場ではなく、どちらかというと労働集約型の現場を見るとよいのではないでしょうか。工場の中には物流も存在します。自分たちが普段実施している物流と比較することもできると思います。そこではものづくりの基礎も学べ...

SCM

 

 物流マンは「ここの在庫が多いのは何か変だ」、「調達の頻度に偏(かたよ)りがある」といった問題に対し、第三者ならではの気づきを持つことが必要です。その問題点を解決することは次のステップで行います。

 これらの気づきにつながる「問題発見力」は物流マンにとって必須項目です。ではそれをどのようにして身に付けるか。いくつかの方法について考えていきましょう。

 

1. トヨタ生産方式を学ぶ

 これは大変有効な方法で、あらゆる業種に導入が可能です。よく「導入をしたけれども効果が無かった」という話を聞きますが、その大半は十分に理解しないまま導入したことに要因があります。なぜジャストインタイムが求められるのか。5Sに徹底的に取り組む理由は何か。ムダを発見し、それをつぶす方法にはどのようなものがあるのか。

 トヨタ生産方式は企業運営上、必ず必要な要素がありますので、まずこれを学ぶことで、ほとんどの問題解決のヒントを得られると考えられます。これはセミナーもあれば本もたくさん出版されていますので、学ぶ方法は山のようにあります。ものづくり.COMのセミナー検索でもトヨタ生産方式のセミナーは簡単に見つかります。

 

2. 先進的な工場を見る

 工場を見ることは大変勉強になります。自動化が進んでいる工場ではなく、どちらかというと労働集約型の現場を見るとよいのではないでしょうか。工場の中には物流も存在します。自分たちが普段実施している物流と比較することもできると思います。そこではものづくりの基礎も学べます。

 どのような生産指示を出しているのか、生産効率を向上させるためにどのような取り組みを実施しているのか、物流の仕事にも参考になる事例が山のようにあるはずです。ぜひ自分の目で見て確認しましょう。できれば最初に本を読んで、セミナーを受講してその後、工場見学に移った方がよいでしょう。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
部品メーカーのサプライチェーンにおける機会と脅威

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...


スピードこそがサプライチェーンのコア・コンピタンス

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...


SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その15)

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流会社の育成 荷主としての心得 (その3)

   物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という...

   物流業務をアウトソースする立場を荷主と呼びます。ちょっと古臭い表現ですが、物流業界ではこの言葉が一般的となっていますので、荷主という...


トラック合わせ生産 SCMの本質(その2)

1.同期生産    前回のその1に続いて解説します。サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工...

1.同期生産    前回のその1に続いて解説します。サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工...


ノウハウの提供 物流の地位向上に向けて(その6)

  ◆ 独自ノウハウで地位向上  サプライチェーン(SC)の効率化を最大限にするためには「ものづくりの場」や「物流倉庫の場」についても考...

  ◆ 独自ノウハウで地位向上  サプライチェーン(SC)の効率化を最大限にするためには「ものづくりの場」や「物流倉庫の場」についても考...