KJ法の基幹をなす手法「A型図解」 新QC七つ道具:第4章 親和図法の使い方(その1)

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【目次】
序論   ←掲載済
第4章  親和図法の使い方 ←今回 
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方
 

新QC七つ道具:第4章 親和図法の使い方

 
  親和図法
 

4.1 親和図法について

 

4.1.1 はじめに

 
 第4章では親和図法の使い方を次の3項目に分け、それぞれに一節をあてて解説します。
 
  1. “親和図法”と、そのオリジナルである“KJ法 ”の説明
  2.  親和図法の使い方14ステップの説明
  3.  事例を用いた使い方の勘どころの説明
 
 その最初に当たる本節では、オリジナル手法の説明に紙面をずいぶん割きました。これは、筆者の経験から“親和図法の的確な活用にはKJ法 の本質の理解が必須”と考えてのことです。この説明が、ねらい通り“親和図法の活用度向上”につながることを願ってやみません。
 

4.1.2 参考文献について

 
 上述したように、本節ではオリジナル手法である“KJ法 ”について、その本質を筆者なりに説明しますが、あくまで親和図法の的確な活用に必須と思われる点に限定しての話です。したがって、親和図法活用上は、本節の説明内容で十分と思いますが、ポイントとなる論旨の背景や検証結果など、より深い理解については参考文献によらざるを得ないのです。ところが、専門書などで苦労するのは参考文献参照の煩雑さであり、その気はあっても、そのままになってしまうことが多いでしょう。
 
 そこで、参考文献に頼る機会の多い本節では、次のような工夫をして、参照を容易にしたのでご活用願います。すなわち、参照すべき個所の表示を、参考文献は、参考文献リストのローマ字、参照ページはその後に続く数字で表わし、( )でくくることにしました。ということで、まず、活用する参考文献を、ローマ字の符号をつけて下記に紹介します。G、H、I以外の著者は、川喜田二郎氏です。
 
  • A 「発想法」中公新書No.136
  • B 「続・発想法」中公新書No.210
  • C 「問題解決学」講談社
  • D 「知の探検学」講談社現代新書No.476
  • E 「パーティー学」社会思想社現代教養文庫
  • F 「KJ法 」中央公論社
  • G 「カンの構造」中山正和著 中公新書No.174
  • H 「管理者・スタッフの新QC七つ道具」日科技連出版
  • I 「新QC七つ道具の企業への展開」日科技連出版
  • J 「チームワーク」光文社(カッパブックス)
  • K 「経営のためのKJ法 入門」日本能率協会編
 
 念のために具体例をあげますと、次項に出てくる“(H89)”は、参考文献H「管理者・スタッフの新QC七つ道具」の89ページに、参照内容の記載があることを示しています。こういった表示は、参照部分をきっかけとした参考文献の部分的通読を通じ、親和図法活用度向上に有効な“KJ法 のポイント”をより深く把握願うことを期待してのことですが、それは、あくまでKJ法 に対するより深い関心を持った場合のことであり、親和図法の活用そのものに関しては、本節の説明で十分であることは冒頭の説明の通りです。これらの参考文献全部が必要との誤解を避けるため、念のために申し上げる次第です。
 

4.1.3 親和図法とは

 
 N7提言の書となった「管理者・スタッフの新QC七つ道具」(H)では、「KJ法 」として紹介されたが、意匠登録の問題から、この本の中で併用されていた「親和図法」を、N7での呼称とした経緯がある通り、オリジナルは「KJ法 」です。
 
 ただ、KJ法 は、後述するように、大変奥深いものであり、N7が「親和図法」として取り上げているのは、KJ法 の基幹をなす手法“A型図解”であり、本書(H)では、次のように定義しています。
 
 「未知、未経験の分野、あるいは未来、将来のことなど混沌としている状態の中から、あたかも夕暮れの空に1つ2つと星の光を見つけ出すように、事実あるいは意見、発想を言語データとしてとらえ、収集した言語データを相互の親和性によってまとめあげる方法である」(H89)
 
 そして、用途として次の6つのジャンルをあげています。(H89-92)
 
  • 1) 事実認識のために
  • 2) 思想構築の...
 
【目次】
序論   ←掲載済
第4章  親和図法の使い方 ←今回 
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方
 

新QC七つ道具:第4章 親和図法の使い方

 
  親和図法
 

4.1 親和図法について

 

4.1.1 はじめに

 
 第4章では親和図法の使い方を次の3項目に分け、それぞれに一節をあてて解説します。
 
  1. “親和図法”と、そのオリジナルである“KJ法 ”の説明
  2.  親和図法の使い方14ステップの説明
  3.  事例を用いた使い方の勘どころの説明
 
 その最初に当たる本節では、オリジナル手法の説明に紙面をずいぶん割きました。これは、筆者の経験から“親和図法の的確な活用にはKJ法 の本質の理解が必須”と考えてのことです。この説明が、ねらい通り“親和図法の活用度向上”につながることを願ってやみません。
 

4.1.2 参考文献について

 
 上述したように、本節ではオリジナル手法である“KJ法 ”について、その本質を筆者なりに説明しますが、あくまで親和図法の的確な活用に必須と思われる点に限定しての話です。したがって、親和図法活用上は、本節の説明内容で十分と思いますが、ポイントとなる論旨の背景や検証結果など、より深い理解については参考文献によらざるを得ないのです。ところが、専門書などで苦労するのは参考文献参照の煩雑さであり、その気はあっても、そのままになってしまうことが多いでしょう。
 
 そこで、参考文献に頼る機会の多い本節では、次のような工夫をして、参照を容易にしたのでご活用願います。すなわち、参照すべき個所の表示を、参考文献は、参考文献リストのローマ字、参照ページはその後に続く数字で表わし、( )でくくることにしました。ということで、まず、活用する参考文献を、ローマ字の符号をつけて下記に紹介します。G、H、I以外の著者は、川喜田二郎氏です。
 
  • A 「発想法」中公新書No.136
  • B 「続・発想法」中公新書No.210
  • C 「問題解決学」講談社
  • D 「知の探検学」講談社現代新書No.476
  • E 「パーティー学」社会思想社現代教養文庫
  • F 「KJ法 」中央公論社
  • G 「カンの構造」中山正和著 中公新書No.174
  • H 「管理者・スタッフの新QC七つ道具」日科技連出版
  • I 「新QC七つ道具の企業への展開」日科技連出版
  • J 「チームワーク」光文社(カッパブックス)
  • K 「経営のためのKJ法 入門」日本能率協会編
 
 念のために具体例をあげますと、次項に出てくる“(H89)”は、参考文献H「管理者・スタッフの新QC七つ道具」の89ページに、参照内容の記載があることを示しています。こういった表示は、参照部分をきっかけとした参考文献の部分的通読を通じ、親和図法活用度向上に有効な“KJ法 のポイント”をより深く把握願うことを期待してのことですが、それは、あくまでKJ法 に対するより深い関心を持った場合のことであり、親和図法の活用そのものに関しては、本節の説明で十分であることは冒頭の説明の通りです。これらの参考文献全部が必要との誤解を避けるため、念のために申し上げる次第です。
 

4.1.3 親和図法とは

 
 N7提言の書となった「管理者・スタッフの新QC七つ道具」(H)では、「KJ法 」として紹介されたが、意匠登録の問題から、この本の中で併用されていた「親和図法」を、N7での呼称とした経緯がある通り、オリジナルは「KJ法 」です。
 
 ただ、KJ法 は、後述するように、大変奥深いものであり、N7が「親和図法」として取り上げているのは、KJ法 の基幹をなす手法“A型図解”であり、本書(H)では、次のように定義しています。
 
 「未知、未経験の分野、あるいは未来、将来のことなど混沌としている状態の中から、あたかも夕暮れの空に1つ2つと星の光を見つけ出すように、事実あるいは意見、発想を言語データとしてとらえ、収集した言語データを相互の親和性によってまとめあげる方法である」(H89)
 
 そして、用途として次の6つのジャンルをあげています。(H89-92)
 
  • 1) 事実認識のために
  • 2) 思想構築のために
  • 3) 現状打破のために
  • 4) 換骨奪胎のために
  • 5) 参画組織のために
  • 6) 方針徹底のために
 
 以上のように親和図法の用途は非常に幅広いが、本書では上記のうち3)に属する“システムのレベルアップによる現状打破”に限定し、その分、使い方をより詳細に説明しようとしています。
 
 次回は、4.1.4 オリジナル手法「KJ法」について、から解説を続けます。
 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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